大樹生命、アセットオーナー・プリンシプルの受入れを表明
大樹生命はこのほど、8月28日に公表された「アセットオーナー・プリンシプル」の趣旨に賛同し、受け入れることを表明した。
同プリンシプルは、政府が推進する「資産運用立国実現プラン」の一環として策定されたもので、保険会社等のアセットオーナーが、受益者等の最善の利益を勘案し、その資産を運用する責任を果たしていくうえで有用と考えられる共通の原則が定められている。
同社では、同プリンシプルの原則1~5について、以下のような方針で取り組む。
■原則1.アセットオーナーは、受益者等の最善の利益を勘案し、何のために運用を行うのかという運用目的を定め、適切な手続に基づく意思決定の下、経済・金融環境等を踏まえつつ、運用目的に合った運用目標及び運用方針を定めるべきである。また、これらは状況変化に応じて適切に見直すべきである。
・同社では、お客さま本位の業務運営に関する方針のもと、以下の取組方針を定めている。「保障責任を全うするために、お預かりした資産について、安全性・収益性・流動性に加え、公共性を勘案した適切な資産運用に取り組む。
・同社は、長期的な経済・金融環境、ALM*の基本方針、資産運用リスク管理規程などに基づき、長期的に目指すポートフォリオを定めている。
・また、年度・四半期ごとに、その時々の経済・金融環境の状況変化も踏まえながら運用目標・運用方針を策定している。
・これらの策定については、経営会議など、適切な体制下で意思決定している。
*ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント):資産と負債を総合的に把握し管理する手法
■原則2.受益者等の最善の利益を追求する上では、アセットオーナーにおいて専門的知見に基づいて行動することが求められる。そこで、アセットオーナーは、原則1の運用目標・運用方針に照らして必要な人材確保などの体制整備を行い、その体制を適切に機能させるとともに、知見の補充・充実のために必要な場合には、外部知見の活用や外部委託を検討すべきである。
・同社では、有識者の現状および将来必要な育成数を把握し、若手職員の継続的な配置、人事ローテーション、必要に応じてキャリア採用等を通じて、適切な資質を持った人材の計画的な確保に努めている。
・また、有価証券領域と融資・不動産領域それぞれに運用担当責任者を設置し、各責任者の権限は、社内規程において明確化し体制を適切に機能させている。
・同社では、特定の分野では外部委託を活用するとともに、グループ会社への派遣や各種勉強会・セミナー参加を通じて知見の補充・充実に努めている。
■原則3.アセットオーナーは、運用目標の実現のため、運用方針に基づき、自己又は第三者ではなく受益者等の利益の観点から運用方法の選択を適切に行うほか、投資先の分散をはじめとするリスク管理を適切に行うべきである。特に、運用を金融機関等に委託する場合は、利益相反を適切に管理しつつ最適な運用委託先を選定するとともに、定期的な見直しを行うべきである。
・同社では、円建公社債や貸付金など保険負債の特性にあわせて運用する資産をポートフォリオの中核とし、リスク許容度の範囲内で株式、不動産、外部委託資産等へ分散投資を行っている。また、リスク管理部門による VaR*等の計量化やストレステストの実施などを通じて、適切なリスク管理を実施している。
・外部へ運用委託する場合には、利益相反管理基本方針のもと、市場関連リスク管理規程の外部への運用委託に係る基準に従い、投資手法・戦略・運用者などを確認し、委託後も定期的に確認を行い、必要に応じて見直している。
*VaR(バリュー・アット・リスク):確率的に予想される最大損失額
■原則4.アセットオーナーは、ステークホルダーへの説明責任を果たすため、運用状況についての情報提供(「見える化」)を行い、ステークホルダーとの対話に役立てるべきである。
・同社では、統合報告書等において生命保険会社共通の様式で運用実績を公表するとともに、運用方針やESG(環境・社会・ガバナンス)投融資への取組みなどについても公表している。
■原則5.アセットオーナーは、受益者等のために運用目標の実現を図るに当たり、自ら又は運用委託先の行動を通じてスチュワードシップ活動を実施するなど、投資先企業の持続的成長に資するよう必要な工夫をすべきである
・同社は、2014年5月に日本版スチュワードシップ・コードを受け入れ、各原則に則って適切にスチュワードシップ活動に取り組んでおり、その状況を公表している。
・また、サステナビリティ経営基本方針のもと、ESG投融資に関する考え方・手法を定め資産運用を行っている。同社は、2019 年 10 月にPRI*に署名している。
*PRI(Principles for Responsible Investment):国連責任投資原則