第一生命、アジア開発銀行が発行する初の「バイオダイバーシティ・ネイチャー・ボンド」に投資
第一生命は、アジア開発銀行(以下「ADB」)が発行するバイオダイバーシティ・ネイチャー・ボンド(総額約150億円)の全額を購入した。なお、本債券はADBにとって初めて発行する生物多様性と自然の保全に特化したテーマ債となる。
気候変動への対応は世界的な重要課題の一つであり、また、気候変動対応に不可欠な二酸化炭素吸収源として生物多様性や自然の保全にもますます注目が集まっている。一方で、アジア・太平洋地域において社会課題の解決に繋がる数多くのプロジェクトへ資金支援を行うADBでは、気候変動の緩和や生物多様性保護のためには全世界で現状の4倍以上となる毎年約100兆円以上の資金供給が必要、と試算しており、課題解決に向けた資金供給の拡大が期待されている。こうした状況の中、ADBはアジア・太平洋地域における生物多様性と自然の保全に対する取組みを加速すべく、第16回生物多様性条約締約国会議(COP16)※1にて、新たに「バイオダイバーシティ・ネイチャー・ボンド」のプログラムを発表した。本債券は、このプログラムに沿って初めて発行されたものである。
「バイオダイバーシティ・ネイチャー・ボンド」で調達された資金は、自然基盤型の社会課題解決※2を図る事業に充てられる。本債券による調達資金も、インドにおける街の歴史的価値を守りながら気候変動への耐久性を高める水道設備再建プロジェクトや、中国における湿地・遊水池の生態系改善、環境インフラの修復プロジェクト等に充当される予定である。
同社は本債券への投資を通じ、気候変動や災害等のショックに対して強靭で持続可能なアジア・太平洋地域の実現に取り組むADBを資金面からサポートすると共に、その進捗状況を継続的にモニタリングしていくことで、生物多様性・自然の保全等の分野から持続可能な開発目標(SDGs)への貢献を期待している。
同社は今後も引き続き、運用手法の高度化・多様化によって資産運用収益の向上を図るとともに、責任ある機関投資家として持続可能な社会の形成に寄与すべく、ESG投融資に積極的に取り組んでいく。
※1 「Peace with Nature(自然と共存する平和構築)」をテーマとし、2024年10月21日から11月1日までコロンビアのカリにて開催。
※2 インフラ整備等の社会課題の解決に自然の機能を活用すること。国や地域社会の成長を促進しながら、自然の生態系を保護、管理、回復させ、生物多様性と人間社会の双方にメリットをもたらすことを可能とする。
【本債券の概要】
発行体 アジア開発銀行(S&P格付:AAA、Moody’s格付:Aaa)
発行額 150百万豪ドル(約150億円)
同社投資額 150百万豪ドル(約150億円)
償還期間 10年