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マニュライフ生命、業務改善計画を策定

マニュライフ生命は、8月15日、2022年7月14日付業務改善命令に基づき、金融庁に業務改善計画書を提出した。法人顧客に対して保険本来の趣旨から逸脱した募集を行ったとして業務改善命令を受け、改善計画を策定したもの。
 同社では、謝罪のうえ、今般の行政処分を真摯に受け止め、業務改善計画の実行を当社の最重要課題とし、取締役代表執行役社長兼CEOを委員長とする業務改善推進委員会を立ち上げ、全社的に業務改善を図っていく。これまで実行してきた是正措置に加え、本業務改善計画を着実に実施していくとしている。
 現任の役員の責任については、経営責任の重い役員について役員報酬の減額を含めて適切な措置を講じることを決定。退任した役員の責任としては、同社の前代表執行役社長兼CEOであった吉住公一郎氏及び専務執行役兼CGOであった勝矢宏氏は、同社が2019年7月に法人向け商品の販売を再開して以降、名義変更募集に偏重する状態となることを防止する活動をしていたとは認められず、むしろ誘発するような状態にあったといえ、経営責任が認められると判断されることから、仮に同社に在籍していたとすれば前者について代表執行役の解職、後者について降格の処分を行うことが相当と考え、退職金の任意での同社への返還を要請することとした。
 この他、同計画の要旨は次のとおり。
●保険本来の趣旨を逸脱するような募集活動による契約の特定、調査等、適切な顧客対応の実施
(1)保険本来の趣旨を逸脱する募集活動(以下「不適切募集」)による契約(以下「不適切募集に係る契約」)の調査対象範囲
 これまでの調査対象範囲や調査方法が不十分であったとの問題認識から、主に以下の類型について、調査を実施していく(なお、その他の類型についても調査を実施する)。
 また、今回定めた調査範囲に限定するにとどまらず新たな不適切募集の発見に努め、その疑いが確認された場合には直ちに不適切募集の類型として設定し、追加調査を実施し、不適切募集の根絶が図れる態勢としていく。
ア.同社商品のうち法人向けに開発・販売された商品(以下「法人向け商品」)のうち、2019年7月18日以降を契約日とし、かつ低解約返戻金特則が付加されているものの中で、名義変更募集によって成立した可能性のある契約
イ.個人年金保険の法人契約のうち、名義変更募集によって成立した可能性のある契約
(2)不適切募集に係る契約の特定
ア.法人向け商品に係る名義変更募集
・不適切募集に係る契約の特定のため、対象となる契約者に確認書面を送付する。
・また、名義変更の請求の際、「名義変更にあたっての確認書」において名義変更理由を申告してもらう。
・上記の各対応において、名義変更募集が窺われる場合には契約者に対して詳細確認を実施させてもらう。
イ.個人年金保険に係る法人契約
・名義変更募集に係る契約の特定のため、名義変更募集により成立した可能性のある契約について、契約者に書面を送付して確認する。
・また、名義変更の請求の際、「名義変更にあたっての確認書」において名義変更理由を申告してもらっている。名義変更募集が窺われる場合には契約者に対して詳細確認を実施する。
ウ.その他の類型についても調査を実施していく。
(3)不適切募集に係る契約の調査方法
 調査プロセスについては上記(2)のとおり実施するが、調査の実効性が担保されるよう、所管部署の増員及び同社内のマニュアルにおいて、調査方法に関する基準を規程化、当該基準を遵守することで実効性のある調査を担保していく。
(4)お客さま対応の取り組み
 お客さまより苦情の申出があった場合には、申出の内容に応じて所管部署において募集状況の調査を実施する。調査の結果に応じて、適切なお客さま対応を実施していく。
●営業優先ではなく、コンプライアンス・顧客保護を重視する健全な組織風土の醸成
営業部門向け及び全職員向けの施策をもって、全社的に、健全な組織風土の醸成を図っていく。
(1)営業部門向けの施策
ア.一般代理店チャネルにおける営業部長の適格性確認及びその確認結果に基づく配置転換等の実施
・営業部長の適格性を測定する基準の策定
イ.営業部門の職員の賞与についてコンプライアンス評価に基づいた控除制度の導入。【2023年1月実施予定】
・コンプライアンス評価について、フィールド検査結果、不祥事故発生状況、苦情発生状況及び継続率等を評価基準として測定する評価プログラムを策定。
・コンプライアンスの評価に基づいた控除の仕組みを導入し、コンプライアンスを強く意識する賞与体系を策定。
ウ.無理な営業推進の原因となるような営業目標の設定の防止。【2022年第4四半期に協議予定】
エ.営業目標の見直しに関する社内通知方法の改善。【2022年8月実施】
オ.「保険本来の趣旨を逸脱するような募集防止に関するマニュアル」の策定及び同マニュアルを使用した研修の実施【2022年7月及び2022年8月実施】
カ.施策が営業部門に着実に根付いたかどうかを測定するため、定期的な営業部門職員への意識調査の実施。【2022年12月実施予定】
(2)全職員向けの施策
ア.全職員に対するコンプライアンスに係る賞罰、評価に関する施策の実施。【2022年10月実施予定】
イ.全職員に対する、同社のミッション等についての教育や研修の強化。【2022年12月開始予定】
ウ.以前より実施していた現CEO・現CCOの連名でのメッセージの発信を、職員への教育・研修と連動させる等の実効性を確保する施策とあわせ継続して実施。【2022年10月実施予定、以降、四半期に1回実施予定】
エ.CEO・CCOの定期的な情報(コンプライアンス部門から定期的に報告を受けるコンプライアンス課題に関する事項)交換を実施。【2022年10月開始予定】
オコンプライアンス本部による本社部門・地方拠点との意見交換の実施。【2022年10月開始予定】
●適切な募集管理態勢の確立(代理店に対する十分な牽制機能の構築を含む)
適切な募集管理態勢の確立を、(1)不適切募集の根絶に係る施策、(2)代理店に対する十分な牽制機能の構築を含むモニタリング態勢等に係る施策、(3)コンプライアンス部門の態勢強化に係る施策及び(4)高齢者募集など、金融庁検査にて指摘がった個別事項に係る施策によって実現していく。
(1)不適切募集の根絶に係る施策
ア.募集手続上の施策
・法人の契約者向けに使用する募集資料(「『法人向け保険商品のご検討に際してご留意いただきたいこと』に関する確認書」)の抜本的改定【PAチャネル及び一般代理店チャネルについて
2022年8月1日実施済、金融機関代理店チャネルについて2022年10月1日実施予定】
a.法人の契約者向けに使用する募集資料において、「保険本来の趣旨を逸脱する契約」の具体的内容と引き受けできない旨を明記の上、これに沿った加入であることの契約者への確認を実施
b.上記の各募集資料の内容に沿った加入であるかどうか、契約者への確認コールの実施。【PAチャネル及び一般代理店チャネルについて2022年8月1日より実施、金融機関代理店チャネルについて2022年10月1日より実施予定】
・名義変更を原則的に認めない運用の開始。【PAチャネル及び一般代理店チャネルについて2022年8月1日以降を申込日とする契約を対象として実施、金融機関代理店チャネルについて2022年10月1日以降を申込日とする契約を対象として実施予定】
イ.代理店手数料等の観点に拠る不適切募集の根絶に係る施策
ウ.不適切募集の要因となり得る戦略ポジショニングの改定
エ.中小企業マーケット戦略の修正
(2)代理店に対する十分な牽制機能の構築を含むモニタリング態勢等に係る施策
ア.節税に利用される可能性のある商品や手続き等が存在していないかの網羅的な検証【2022年10月完了予定】
イ.以前に実施していた「販売実態にフォーカスしたコンプライアンス・リスク分析」を改善した、コンプライアンス課題を早期発見するための、主要業務指標や主要リスク指標の検証及び新たな主要業務指標や主要リスク指標の導入【2022年10月以降実施予定】
ウ.ファーストラインの自律的管理機能の改善及び1.5ライン(ファーストラインに属しつつコンプライアンス・リスク管理などのセカンドラインに近い働きを行う部署)による、代理店営業部門のチェック及び実査によるモニタリング強化
エデジタルフォレンジック調査の実施【2021年5月より実施、以降、継続実施】
オ.代理店検査態勢の強化【2023年1月実施予定】
カ.オフサイト・モニタリング態勢の強化
(3)コンプライアンス部門の態勢強化に係る施策
(4)高齢者募集に関する取り組み
●適切な商品開発管理態勢の確立
 商品開発についての審議を行う同社の商品審議会では、たとえば監督指針IV-1-11(法人等向け保険商品の設計上の留意点)に係る事項を必須とする態勢になっておらず、また、商品審議会の委員の税務面における専門的知見が十分ではなかったため、対象商品が節税募集に利用されるリスクを十分に協議・検討し難い態勢となっていた。
 また、2022年7月14日付けにて金融庁より公表された「節税(租税回避)を主たる目的として販売される保険商品への対応における国税庁との更なる連携強化について」に鑑み、同社としては、節税募集に繋がるリスクある商品となっていないか等を、より厳格に検証する態勢としていく。
●ガバナンスの抜本的な強化

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