大同生命、中小企業経営者を対象に「時間外労働の上限規制(2024年残業規制問題)」について調査を実施
大同生命は、全国の中小企業経営者を対象としたアンケート調査「大同生命サーベイ」を、2015年10月から毎月実施している。
今般、全国の企業経営者7,295社(うち約6割が同社契約企業)を対象に「時間外労働の上限規制(2024年残業規制問題)」について調査した2024年2月度レポートを公表した。
<「時間外労働の上限規制」の概要>
・働き方改革の一環として、労働基準法が改正され、時間外労働の上限が法律に規定された。大手企業では2019年4月、中小企業では2020年4月から適用されている。
・一方で、建設業や運輸業においては、長時間労働の背景に業務の特性などがあることから、時間外労働の上限について5年間の猶予が適用されていた。
・本年4月より当該猶予期間が終了し、建設業や運輸業にも「時間外労働の上限規制」(原則月45時間・年360時間)が適用される。
1.経営への影響
・建設業・運輸業への「時間外労働の上限規制」適用により、経営に「マイナスの影響がある」と回答した企業は、33%となった。
・業種別にみると、「運輸業」が他業種に比べてマイナスの影響が大きいことがわかった。
2.「時間外労働の上限規制」 適用による影響 (建設・運輸業)
・「時間外労働の上限規制」適用による影響として、運輸業では「売上・利益の減少」(50%)、「従業員の収入の減少」(49%)が多く、建設業では「特に影響はない」(41%)、「売上・利益の減少」(28%)が多くなっている。
◎経営者の声(時間外労働の上限規制)(抜粋)
・売上が減少し、労務管理の手間も増えるので、何も良いことがない。(運輸業/東北)
・荷待ちでの時間ロス削減など荷主の協力がないと、自社の経営努力だけでは限界がある。(運輸業/南関東)
・時間外労働の状況をグラフで共有するなど、従業員みんなで危機感をもって仕事を分担するなど工夫している。
(建設業/南関東)
・運賃の値上げ幅が小さいため、賃上げは厳しい。業界を超えて広く荷主の協力が必要。(運輸業/関西)
・残業を減らすなど生産性の向上に取組む良い機会となった。(建設業/九州・沖縄)
・従来よりも納期に遅れが生じる可能性があるので、今後は早めの納品手配を心がける必要がある。
(宿泊・飲食サービス業/北海道)