かんぽ生命、ラジオ体操の健康効果に関する共同研究の結果を公表
かんぽ生命、東京都健康長寿医療センター、東京医科大学、NPO法人全国ラジオ体操連盟は、2021年に告知した「ラジオ体操の健康効果の検証に向けた共同研究開始」について、研究結果を公表した。
なお、本研究結果は疫学と社会医学の幅広いトピックを扱う国際誌「Journal of Epidemiology」に掲載された。
1 ラジオ体操とかんぽ生命の関わり
ラジオ体操は、1928年にかんぽ生命の前身である逓信省簡易保険局によって制定され2028年に生誕100年を迎える。
制定時に掲げられた「ラジオ体操によって国民が健康になり、寿命が伸び、幸福な生活を営むことができるように」という想いはかんぽ生命が継承し、これまでラジオ体操を通じた社会貢献活動として様々な取り組みを行ってきた。
超高齢社会を迎え、寿命が伸び、人生の長い期間にわたり、質の高い生活を維持するための取り組みが重要視されるようになった日本において、かんぽ生命はこれからもラジオ体操の普及・促進を通じて健康寿命の延伸、生きがいを持てる社会の実現を目指す。
2 共同研究の目的
ラジオ体操は、「いつでも、どこでも、誰でも」手軽に行えるだけでなく、関節や筋肉の柔軟性、バランス能力、下肢筋力、調整力、全身持久力など健康を維持するために必要な体力要素がバランスよく入っており、ラジオ体操の習慣化は、健康寿命の延伸に寄与すると考えられる。
しかしながら、かんぽ生命が2024年8月に実施した一般消費者調査では、ラジオ体操の国内での認知率は88.2%と高い一方で、1週間に1回以上行っている方の割合は12.1%に留まることが分かった。
上記を踏まえ、国民の皆さまに、医学的な検証結果に基づくラジオ体操の健康効果を知ってもらい、一人でも多くの方にラジオ体操を継続的・習慣的に行ってもらえるよう、今回の共同研究を実施した。
3 共同研究の方法
ラジオ体操がフレイルまたはプレフレイルの高齢者の健康関連QoL・運動能力等に及ぼす効果をランダム化比較試験(介入期間12週間)により検証した。
4 共同研究の結果
本研究の結果、ラジオ体操の実践は、フレイルまたはプレフレイル高齢者の敏捷性/バランス、持久力の向上、運動を継続する自信の維持には有益であることが分かった。
一方で、健康関連QoLの改善には12週間の実践では有意な差はみられなかった。