新日本保険新聞社・シンニチ保険WEB

生保協会・高田幸徳会長「令和4年 年頭所感」

生保協会・高田幸徳会長は1月4日、「令和4年 年頭所感」を次のとおり発表した。

令和4年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
昨年は、一昨年から続く新型コロナウイルス感染症が引き続き猛威を振るい、私たちの生活様式や経済活動に大きな影響を与えた1年でありました。生命保険協会としても、会員各社とともに、お客さまに安心をお届けし続けるため、感染防止と業務継続の両立に全力で取り組んでまいりました。国内におけるワクチン接種が急速に進んだ一方で、足元では再び、新たな変異株が世界各地で広がっており、依然として予断を許さない状況が続いています。
また、我々を取り巻く環境として、人生100年時代の到来という社会構造の大きな変化の中にあることに変わりはありません。さらに、SDGsや気候変動への取組みなど、持続可能な社会の実現に向けた世界規模での動きは益々活発になっています。
このように環境が目まぐるしく変化する中にあって、いつまでも変わらぬ安心をご提供し続けていくという生命保険業界の役割は、これまで以上に重要となっております。そして、その役割を果たしていく上では、お客さまに寄り添って、真摯かつ誠実に向き合う姿勢が不可欠であり、顧客本位の業務運営の推進に不断の努力を重ねていかなければなりません。
こうした認識のもと、昨年7月の協会長就任時の所信でも申し上げたとおり、本年も引き続き、次の3点を軸に取り組んでまいります。

1.新しい時代における生命保険業界の役割の発揮
昨年は、新型コロナウイルス感染症拡大の脅威が継続する中、生命保険業界の使命を着実に果たすべく、新型コロナウイルス感染症に関連する保険金・給付金を迅速かつ確実にお支払いするとともに、各種お手続きや業務のデジタル化が一気に進むなど、会員各社における様々な取組みが進展し、それらの新しいスタイルも定着してきました。
本年も引き続き、新型コロナウイルス感染症の状況に細心の注意を払いながら、適時適切に対策を講じていくとともに、会員各社の更なる取組みを後押ししてまいります。その一環として、今後の業界全体での危機対応やお客さまの利便性向上の一助となるよう、業界のこれまでの新型コロナウイルス感染症への対応や、それに伴い加速するデジタル化等への対応を報告書として取りまとめる予定であり、春頃の公表に向けて作成を進めております。
また、ライフスタイルや価値観が多様化する中で、デジタル化等による利便性向上だけではなく、お客さま一人ひとりのご意向に沿ったきめ細やかなサービスの提供が求められています。昨年は、保険金等をお支払いする際のご遺族等の心情に寄り添ったサービスについて、業界レベルでの一層の底上げを図るべく、グリーフケアに関するハンドブックを取りまとめ、会員各社に情報提供するとともに、専門家を招いて講演会を実施いたしました。
いつの時代も、お客さまに信頼され、確かな安心をお届けし続けられるよう、引き続き顧客本位の業務運営の推進に取り組んでまいります。

2.豊かで健康な人生の実現に向けた貢献
人生100年時代における、国民の豊かで健康な人生の実現に貢献する取組みも、継続して進めてまいります。
超長寿社会の中にあって、国民一人ひとりが自ら考え、将来に備えていくためには、金融リテラシーの向上が欠かせません。できるだけ多くの方に保険に関心を持っていただく機会を提供できるよう、アニメーションによるわかりやすい保険教育動画の制作を進めており、2月にYouTube等で公開する予定です。
また、長い人生をさらに充実させていくためには、健康な期間をできるだけ長く保つことが重要であり、健康寿命の延伸や高齢社会への対応について、引き続き長期的な視点で取り組んでまいります。この健康寿命の延伸や高齢社会への対応と、喫緊の課題となっている気候変動への対応について、有識者の知見を借りて我々の理解を深めるとともに、生命保険業界の取組みを多くの皆さまに知っていただけるよう、SDGsをテーマとしたシンポジウムを3月にオンラインで開催する予定です。

3.事業の健全な発展に向けた基盤整備
お客さまからの信頼を維持し、生命保険業界が健全に発展していくための基盤整備への取組みも継続してまいります。
持続可能な社会の実現に向けて、引き続きESG投融資やスチュワードシップ活動を通じた投資先企業の企業価値向上や持続可能な経済成長への貢献に向けた取組みを推進し、生命保険事業の健全な発展とともに、全世界的な課題であるSDGs目標の達成に向けて取り組んでまいります。
また、国民の皆さまが必要とする私的保障の準備を支援・促進するための税制面での拡充や、内外の金融規制のあり方等についても継続して意見を発信してまいります。

最後になりますが、本年の干支は「寅(とら)」でございます。「寅」という漢字には、居ずまい正して身を慎むという字義があり、一説には春が来て草木が生ずるという意味もあるそうです。令和4年は、引き続き感染防止に万全の対策を取りながら、皆さまとともにコロナ禍という冬を乗り越え、春の到来に向けての芽吹きを感じることができる年となりますよう祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

関連記事(保険業界ニュース)

生保協会・団体

生保協会、「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見」受け協会長がステートメント

生保

生保協会、高校生向けビジネスコンテスト「マイナビキャリア甲子園2023」における生命保険協会代表チームの優勝

生保協会・団体

生保協会、2023年度代理店業務品質調査に基づく認定代理店を決定

生保協会・団体

生保協会、スチュワードシップ活動ワーキング・グループによる協働エンゲージメントを実施

生保

日本生命、2024年社長年頭挨拶

生保

太陽生命、2024年社長年頭挨拶

生保

明治安田生命、2024年社長年頭挨拶

生保

住友生命、2024年社長年頭挨拶

生保協会・団体

生保協会、全生保会社で地震による免責条項等を適用しないことを確認

協会・団体生保

生保協会、清水会長の年頭所感を掲載

関連商品