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日本生命、PHRを活用した「みなし健診」サービスの提供開始、日本航空健康保険組合が参画決定

日本生命、株式会社Welbyならびに株式会社Welbyヘルスケアソリューションズ(以下「WHS」)は、WelbyのPHR(※1)ソリューションの医療・健康データを活用し、保険者(健康保険組合や共済組合・協会けんぽ・自治体など)に対して特定健診(※2)の「みなし健診」サービス(以下「本サービス」)の提供を開始する。
これによりWelby・日本生命ならびにWHSは保険者とともに、企業・団体における健康経営(R)(※3)・データヘルス推進に向け、その課題のひとつである「特定健診受診率の向上」を推進していく。
なお、今後は自治体などへも本サービスの導入を働きかけていく。
【本サービス開発の背景】
2024年度から特定健診・特定保健指導施策も第4期に入る。各保険者はいっそう健診・保健指導の実施率を高めることが求められている。健康保険組合や共済組合、協会けんぽ等は、特に被扶養者の健診受診率の伸び悩みを受け、その受診率向上が重要課題となっている。
被扶養者の受診率の伸び悩みの一因としては、生活習慣病患者で継続的に通院している場合、「普段通院しているのだから、あえて健診を受けなくてもよいのではないか」との心理が働き、受診率低下につながる可能性などがあげられる。
このような課題を解決するため、2023年12月にWelby、日本生命、WHSの三社間でPHRソリューションを協働推進する業務提携を行うことで合意し、かかりつけ医ネットワークを活用したPHR活用による本サービスの推進を検討してきた。
【本サービスの概要】
特定健診未受診である慢性疾患罹患者に関し、受診している医療機関から特定健診と同項目の検査結果を入手することで、特定健診を受診したとみなす「みなし健診」について、医療機関ネットワークを構築してきたWelbyがサービス展開し、健康推進施策の課題となっている特定健診受診率向上に寄与するものである。Welbyのかかりつけ医ネットワークや日本生命グループの取引企業・団体ネットワークを活用し、みなし健診の全国展開を行うことが可能である。
【本サービスの今後の展開】
今後の「みなし健診」の普及により、患者とかかりつけ医のオンラインによる連携を普及させ、特定健診受診率の向上のみにとどまらず、治療アウトカムの向上、医療費適正化等の医療DXの推進による社会保障制度の安定継続、健康寿命の延伸に貢献することを目指す。
日本生命では、Wellness-Star☆(ニッセイ健康増進コンサルティングサービス)を通じて、企業や保険者における健康増進取組を分析から予防策までトータルで支援してきた。今後は、未病・予防から治療・予後にわたってPHRを普及推進し、個人が自ら健康管理・予防に取り組むことをサポートするとともに、患者がより主体的に治療に参加しよりよい医療を受けられるよう、かかりつけ医ネットワークを活用して支援することで、豊かな健康寿命社会と持続性のある社会の実現に貢献していく。
■参画者コメント
生活習慣病の早期発見・早期介入を目的として、2008年よりスタートした特定健診であるが、多くの健保組合では、かかりつけ医を含む医療機関を定期的に受診している方の受診率が芳しくない。初めて全国展開を目指す本事業は、特定エリアに限らず全国に組合員を持つ健保組合として、大きな期待を寄せている。
特定健診受診率向上は、健保組合にとって法的義務でもあり、何より健診データをかかりつけ医と連携することで、過剰な検査を防ぎ、受診者や健保組合の負担軽減に繋がる。
これからの医療DX推進への第一歩として、総合的な医療の適正化が図れると考えている。
(日本航空健康保険組合 常務理事 浦井典子氏)
(※1)PHRとはPersonal Health Recordの略。個人の健康診断結果や服薬歴等の健康等情報を電子記録として本人や家族が正確に把握するための仕組み。
(※2)一般には「メタボ健診」といわれており、健診の項目は、特定健診及び特定保健指導の実施に関する基準に規定されている。2008年4月より始まり、40歳~74歳までの公的医療保険加入者全員を対象とした保険制度である。正式には「特定健康診査」という。
(※3)「健康経営(R)」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標。

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