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マニュライフ生命「アジア・ケア・サーベイ2024」を発表~日本の生活者、将来のファイナンシャル・ウェルビーイング実現への期待度がアジアで最下位、退職後に向けた積極的な準備が必要

マニュライフ生命は、マニュライフ・グループで実施した「アジア・ケア・サーベイ2024」の結果を発表した。本調査により、日本の生活者の長期的な経済的目標の上位には、「緊急時に備えて十分に貯蓄すること」、「現在のライフスタイルを維持すること」、「老後の経済的自由を確保すること」の3つが挙げられた。このように経済的な備えを検討する背景として、日本の生活者の79%が「インフレの影響による生活費上昇を懸念している」と回答したほか、76%が「医療費の上昇を懸念している」と回答し、今後10年間を見据えると、貯蓄不足や収入減に対する不安が高いことが示された。
本調査は今回で5年目を迎え、2024年1~2月にかけて、25~60歳の男女計8,400人を対象に、日本のほか、中国、香港、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナムの8つの国と地域においてオンライン・セルフ・アンケート方式で実施した。日本での調査は今回が初となり、国内の生活者1,000人から得た回答を集計している。
今年の調査では「マイフューチャー・レディネス・インデックス(将来準備指標)」と称する指標を導入し、生活者が、現在および将来の身体的・精神的・経済的な満足度をどのように考えているかを、1から100までのスケールで数値化した。その結果、日本の生活者が望む将来への準備レベルは75であるのに対し、実際に予想する将来への準備レベルは53となり、理想と現実には22ポイントの差があった。これは、将来の総合的な満足度が希望レベルに達する自信がないことを示し、マニュライフ・グループが8つの国と地域の生活者を対象に調査した、アジア地域の平均値(希望レベル86、予想レベル72)を大きく下回っている。
アジア地域と比較して、日本における自信度のギャップが最も大きい分野は、経済的満足度(23ポイント差)であり、年齢層別でみると40歳以上(25ポイント差)が最大だった。日本の生活者の「経済的満足度」に対する重要度はアジア地域の中で最も高く(日本37%、アジア32%)、「身体的満足度」と並んで重要視されていることが分かる。
マニュライフ生命のブノワ・メスレCEOは、「今回の調査から日本の生活者が、現在のライフスタイルを維持しながら退職後に経済的なゆとりを持つことができるかどうか、不安を抱いていることが浮き彫りになった。現在の経済や景気の影響により、生活者は、本人が希望する経済的目標を達成することにますます自信が持てなくなっている。そのため、日本市場特有のニーズに合わせ効果的に資産を形成し、リスクを軽減するためのソリューションを求める潜在的なニーズが高まっていると言える」と述べている。
●高齢化と人口減少が見通しに与える影響
今回の結果の背景には、日本で人口減少と高齢化が進んでいることがある。人口は現在の1億2,300万人から2040年には1億1,100万人程度まで減少し、2053年には1億人を割り込むことが予測されている。一方、100歳以上の高齢者数は2023年の109,000人から2050年には532,000人に急増することが予測されている。
日本では少子化が社会課題の一つだが、本調査によると、現在子供がいない人の約3分の2(67%)は、子供を持つ予定がないと回答している(アジア地域全体の平均値は50%)。「子供に扶養してもらうことを期待している」と回答した人はわずか30%で、老後の生活に対する意識が変わってきていることが分かった。生活者の半数以上、既婚者の60%以上が「家族を経済的に支えるために定年退職する時期を遅らせるつもり」と回答している。
医療費の高騰も、経済的満足度の達成に対する不安要因の一つとなっている。日本の生活者は、昨年1年間で医療費が19%増加したと考えており、70%はインフレが進むと長期的には医療費がさらに増加すると見ている。
 将来の健康において懸念される主な病気はガンであると37%が回答している。年代別では50~60代の42%がその懸念を示している。健康に関する懸念は、ガンに次いで、肥満(24%)、糖尿病(23%)が続きく。日本では経済的、身体的、精神的な満足度が互いに作用しあっていることが明確に認識されており、69%がお金のストレスと精神の状態が、健康に直接的な影響を及ぼし、その結果医療費にも影響することを理解している。
また、退職後の備えという点では、63%が年金に上乗せをする追加的な準備が必要だと感じている。
●金融リテラシーの向上とエンゲージメント
調査対象となったアジア8つの国と地域で、日本の生活者の金融リテラシーが最下位であったことが懸念される。総合的にも、投資、貯蓄、保険商品の各理解度においても、最も低い結果となった。
さらに、すべての年齢層において、日本の単身者の経済的満足度は、既婚者より低いことが分かった(単身者スコア46、既婚者スコア56)。収入減に対する不安を抱く単身者は69%(既婚者59%)、十分な貯蓄に対する不安を抱く単身者は61%(既婚者52%)と、単身者が既婚者よりも経済的な不安を抱いている傾向がある。
その要因の一つとしては、日本では、相談できるファイナンシャル・プランナー(FP)がいる人が、ほかのアジア地域に比べて少ないことが考えられる。アジア地域の全平均では、単身者の38%、既婚者の64%が、担当のFPがいると回答したが、日本では単身者と既婚者でそれぞれ15%、33%とわずかとなった。
現在生活者は、医療費の増加や年金の減少に直面しつつ、長生きするリスクに対処しなければならない。そのような状況の中で担当FPがいないという影響は、「経済的目標を達成するためにどのような方法を選ぶか」という質問に対する回答に表れている。「現金や預貯金」を選ぶ人が63%と大多数を占め、次いで「貯蓄保険や養老保険」が28%、「投資信託、株式・債券または同様の金融商品」が25%という結果になっている。また、2割が定年後の資産を確保するための副業を希望すると回答している。
【調査概要】
1.調査の方法:インターネット調査
2.調査の対象:世界8ヵ国・地域の25~60歳までの男女
3.調査国・地域:日本、中国、香港、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム
4.有効回答数:8,400人(日本は1,000人)
5.調査実施日:2024年1月1日~2月29日

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