明治安田生命、団体年金保険(一般勘定)の予定利率を引き下げる一方で利率上乗せ特則を導入し3年間は実質利率アップへ
明治安田生命は、2025年4月から団体年金保険(注1)(一般勘定)の保険料率を改定(予定利率および手数料率の引き下げ)するとともに、有期(3年)で利率を上乗せする「主契約予定利率特別取扱特則」(以下、「利率上乗せ特則」という)を自動付加する商品改定を行ない、新たな引き受けを開始する。
企業・団体のお客さまの企業年金制度の年金運用安定化ニーズに『安心・確実・安定』で応え、国内債券の代替として幅広く利用するため、新しい団体年金保険(一般勘定)は、「3階建て」の仕組みで構成し、新たな運用方針を定めている。
なお、商品改定後の3年間(2025年4月~2028年3月)の予定利率と上乗せ利率(利率上乗せ特則により上乗せする予定利率)の合計は「1.3%」となる。
(注1)確定給付企業年金保険、新企業年金保険(02)、厚生年金基金保険(02)
【「新しい団体年金保険(一般勘定)」の主なポイント】
団体年金保険(一般勘定)の財務の健全性を維持しながら長期的に安定した商品を提供するため、予定利率の引き下げを実施する。
一方、従来の配当(基本部分)の一部を「上乗せ利率」として保証する等、商品をリニューアルして提供する。
■商品コンセプト
安心: 簿価評価できる確定利付き年金運用商品で、運用リスク(下振れリスク)なし
確実 :予定利率(固定の予定利率)とあわせて、従来の配当(基本部分)の一部を「上乗せ利率」として保証し、より高い利回りを提供
安定: 毎年の運用実績を反映しつつ、健全性に応じて、変動が少なく透明性の高い配当還元を実施
●商品の特長
「固定の予定利率(1階)」に「有期の上乗せ利率(2階)」と「配当(3階)」を設けた3階建て方式の商品に改定する
●新たな運用方針
運用利回りが市場金利(新発20年国債利回りの10年平均)と一定の連動性を確保する資産運用を志向する
1.背景
これまで長期にわたって超低金利環境が継続したことや、団体年金資産区分の健全性の維持・向上に取り組む必要があることをふまえると、現行の予定利率を将来にわたって期間の定めなく保証することは難しい状況にある。
そこで同社は、財務の健全性を維持しながら、長期的に安定した商品を提供するため、団体年金保険(一般勘定)をリニューアルした。
新たな商品では、2025年4月に(固定の)予定利率を引き下げる。一方で、運用利回りと市場金利との連動性を明確化した運用方針を定め、金利環境が好転した場合には、運用の成果を反映できるよう、有期(3年)で利率を上乗せする「利率上乗せ特則」を新たに開発し、契約に自動付加する。
この新しい団体年金保険(一般勘定)は、国内債券の代替として、お客さまの年金運用安定化ニーズに『安心・確実・安定』で応える。
2.改定内容
(1)予定利率の改定
以下の団体年金保険(注2)を対象に、普通保険約款等の規定に基づき、主契約(一般勘定)の予定利率を改定する。
確定給付企業年金保険、新企業年金保険(02)・厚生年金基金保険(02)
◎現行 1.25%→改定後 0.50%
(注2)ボラティリティコントロール運用プランに組み入れた一般勘定(「特別勘定と特別勘定以外の勘定の間の指定によらない金銭の振替に関する特則」を適用する一般勘定)の予定利率は、現行の1.00%から0.50%に改定する。なお、利率上乗せ特則は付加対象外となる。
(2)利率上乗せ特則の付加
利率上乗せ特則は上記の団体年金保険に自動付加し、主契約の予定利率に、有期(3年)で利率を上乗せする。なお、上乗せする利率は3年ごとに設定する。
◎上乗せ利率 :0.80%(2025年4月~2028年3月)
<参考>主契約の予定利率との合計 :1.30%(2025年4月~2028年3月)
(※)2028年4月~2031年3月における上乗せ利率は、現在の金融環境等をふまえて、0.50%以上とする。実際の上乗せ利率は、2027年度に改めて設定し公表する。
(3)手数料率の改定
予定利率の改定にあわせて、確定給付企業年金保険および新企業年金保険(02)の運用管理業務に係る手数料率を一部改定する。
積立金ランク
1,000万円以下の部分:現行0.58%→改定後0.40%
1,000万円超 5,000万円以下の部分:現行0.52%→改定後0.40%
(4)実施時期(商品改定および新たな引き受け)
2025年4月1日
2025年4月1日以降は、既契約も含めて、改定後の予定利率(注3)、手数料率を適用し、利率上乗せ特則(注3)を自動付加する。なお、商品改定月(2025年4月)の解約等に対しては、一般勘定取崩控除を適用しないこととする。
(注3)新企業年金保険(02)のうち閉鎖型(年金受給権者のみで構成)は、予定利率の改定および利率上乗せ特則の付加の対象外となる。