第一生命、アジア開発銀行が発行する初の「ヘルス・ボンド」へ投資
第一生命は3月29日、アジア開発銀行(ADB)が発行する「ヘルス・ボンド」への投資を実施したと発表した。この債券は、ADBが世界で初めて発行するもので、第一生命は、今回発行される債券の全額を購入した。発行額は1億4000万ニュージーランド・ドル(約110億円)、償還期間は10年。クレディ・アグリコルCIBによる組成・アレンジにより発行。
ヘルス・ボンドにより調達された資金は、アジア太平洋地域の保健衛生に関する課題に取り組むため、ADBの保健衛生プロジェクトに使用される。同地域は、ここ数十年著しい経済成長を遂げ現在もなお急速に発展している。しかし、いまだに貧困地区が存在し、医療費の負担も高額で、社会インフラも脆弱なままである。このことが包括的かつ持続的な成長を阻害しており、とくに医療に対するニーズは、保健衛生に関するインフラおよびシステムに対する投資の緊急性とともに大きくなってきている。
一方で、保健衛生分野への投資には大きな資金が必要となる。高度に訓練された人材、利用が容易な医療機器、それらが一体となった医療体制整備等、莫大な社会インフラおよび保健衛生インフラが必要となる。また、保健衛生に対する投資は、国民皆医療保険制度の実現や、高度な医療サービスを適正な医療費で提供し続けるという意味で、持続可能なものでなくてはならない。ヘルス・ボンドへの投資は、そのような取り組みを資金面から支援するもの。