富国生命、2024・2025・2026年度日本経済の見通し(改訂)
富国生命は、2024・2025・2026年度の経済見通しを改訂した。実質GDP成長率は2024年度+0.8%(前回+0.4%)、2025年度+0.9%(前回+0.9%)、2026年度+0.8%と予測している。
○10~12月期は輸入の減少に押し上げられた高い成長率
2024年10~12月期の実質GDP成長率は、前期比+0.7%(年率+2.8%)と3四半期連続のプラス成長となった。ただし、成長率は輸入の減少によって大きく押し上げられている。
個人消費は、冬の賞与の増加を背景に白物家電などが好調だったものの、米などの値上がりから食料品などが低迷し、低い伸びにとどまった。一方、輸出がサービスを中心に増加し、半導体関連の設備投資も増加するなど、企業部門は堅調に推移している。
○1~3月期はマイナス成長となるが、その後は緩やかな成長が続くだろう。
米国経済は、幾分減速するものの、堅調に推移するだろう。個人消費は雇用・所得環境が良好に推移するものの、トランプ政権による関税引き上げにともなって財価格が上昇するため、やや鈍化するだろう。設備投資は好調な企業収益や国内生産への回帰を背景に、増加するだろう。
日本経済は、輸入の減少を主因として高成長となった10~12月期の反動により、1~3月期にマイナス成長となるものの、その後は緩やかな成長が続くだろう。食料品など、多くの商品の値上げが家計の負担となっているものの、良好な雇用環境に加えて、実質賃金の安定的な上昇が実現していくため、個人消費は持ち直しが続くと見込んでいる。2025年の春闘については、賃上げ率が2024年を若干上回る水準で着地すると考えている。設備投資は、堅調な企業収益を背景に緩やかに増加するだろう。輸出はインバウンドが含まれるサービス輸出が堅調に推移するなか、半導体需要の回復や中国における経済対策の効果もあって、財輸出も持ち直しが続くだろう。
○トランプ政権による更なる関税引き上げなどが見通しの変動要因
米国のトランプ政権は中国製品への一律の追加関税や各国からの鉄鋼・アルミニウムに対する追加関税を発表した。今後、関税率の更なる引き上げや対象品目の拡大により、米国でのインフレが加速するとともに、世界的に報復関税の応酬が激化し、日本からの財の輸出にもマイナスの影響を及ぼす可能性がある。