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日本生命、レゾリューションライフを完全子会社化へ

日本生命は、12月11日付で、同社の関連法人等であるレゾリューションライフグループホールディングスリミテッド(クライブ・カウダリー創業者兼会長、以下「レゾリューションライフ」)を完全子会社とすること(以下「本件買収」)について、関係当事者間※1で合意した。株式取得金額は、約82億米ドル(約1.2兆円)となる見込み。
また、同日付で、ナショナルオーストラリア銀行(以下「NAB」)が保有する日本生命の連結子会社であるMLC Limited(以下「MLC」)の発行済株式20%分をNABから取得すること、および、レゾリューションライフ傘下のレゾリューションライフオーストラレイジア(以下「豪州レゾリューション」)とMLCを経営統合すること(以下「本件統合」)について、関係当事者間※2で合意した。
※1 日本生命、レゾリューションライフ、ならびに日本生命に出資する投資事業有限責任組合および同組合のジェネラルパートナー
※2 NABの保有するMLCの発行済株式の取得については、日本生命およびNAB。本件統合については、日本生命、レゾリューションライフ、日本生命に出資する投資事業有限責任組合、および同組合のジェネラルパートナー
1.本件買収および本件統合等の背景・狙い
日本生命は、「生命保険を中心にアセットマネジメント・ヘルスケア・介護・保育等の様々な安心を提供する“安心の多面体”としての企業グループ」に成ることを掲げ、2035年に向けて、グループ基礎利益の倍増と契約者配当の拡大に取り組んでいる。また、今年度からスタートした中期経営計画(2024-2026)では、海外事業の拡大を戦略軸の一つとして、既存事業の成長および新規出資による事業規模の拡大に向けた取組みを進めている。
そうした中、グローバルに既契約受託事業や再保険事業を展開する保険会社グループであるレゾリューションライフを完全子会社とすることで、世界最大規模かつ今後も安定的な成長が見込まれる米国保険市場等において事業を拡大するとともに、本件統合等を通じた豪州保険事業のさらなる強化により、海外事業収益の長期安定的な拡大、ひいては契約者利益の最大化を企図している。
なお、レゾリューションライフは、グローバルに事業展開する資産運用会社であるブラックストーンインク(会長兼CEO兼共同創業者:スティーブン・シュワルツマン氏)と戦略的提携を行っている。同社はレゾリューションライフの運用受託会社として、プライベートクレジット、不動産、資産担保証券等の投資分野で独自に組成する投資機会を通じて、レゾリューションライフの事業および契約者に価値を提供している。同提携関係は、日本生命による完全子会社化後も継続する。
2.本件買収および本件統合等の概要
(1)レゾリューションライフの完全子会社化
レゾリューションライフに出資する投資事業有限責任組合から、同社の発行済株式のうち、日本生命が既に保有する持分を除いた約77%分を取得する。この結果、レゾリューションライフは、日本生命100%出資の完全子会社となる。なお、同組合は、同社への株式売却後に清算される予定である。
株式取得金額は、約82億米ドル(約1.2兆円※3)となる見込みである※4。
※3 為替レート:1米ドル=150円で換算
※4 最終的な取得金額は、買収手続き完了までの期間に支払われる株主配当金等を調整して決定
今後、関連当局による認可手続き等を経て、2025年下半期(7-12月)に完全子会社化の完了を見込んでいる。
(2)MLC株式の追加取得
NABから、MLCの発行済株式20%分を取得する。同取引は、レゾリューションライフの完全子会社化の翌営業日に実行される予定である。
株式取得金額は、約5億豪ドル(約500億円※5)となる見込みである。
※5 為替レート:1豪ドル=100円で換算
(3)豪州レゾリューションとMLCの経営統合
同社が保有するMLC株式※6を、レゾリューションライフ傘下の豪州事業持株会社であるResolution Life NOHC Pty Ltd(以下「豪州持株会社」)に現物出資し、その対価として、豪州持株会社が発行する新株を引き受ける。同取引は、レゾリューションライフの完全子会社化の翌営業日に実行される予定である。
同取引により、同社は、豪州持株会社の議決権の51%を直接保有(レゾリューションライフを通じて49%を間接的に保有)し、豪州レゾリューションに加えてMLCを同持株会社の傘下に有する構造(豪州レゾリューションとMLCの経営統合)となる。
※6 既保有分の80%分に、NABから新規取得する20%分を加えた100%分
なお、当面の間、豪州レゾリューションおよびMLCの2社が併存することとなるが、将来的な当該2社の合併※7を検討している。
※7 本件統合完了後、豪州持株会社の社名を「Nippon Life Australia and New Zealand NOHC Pty Ltd」」に変更予定。また、合併後の豪州生命保険会社の社名は「Nippon Life Insurance Australia and New Zealand Limited」」とする予定。
上記(1)(2)の取引はいずれも、同社の手元資金で対応する。
■レゾリューションライフの会社概要
○名称:Resolution Life Group Holdings Ltd.
○設立:2017年
○事業内容:保険持株会社(既契約受託事業・再保険事業)
○所在地:バミューダ諸島
○代表者:創業者兼会長:クライブ・カウダリー
○傘下の主要な事業体
・Resolution Re(バミューダレゾリューション)
バミューダ諸島:再保険
・Resolution Life US(米国レゾリューション)
米国:既契約受託、再保険
・Resolution Life Australasia(豪州レゾリューション)
豪州:既契約受託
○運用資産残高:(AUM) 約850億米ドル(約12兆円1)
○投下済資本:約57億米ドル(約8,500億円1)
○保険契約数:約430万件
○従業員数:約1,800名
○これまでの日本生命の出資
・2019年 初回出資 4.2億米ドル(約460億円)
・2021年 追加出資 2.3億米ドル(約250億円)
・2023年 追加出資(持分法適用会社化)10億米ドル(約1,500億円)
・累計:16.5億米ドル(約2,200億円)

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