第一生命ホールディングス、第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命、保険代理店への出向者からの不適切な情報取得が発覚
第一生命ホールディングス(以下「同社」)、グループ会社である第一生命、第一フロンティア生命およびネオファースト生命は、同社グループから保険代理店に出向していた社員から、出向先保険代理店の了承を得ていない内部情報を取得していた事案について、調査を行ってきた。
調査によって判明した事実関係、発生原因、再発防止策等について、以下のとおり公表した。
1.事案概要・経緯
同社グループは、2024年8月に発覚した出向者からの出向先保険代理店における個人情報等漏えい事案※1を受け、国内生命保険子会社3社(第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命。以下「国内生保3社」)において、個人情報の取得有無を中心とした調査(以下「昨年度調査」)を実施した。
2024年12月には同社代表取締役社長グループCEOを本部長とする「代理店情報漏えい事案再発防止対策本部」を立ち上げ、昨年度調査の結果を踏まえながら、同社および国内生保3社における再発防止策を策定・実施してきた。
そのような中、2025年9月に、昨年度調査時には把握できていなかった、出向先保険代理店の了承を得たか不明瞭な内部情報の取得を認識したことから、更なる調査(以下「今年度調査」)を実施した。
2.調査概要
今年度調査では、2021年4月から2025年10月を調査対象期間とし、保険代理店に派遣していた出向者に対するアンケート・ヒアリング、ならびに同社および国内生保3社の代理店業務に関連する部門のファイルサーバー、個人・共有ロッカー、会議資料等の確認、Eメールのデジタルフォレンジック調査等を実施した。
調査の適切性・十分性を担保するため、調査手法の監修や社内データのデジタルフォレンジック調査を外部コンサルティング会社に依頼し、調査範囲および手法の合理性に関して外部弁護士から評価を得たうえで調査を実施した。
※1
2024年8月8日「同社グループから保険代理店への出向者による個人情報等の漏えいについて」
https://www.dai-ichi-life-hd.com/newsroom/newsrelease/2024/pdf/index_022.pdf
2024年8月30日「同社グループにおける個人情報の漏えいについて」
https://www.dai-ichi-life-hd.com/newsroom/newsrelease/2024/pdf/index_026.pdf
2025年1月16日「同社グループから銀行への出向者による情報の漏えいについて」
https://www.dai-ichi-life-hd.com/newsroom/newsrelease/2024/pdf/index_038.pdf
3.調査結果
今般実施した調査により、以下の事実が判明した。これらはいずれも、昨年度個人情報等の漏えい事案が発覚した2024年8月以前に発生したものである。
■保険代理店の了承を得ずに取得した情報件数:1,155件
[受領したグループ会社の内訳]
第一生命:242件
第一フロンティア生命:754件
ネオファースト生命:159件
■情報種類:保険代理店の営業実績、他の生命保険会社の商品情報、保険代理店の営業方針・業績評価体系、保険代理店内の研修資料等※
■情報取得方法:会社メール、私有スマートフォンのメッセージアプリを通じた取得、紙媒体の手交・郵送を通じた取得 等
■対象の保険代理店等の数:28社
■上記情報を取得した出向者の数:64名
※上記取得情報の中に、顧客情報が確認された。法令に則り個別に対応している。
出向者からの保険代理店における情報の同社への共有は主に、保険代理店のサポートや出向者の活動管理を目的とした、国内生保3社の代理店営業部門や人事部門の求めに応じて行われていた。ただし、出向者からの不適切な手段での情報取得を組織的に指示した事実は確認されていない。
また、取得した情報に関して、直接的な保険募集や商品開発への活用は確認されていない。
一方で、出向先保険代理店の了承を得ていない内部情報を取得したことは、社会の常識から外れた不適切な行為であったと認識している。現在、保険代理店各社へのご説明を進めており、現時点において不正競争防止法等上の問題を問う旨の指摘はないが、今後ご指摘やご要請があった場合には真摯に対応していく。
4.発生原因
上記のとおり、2024年8月以前に不適切な情報取得が行われていたことが発覚したことを踏まえ、改めて一連の事案の発生原因について分析し、以下のとおり認識している。
(1)出向者管理の態勢
出向者の役割や保険代理店との情報授受に関するルールの明確化が不十分であり、出向者への的確な指導や明確な指示が十分に行われていなかった。その結果、了承の有無に関わらず保険代理店の内部情報の取得が出向者に期待されているとの誤った認識を醸成してしまうこととなった。
(2)情報取扱いに関するコンプライアンス意識
同社グループとして、上記(1)にある出向者への指導・指示が不十分であったことや、前例踏襲を看過していたことにより、情報受領部門および出向者の情報取扱いに関するコンプライアンス意識を十分に醸成することができていなかった。
(3)牽制態勢
経営陣が実態を十分把握できておらず、またコンプライアンス部門や内部監査部門において保険代理店出向の運営実態を踏まえた牽制が十分に効かなかったことにより、不適切な情報取得を防止することができていなかった。
5.再発防止策
本調査で発覚した事案は、昨年度個人情報等の漏えいが発覚した2024年8月以前のものであり、それ以降の不適切な情報取得は確認されていない。昨年度調査を踏まえて策定した再発防止策は効果を上げていると考えており、引き続きこれを確実に実行していく。それに加え、今年度調査を踏まえた取組みを追加し、お客さま・社会からの信頼の回復に向けて、経営陣のリーダーシップのもと、出向者管理、コンダクトリスク管理および牽制の態勢をさらに強化するとともに、同社グループ全役員・全社員のコンプライアンス意識を一段と高める。
(1)保険代理店(営業フロント部門)への出向の停止・出向者管理態勢の強化
保険代理店への出向については、営業フロント部門への出向者派遣を取りやめることを決定している。
2026年4月に当該部門への出向者はゼロになる予定である。
さらに、調査結果を踏まえ、保険代理店への出向者の役割の明確化、管理態勢の強化等の各種取組みを実行している。
(2)情報取扱いに関するコンプライアンス意識向上のための取組強化
2024年8月以降、経営陣を含む全役員・全社員を対象に情報取扱いのリテラシー向上に関する研修を継続的に実施し、プリンシプルベースで行動することを徹底すべく取り組んでいる。また、各種法令に関する研修の強化とあわせて、国内生保3社それぞれで「他社との情報交換・取得・提供における基本的な考え方(ガイドライン)」を2025年8月から10月にかけて制定し、「Need to Knowの原則※2」に沿った情報取扱いの徹底を図っている。
また、私有PC・スマートフォン等や私有アドレスの業務上の利用についても、ルール遵守の徹底を改めて進めている。
(3)牽制態勢の強化
同社は、グループ・チーフ・コンプライアンス・オフィサー(G-CCpO)をはじめとするグループ・チーフ・オフィサー(G-CXO)を任命し、グループ横断的な管理・牽制機能を強化してきた。2026年4月より国内生保3社においても新たにチーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCpO)を任命し、グループ共通課題や各社固有の個別課題の解決に向けたコンプライアンス態勢を強化する。
また、同社および国内生保3社では、コンプライアンス部門を中心に人員増強等を進めるとともに、内部監査部門の機能強化に向けては、2025年6月より監査法人からの助言を踏まえた内部監査を実施している。
さらに、システム面の手当として、2025年5月に受信メールのモニタリングシステムを導入し、運用を開始している。
(4)コンダクトリスク管理態勢の強化
同社では、グループCEOの直下に、「グループコンダクトリスク管理事務局」を設置し、既に設置している国内生保3社のコンダクトリスク管理事務局との連携を通じて、同社による国内生保3社の適時適切なモニタリング・指導や各組織間の連携強化を行い、グループベースでの管理態勢の更なる強化および実効性向上を図っていく。
※2 情報へのアクセスを「業務遂行上、知る必要のある人に限って許可する」という情報管理・セキュリティの基本原則
6.経営の責任・処分
本事案を生じさせた責任を重く受け止め、調査対象期間における担当業務等も含めて本事案への関与・責任の所在を明確化の上、社内規程に則り役員の処分を行う。
また、本事案に関し、以下のとおり報酬の一部を自主返納する。
<懲戒処分>(敬称略)
第一生命ホールディングス専務執行役員 明石衛※戒告
※第一フロンティア生命社長を兼務。
また、下記のとおり、報酬の一部を自主返納する。
<役員報酬の一部自主返納>
報酬月額の30%×1ヵ月:第一生命ホールディングス会長 稲垣精二、社長 菊田徹也
報酬月額の15%×1ヵ月:第一生命社長 隅野俊亮
第一フロンティア生命社長明石衛、元社長 武富正夫
ネオファースト生命社長上原高志、元社長 徳岡裕士
報酬月額の10%×1ヵ月:第一生命執行役員 吉田浩一郎、元執行役員 山口健
第一フロンティア生命専務執行役員 水上将克
報酬月額の5%×1ヵ月:第一生命ホールディングス専務執行役員 甲斐講平、常務執行役員飯田貴史、執行役員 幸津ウェブスター
第一フロンティア生命元執行役員 宮本淳
関連記事(保険業界ニュース)
関連商品








