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朝日生命、ナティクシス銀行との共同融資とインフラストラクチャー・デット・ファンドに投資

朝日生命は、クレジット投資分野におけるESG投融資の一環として、ナティクシスの投資銀行部門(以下「ナティクシス銀行」)との海外インフラ事業への共同融資(以下「共同融資プログラム」)を決定した。
併せて、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ・インターナショナル社が運用する「グリーン・イールド・インフラデット・ファンド」(以下「グリーン・インフラ・ファンド」)への投資を開始した。
1.ナティクシス銀行との共同融資について
「共同融資プログラム」は、ナティクシス銀行※がアレンジする海外のプロジェクトファイナンスのうち、再生可能エネルギーやデータセンターなど、主に気候温暖化を抑制できるインフラ関連のプロジェクトへの共同融資を行うものであり、環境負荷軽減に資するESG投融資において強みを持つナティクシス銀行の知見を活かした取り組みである。
※ナティクシス銀行は、地球温暖化を2℃未満に抑えるというパリ協定の実現に寄与するために、同銀行が2018年に独自に開発した「グリーン・ウェイティング・ファクター」(気候変動要因に対する評価方法)によって投融資先ポートフォリオを管理している、世界で最初の銀行である。
2.インフラストラクチャー・デット・ファンドへの投資について
「グリーン・インフラ・ファンド」は、ナティクシス銀行を含む欧米の主要な銀行等がアレンジする海外のプロジェクトファイナンスを投資対象とし、組入れ資産の75%以上をグリーン資産(再生エネルギー資産をはじめ、気候温暖化の抑制に貢献できる資産)に 投資する計画である。2020年11月には、フランス政府から、環境負荷軽減に貢献するファンドを対象とする「グリーンフィンラベル」を取得している。
同社はCSR経営の一環として、「気候変動」「健康の確保」を重点取組みテーマとしたESG投融資を推進している。今後も引き続き、資産運用の高度化を通じて中長期的なリターンの向上を目指すとともに、持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献を図るなど、社会問題の解決に取り組んでいく。
このような観点から、朝日生命グループとナティクシス・インベストメント・マネージャーズ社は、2019年3月に、相互の事業および投資機会の拡大のために、資産運用面での提携関係を強化することに合意しており、今般の投融資は具体的な取り組みのひとつである。
なお、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ社は、昨年パリで開催されたPRI(国連責任投資原則)年次コンファレンスでメインスポンサーを務めた他、傘下のESG運用に特化したミローバ社は気候変動への取り組みが評価されPRIリーダーズ・グループに選出されており、グループ全体でESGに配慮した投資を積極的に推進している。同社は、ESG投融資を推進するため、今後もナティクシスグループとの協業を進めていく。
<共同融資プログラムの概要>
融資先:プロジェクトファイナンス
融資総額:100億円
融資対象:海外インフラプロジェクト(再生可能エネルギー、データセンターなど)・ナティクシス銀行
業務内容:企業向け貸付、プロジェクトファイナンス、投資銀行業務、資本市場仲介、金融ソリューション提供など
従業員数:3,646名(2019年12月末現在)
その他:ナティクシス銀行はナティクシスの投資銀行部門
<インフラファンドの概要>
ファンド名  インフラストラクチャー・デット・ファンド2020(適格機関投資家専用)
運用会社   朝日ライフアセットマネジメント株式会社
出資金額   93百万米ドル(約100億円)
投資対象   ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ・インターナショナル社が運用する「グリーン・インフラ・ファンド」を組入れたファンド・オブ・ファンズ
<ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ社の概要>
運用会社名  ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ
従業員数   4,009名(2020年6月末)
運用資産残高 約1兆米ドル(約110兆円、2020年6月末)
運用資産クラスの内訳:債券52%、株式33%、その他15%
投資家属性:機関投資家64%、投資信託29%、その他7%
その他
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ社はナティクシスの100%子会社で、その資産運用部門
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ・インターナショナル社はナティクシス・インベストメント・マネージャーズ社の100%子会社

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