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生保各社、2023年度第2四半期(上半期)決算を発表

生保各社は、2023年度第2四半期(上半期)決算を発表した。
■朝日生命グループ
保険業績(新契約)
グループの保険業績(新契約)は183億円となり、前年度上半期実績167億円を上回った。
・うち朝日生命単体では、96億円と前年度上半期実績103億円を下回った。
・うちなないろ生命では、昨年度発売の商品が引き続き好調で、6月に発売した新商品も伸展したことから86億円と前年度上半期実績63億円を上回った。
基礎利益
グループの基礎利益は133億円となり、前年同期と比べ90億円増加した。
・うち朝日生命単体では、新型コロナウイルス感染症によるみなし入院給付金の減少により保険関係損益が増加し、188億円と前年同期と比べ109億円増加した。
・うちなないろ生命では、開業から間もないため、新契約業績の伸展等に伴う事業費増加を主因として△54億円と前年同期と比べ18億円減少した。

■アフラック生命
・収支の状況
(1)経常收益
保険料等収入が前年同期比0.6%減少したものの、資産運用収益が同4.3%増加したことにより、経常収益は同0.8%増の9,215億円となった。
(2)経常利益
保険金等支払金および資産運用費用が増加したものの、主に責任準備金等繰入額の減少等に伴い経常費用が減少したことにより、経常利益は前年同期比20.0~増の2,219億円となった。
なお、中間純利益は同20.0%増の1,575億円となった。
(3)基礎利益
保険金等支払金が増加したものの、資産運用収益の増加および責任準備金等繰入額が減少したこと等により、基礎利益は前年同期比26.2%増の2,281億円となった。
・資産等の状況
(1)ソルベンシー・マージン比率
支払い余力の程度を示すソルペンシー・マージン比率は、前年度末比174.6ポイント増の1063.7%となった。
(2)総資産
総資産は、前年度末比3.6%増の13兆4,361億円となった。

■クレディ・アグリコル生命
2023年度第2四半期(上半期)は、保有契約高は対前年度末比、個人年金保険が97.9%、団体保険が92.3%、新契約高は対前年同期比、個人年金保険が38.9%、団体保険が129.1%となった。主要業績については以下のとおりである。
●契約高
個人年金保
・保有契約高 224,663
・新契約高 590
団体保険
・保有契約高 12,997,816
・新契約高 1,956,808
保険料等収入22,707
保険金等支払金36,722
中間純利益1,024
総資産244,283
基礎利益4,080
ソルベンシー・マージン比率578.3%

■住友生命、メディケア生命
1.新契約年換算保険料
2023年度上半期1829億円
◆グループは、前年同期比11.2%の増加。
◆住友生命は、転換契約を中心にVitalityの販売件数は増加したものの、新規契約の獲得が伸び悩んだほか、平準払貯蓄性商品の販売が減少したこと等により、前年同期比11.3%の減少。
◆メディケア生命は、引き続き主力医療保険が好調で前年同期比11.6%の増加。
◆海外事業(シメトラ)は、個人年金や企業保険の販売が増加したことに加え、為替が円安に進んだことも寄与し、前年同期比24.8%の増加。
2.保有契約年換算保険料
2023年度上半期末3兆1751億円
◆海外事業(シメトラ)を中心に保有契約年換算保険料が増加した結果、グループ全体では3兆1751億円となり、前年度末比4.4%の増加。
3.保険料等収入
2023年度上半期1兆2800億円
4.基礎利益
2023年度上半期1488億円
◆グループは、前年同期比35.5%の増加。
◆住友生命は、為替ヘッジコストが増加したものの、新型コロナウイルス感染症に関連した入院給付金等の支払い減少もあり、前年同期比19.5%の増加。
◆メディケア生命は、新型コロナウイルス感染症に関連した入院給付金の支払い減少等により、▲100億円と赤字幅が改善(前年同期比+161億円)。
◆海外事業は、シメトラにおいて個人年金部門が好調であったほか、為替が円安に進んだことも寄与し、前年同期比10.4%の増加
5.利息及び配当金等収入・運用収支【住友生命単体】
◆利息及び配当金等収入は、円安による外国証券の利息や配当金の増加などによって、4119億円と前年同期比280億円の増加(+7.3%)。
◆資産運用収支については、利息及び配当金等収入は増加する一方で、為替ヘッジコストの上昇による金融派生商品収益費用の悪化などにより、4195億円と前年同期比1700億円の減少(▲28.8%)。
6.連結ソルベンシー・マージン比率と経済価値ベースのソルベンシー比率
◆連結ソルベンシー・マージン比率(以下、SMR)は、適切なリスクコントロールのもとでの株式や外国債券の積増しに伴う資産運用リスクの増加等により、553.8%(前年度末比▲125.2pt)となったが、引続き、健全とされる200%を十分に上回っている。
◆経済価値ベースのソルベンシー比率(以下、ESR)※1は、SMRと同様の要因により低下し、179%※2(前年度末比▲30pt)となったが、リスクに対して十分なリスクバッファーを有している。
※1 Economicvalue-basedSolvencyRatio、ここでは住友生命の内部管理上のESRとして記載
※2 速報値。また、2023年度より、国際資本基準(ICS)や国内での経済価値ベース規制の検討状況を踏まえ、一部ESRの計測方法の見直しを実施。
7.ヨーロピアン・エンベディッド・バリュー(EEV)
◆EEVは、新契約獲得や保有契約からの収益確保など保険事業のプラスの成果および国内金利・国内株価上昇等によるプラスの影響があり、前年度末比3685億円の増加。
8.2023年度グループ業績見通し
◆連結保険料等収入は、住友生命において円建平準払個人年金保険等の販売減少を想定する一方、メディケア生命やシメトラにおける保有契約の増加等を織り込み、増収(+2.2%程度)を見込む。期初時点の見通しからは、為替の円安の影響等により、上方修正。
◆グループ基礎利益は、住友生命におけるヘッジコスト拡大に伴う資産運用収益の減少や、新中計に掲げる新規イノベーションの創出などに向けた積極投資の影響があるものの、国内事業における新型コロナウイルス感染症に対する支払いの影響緩和等により、増益を見込む。期初時点の見込みからは、為替の円安の影響等により、上方修正。

■フコクしんらい生命
1.業績の状況<個人保険分野(個人保険と個人年金保険の合計)>
[契約高(保険金ベースの指標)]
新契約高は、「利率更改型一時払終身保険」が好調に推移し、前年同期比146.8%の1,598億円となった。また、保有契約高は前年度末比103.1%の2兆2,854億円となった。
[年換算保険料(保険料ベースの指標)]
新契約年換算保険料は前年同期比139.1%の92億円、保有約年換算保険料は前年度末比101.1%の1,823億円となった。
2.損益の状況
経常利益は24億円、中間純利盗は15億円となった。また、保険本業の期間収益を示す基礎利益は28億円となった。
3.ソルベンシー・マージン比率
保険金等の支払能力の状況を示すソルベンシー・マージン比率は、1,006.8%と引き続き分な水準を維持している。
同社の格付保険金支払能力格付:AA[日本格付研究所(JCR)2023年11月]

■明治生命
2023年度第2四半期(上半期)報告のポイント
●グループ保険料1兆6,125億円
前年同期比:2,314億円減(△12.5%)
・外貨建一時払保険の販売量減少が主な要因
●グループ基礎利益2,615億円
前年同期比:402億円増(+18.2%)
・単体におけるコロナ関連の支払減少や、スタンコープ社の大幅増益が主な要因
●グループESR212%
グループESR前年度末比:5ポイント増
●オンバランス自己資本4兆2,470億円
オンバランス自己資本前年度末比:9億円減
・健全性を示す指標は、いずれも高い水準を維持
●2023年度業績見通し
・グループ保険料は「減収」の見通し
・グループ基礎利益は「横ばい」から「増益」に変更

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