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明治安田生命、2023年度新入職員向けメッセージ(要旨)

明治安田は、新入職員を迎え、入社式を行った。社長挨拶の要旨を紹介する。
1.明治安田生命とはどのような会社なのか
当社は旧明治生命と旧安田生命が2004年1月に合併して誕生した、142年の歴史と伝統を誇る生命保険会社である。
当社の歴史において最大の危機と言えるのが、2005年の「不適切な保険金不払い」に基づく二度にわたる行政処分であった。すべての役職員が誇りと自信を失ったなか、全役職員が結集して再挑戦に挑み、「お客さま満足度」の向上と将来にわたる安定的な成長の実現をめざし、ガバナンスの強化や支払管理態勢を中心とした基幹機能の強化など大胆な構造改革を行なうとともに、「個人営業改革」や「事務サービス改革」などの取組みを進めてきた。その結果、お客さまからの信頼は着実に改善し、「お客さま満足度」は2022年度も過去最高値を更新した。
また、コロナ禍や地球温暖化を契機に、企業も個人も従来以上にその「ありよう」が問われる時代になってきており、企業の「存在意義」「価値観」を大切にする経営という意味で「パーパス経営」が注目されているが、当社ではすでに2017年から企業理念「明治安田フィロソフィー」を経営のど真ん中に据える「パーパス経営」を実践してきた。
「明治安田フィロソフィー」は、私たちが「何者で」「何をめざし」「何を大切にしているのか」を指し示すものであり、日々の業務において、言わば「羅針盤」の役割を果たすものである。この「明治安田フィロソフィー」を役職員一人ひとりが「自分ごと化」して体現できる人財になろうと取り組んでいる。役職員一人ひとりが使命感や幸福感を持って日々の仕事にあたったとき、結果として「お客さま満足度」は向上し、当社のブランド価値も向上し、会社は成長・発展する、こうした「美しい循環」を作りたいと考えている。その出発点は、一人ひとりのこころの「ありよう」だと思っている。
2.明治安田生命は今後何をめざしていくのか
持続可能な社会づくりが求められる現在においては、会社や個人は「経済的価値」だけでなく、その会社や個人が社会に存在することの意義「社会的価値」が問われるなど、「価値観が問われる時代」であると言える。
また、「AI・デジタルが進化する中で人間の在り方が問われる時代」でもある。AI・デジタルの時代になればなるほど人間にしかできない仕事の価値が高まる、輝きを増すということである。
当社はデータやデジタルを手段として活用する一方で、人間の尊厳や人間力を信じ、人工知能やロボットにはない「対面の価値」「共感する心」で「ひと」と「ひと」、「ひと」と「地域社会」の絆を紡ぎ、自治体やJリーグをはじめとする志を同じくする仲間とともに、お客さまや地域社会に確かな安心をお届けできる36,000人のMYリンクコーディネーターをはじめとした資源をもっている。
こうしたなか、2020年4月にスタートした10年計画「MY Mutual Way2030」は、当社が相互会社として今後超長期の将来にわたりご契約者の利益を追求することを約束した計画である。本計画では、「10年後(2030年)にめざす姿」を「『ひとに健康を、まちに元気を。』最も身近なリーディング生保へ」と定め、「経済的価値」と「社会的価値」を両輪として好循環させ、サステイナブルな社会づくりに貢献することを宣言している。
生命保険会社は、国の社会保障制度を補完する大切なインフラである。より長期的な目線で公益を追求できる相互会社だからこそ、絆や共感といった人間らしさや優しさが溢れる人間中心の持続可能な社会を先導できる、先導しなければならないと、強い覚悟と自負を持っている。
3.みなさんに期待すること
【不断の自己変革・自己成長】
「明治安田フィロソフィー」を体現する人財に長期的時間軸で活躍をしてほしい。当社はジョブ型雇用とは一線を画してメンバーシップ型雇用にこだわり、一人ひとりを大切にする。一方で、その条件、前提として、従業員一人ひとりの不断の自己変革・自己成長を求める。デジタル化で仕事がなくなっても新しい職務にチャレンジしてもらう。
会社は従業員の多様な挑戦を後押ししており、意欲と能力があれば年齢に関係なく管理職などに抜擢できるよう、年功要素を全廃する人事制度改正を2024年度に予定している。
【DNAの継承】
当社は、二度にわたる行政処分を受けお客さまの信頼を失ったなか、会社のルールや体制を抜本的に見直し、お客さまを大切にする経営に大きく舵を切り、対面のアフターフォローを大切にするなど、全役職員が努力に努力を重ね現在に至っている。この歴史と教訓は決して風化させることなく、しっかり継承していかなければならない。
また、多くの被災者を出した2011年3月の東日本大震災では、被災地の従業員は自らが被災して困難に直面しているにもかかわらず、避難所から避難所へお客さまを探してまわり最後の1件に至るまで保険金・給付金の請求の手続きを進めた。まさに当社が基幹チャネルと位置付ける「MYリンクコーディネーター」による対面のアフターフォローが真価を発揮した瞬間である。現在の当社における高齢者対応や、契約者の連絡先に加え家族などの連絡先を事前登録してもらう「MY安心ファミリー登録制度」などは、こうした対面のアフターフォロー活動が前提であり、すべて「震災が原点」となっている。
行政処分、リーマンショック、大震災などの危機のたびに立ち上がって、お客さま、仲間、会社を救ったのは、チーム明治安田のメンバーだった。そこに、メンバーシップ型雇用への強い想いの原点もある。こうしたDNAを引き継いでほしい。
4.終わりに
最後に、アメリカの経営学者ドラッカーが著書「マネジメント」でも言及する「三人の石切り職人の話」という寓話を紹介する。
一生懸命に職人たちが石を切っている。「何をしているのか?」と尋ねると、最初の職人は不機嫌そうに「見ればわかるだろう。食うために石を切っているんだ」と答える。二人目の職人は、顔も上げず手も止めずに「俺は村一番の石切り職人になるんだ」と答える。三人目の職人は、キラキラと輝いた瞳をまっすぐにこちらに向け「この先何十年、何百年と村のひとたちの憩いの場、絆を紡ぐ場となる教会を作っているのさ」と答える。一人目の職人は金のため、生活のために働き、二人目の職人は自己成長やキャリアアップのために働き、三人目の職人こそは「自らが何者で何をめざし何を大切にしているのか」という使命・ミッションを知っているひとということが言える。
仕事に置き換えるとどうか。ただ自分自身の目の前の仕事に追われていては不機嫌な一人目の職人のように見られてしまうかもしれない。一方、二人目の職人のような自己成長の気持ちや努力、自己研鑽はとても大切である。しかし、最も大切なのは、自分がお客さまや地域社会にどのように役に立っているのか、笑顔と澄んだ瞳でしっかりと自分の行なっていることを語れる三人目の職人の心持ちではないかと思う。
笑顔と澄んだ瞳で、「明治安田フィロソフィー」という「羅針盤」を心に、たくさんの仲間と力をあわせ、ともに、新しい時代を創っていこう。

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