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生保協会、清水会長就任にあたっての所信を発表

生保協会は、清水会長就任にあたっての所信を発表した。
我が国に近代生命保険事業が誕生してから140年余、これまで生命保険業界は、関東大震災や世界大戦等に加え、近年では東日本大震災をはじめとする大規模自然災害、新型コロナウイルス感染症の世界的流行等の中にあっても、相互扶助の理念の下、一貫して皆様に安心を提供し、国民生活の向上を支えるべく取り組んできた。
そして今では、全国24万名を超える営業職員、約8万店の代理店等のネットワークを通じて保険商品を提供し、新型コロナウイルス感染症による入院給付金等の請求に対して延べ1,100万件、1兆2,000億円を上回る支払いを行う等、生命保険事業の社会保障制度を補完する社会基盤としての使命を果たすべく活動を行ってきた。
現在、我が国では、少子高齢化や人口減少等の大きな構造変化とともに、先端技術の進歩・普及や、コロナ禍を契機とした個人のライフスタイル多様化の急速な進展等、社会全体が大きく変化している。また、気候変動への対応等、持続可能な社会の実現に向けた取組みが世界的に大きな潮流となっている。我々には、こうした長期的に見据えるべき課題への取組みも求められており、その取組みの重要性は益々大きくなっている。
こうした変化の中にあっても生命保険業界として、様々な社会課題の解決に貢献することで、今後もお客様からの信頼を維持し、社会に役立つ業界であり続けたいと考えている。この実現に向けて、今年度、次の3点を軸に取組みを進めていく。
1.顧客本位の業務運営の推進に資する取組み
~「安心社会」実現に向けて~
今後も生命保険業界がお客様に変わらぬ安心を届け、社会の役に立ち続けていくためには、会員各社が顧客ニーズ等に寄り添う商品・サービスの開発、情報提供、販売・推奨、契約後のアフターフォローや支払いに至るまで、お客様の最善の利益を追求していく「顧客本位の業務運営」を推進していくことが何よりも重要である。
こうした観点から、先に公表した「営業職員チャネルのコンプライアンス・リスク管理態勢の更なる高度化にかかる着眼点」を踏まえ、引き続き会員各社の取組みを強力に後押ししていく。あわせて、昨年度より開始した代理店業務品質評価運営を通じ、乗合代理店の顧客本位の業務運営を一層後押ししていく。
今後も、お客様の最善の利益を追求すべく、お客様や社会からの要請等を的確に把握の上、業界課題への対応や会員各社の取組み支援等に積極的に取り組んでいく。
あわせて、コロナ禍において生命保険業界は、感染やこれに伴う生活への影響といったリスクに直面されているお客様に寄り添い、社会的使命を果たすべく全力で対応してまいりました。パンデミックに対する経験として今後に活かすべく、これまでの業界の取組みを振り返り、報告書として取り纏めたいと考えている。
さらに、人生100年時代を生きる上では、人生の早い段階で保険制度や自助努力に関する理解を深め、将来直面する様々なリスクへの対処法について自ら考える機会を持つことが重要である。
生命保険協会ではこれまで、教育コンテンツの提供や講師派遣、高校生向けビジネスコンテストへの協賛等、生命保険文化センターと連携しつつ、小学生から高齢者まで幅広い年代の皆様に、生命保険や生活設計等の理解を深めていただくための取組みを推進してきた。今年度は、若年層の金融リテラシー向上を一層効果的に図るべく、業界の垣根を越えた他業態との連携・協力体制の強化を志向していく。
2.地域社会における課題解決に資する取組み
~「希望あふれる社会」実現に向けて~
少子化の進行は人口減少・高齢化とも相俟って、社会経済に多大な影響をもたらす。生命保険協会ではこれまで、認知症へのサポートや子育てと仕事の両立支援に対する助成活動等、少子高齢化社会を踏まえた様々な取組みを行ってきた。
我が国の未来を担う次世代を育んでいくことは、社会全体で取り組むべき重要なテーマであると考えている。少子化という喫緊の課題に対し、少子化社会に対応した生命保険協会・会員各社の取組みを取り纏め、生命保険業界の果たす役割を改めて示すことで、社会全体の子育て支援の機運高揚に貢献したいと考えている。
あわせて、子育て支援や子どもの権利保護等に関する内容を纏めた研修教材等を作成し、業界内外に発信する等、地域における子育てを支える取組みに注力していく。
さらに、生命保険協会・会員各社は以前より、地域社会に根差した社会貢献活動に積極的に取り組んでおり、これらの取組みの丁寧な情報発信を志向していく。
加えて、デジタライゼーションが急速に進展する中、顧客ニーズ等に寄り添ったサービスを提供し続けるためには、日々進歩するデジタル技術に関する最新情報を把握するとともに、お客様への影響や事業へのインパクトを想定しておくことが不可欠である。こうした観点から、会員各社のデジタル化取組みを一層後押しすべく、分散型デジタル社会に関する調査や勉強会を通じた情報提供を行っていく。
3.地球環境の課題解決に資する取組み
~「持続可能な社会」実現に向けて~
脱炭素化をはじめとする持続可能な社会の実現に向けた具体行動の重要性が益々高まっており、生命保険業界も機関投資家として、また社会を構成する事業会社の一員として、より一層貢献していく必要があると認識している。
生命保険業界は400兆円を超える総資産を保有する機関投資家として、国民生活を支えるインフラ基盤や成長分野への投融資を通じて産業発展・経済活性化に貢献する等、我が国の経済活動の発展に貢献してまいりました。引き続き、ESG投融資やスチュワードシップ活動を通じた、投融資先企業の企業価値向上や持続可能な経済成長への貢献に向けた取組みを進めていく。
また、生命保険協会として、生命保険業界におけるSDGs達成に向けた重点項目を定め、これまで、気候変動や生物多様性等に関する動向調査やシンポジウム開催等の取組みを行ってまいりました。今年度は、各テーマの最新の動向等を反映したハンドブックの作成や勉強会の実施等により、会員各社の取組みを後押ししていく。
あわせて、会員各社との対話を通じて、持続可能な社会の実現に資する取組みを共有しつつ、国際会議の機会を捉え、業界全体の取組みについて主体的に情報発信していく。
さらに、これら3点の取組み軸に加え、お客様からの信頼を維持し、生命保険業界が健全に発展していくための基盤整備にも継続して取り組んでいく。
税制面においては、国民の皆様が必要とする多様な生活保障の準備を支援・促進するため、生命保険料控除制度の拡充を引き続き要望していく。加えて、我が国の生命保険事業の特性を踏まえた国際金融規制や国際会計基準、国内規制のあり方等について検討を進め、積極的に意見発信していく。
また、かんぽ生命における業務範囲の拡大や加入限度額の引上げ等について、中長期的に消費者利益を向上させるためには公正な競争条件の確保が不可欠であるとの考えの下、市場への影響等を見極めつつ、必要に応じて意見表明していく。

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