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かんぽ生命、サステナブル・ディベロップメント・ボンドに240億円投資

かんぽ生命は、このたび、米州開発銀行(以下「IDB」)が発行する、持続可能な開発目標(SDGs)「3.すべての人に健康と福祉を」に焦点を当てたサステナブル・ディベロップメント・ボンド(3.5億豪ドル/約240億円)への投資を実施した。なお、かんぽ生命は、本債券の発行額の全額を購入している。
 新型コロナウイルスの急速な感染拡大は全世界的に保健や経済に対して甚大な影響を与えており、IDBは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する援助を必要とする国々に最大で120億米ドルの貸し出しを実施することを表明している。IDBは、各国の公衆衛生分野を重点的に支援し、ウイルスの感染拡大を防止し、影響を緩和する事を目指している。
 本サステナブル・ディベロップメント・ボンドは、IDBが日本の機関投資家と共同で起債を行う初めての債券で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に影響を受けた中南米・カリブ地域の国々に対する以下のような支援に割り当てられる。
■公衆衛生に対する直接的な支援:
 公衆衛生の強化と物資の購入・供給を通して、感染予防と感染の影響緩和の為に、各国が準備を整え、対応能力を高めるための支援。
■社会的弱者に対するセーフティネット:
 最も影響を被る人々の収入を守るため、既存のプログラムを通じた無拠出年金や無償資金提供を行う。また、開発途上国で多く見られるインフォーマルセクターの従事者に対する臨時の資金提供や、観光業など今回の危機で特に甚大な被害を受けた企業に対する支援も含まれている。
■生産性と雇用:中南米・カリブ地域の雇用の70%を担う中小企業に対して、資金供給プログラム、短期の流動性保証、国際貿易のための資金提供と保証、融資条件の緩和や戦略的サプライチェーンに対するサポートを通じた支援を行う。
■経済への影響軽減のための金融政策:
 以下3つの分野において各国における政策立案・実行のための支援を行う:
①新型コロナウイルス感染症に対応するための財政手段
②政府支出と政府調達を実施するための継続的なプラン
③経済回復を支援するための手段。
 かんぽ生命では、生命保険会社としての社会的責任を果たすため、資産運用において「ESG投資方針」(注)を定め、ESGの諸要素を投資判断の際に考慮することで、持続可能な社会の実現と長期的な投資成果の向上・リスク低減を推進している。
 投融資においては、ESG要素を考慮する手法の一つとして、テーマ型投資を用いており、投資を行う際には、広くSDGsの目標達成や課題解決に貢献できるテーマを選択し、ESG課題の解決に有用なプロジェクトに投資を行っている。
 新型コロナウイルス感染症問題は、国境を越えて世界がともに考えていく共通のテーマであると考えている。今回の投資は、SDGs達成に向け、同社が取り組むべき重点項目として特定した「健康増進等を通じたリスク予防」(3番目のSDGsである「すべての人に健康と福祉を」に関連)への対応でもあり、新型コロナウイルス感染症対策を支援する2件目の債券購入となる。
 かんぽ生命は、今後もこのような資産運用を通じて、広くSDGsの目標達成や課題解決に貢献するよう積極的に取り組んでいく。
【注】ESG投資方針
https://www.jp-life.japanpost.jp/aboutus/csr/responsible_investment/esg.html
<本債券の概要>
発行体    米州開発銀行(IDB)
発行体格付  Aaa/AAA(Moody’s/S&P)
年限     10年(2030年5月29日)
発行総額   3.5億豪ドル(約240億円)
利率     1.30%

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