明治安田生命、重要文化財「明治生命館」への「静嘉堂文庫美術館」を移転
明治安田生命は、2022年に、同社が所有する重要文化財「明治生命館」の1階に「静嘉堂文庫美術館」が移転する予定となった。
公益財団法人静嘉堂は、開館30周年を迎える2022年に、「三菱創業150周年記念事業」の一環として、静嘉堂文庫美術館(世田谷区岡本)の展示ギャラリーを丸の内地区へ移転することとなり、その移転先を同社の明治生命館(千代田区丸の内)に決定した。
移転先となる明治生命館は、1934年(昭和9年)に竣工し、1997年に昭和の建築物では初めて国の重要文化財に指定された。これまで、重要文化財である貴重な財産をより広く親しんでもらうため、店頭営業室(丸の内お客さまご相談センター)や最高司令官の諮問機関である「対日理事会」の会場としても使用された会議室などを、無料で一般公開してきた。
今般、明治生命館内に静嘉堂文庫美術館を迎えることで、丸の内地区に、明治生命館、静嘉堂文庫美術館、三菱一号館美術館が集結することになり、同地区が東京有数の文化エリアとしていっそう発展していくものと考えている。
今後も、丸の内地区の都市景観の形成と活性化に貢献し、公益財団法人静嘉堂とともに、文化の発信に努めていく。
<明治生命館一般公開の概要>
〇所在地:東京都千代田区丸の内2-1-1(東京メトロ千代田線二重橋前(丸の内)駅3番出口)
〇公開日:土曜・日曜および水曜・木曜・金曜(年末年始およびビル点検日は除く)
〇公開時間:(土・日)11時~17時、(水・木・金)16時30分~19時30分
〇入館:無料
〇公開場所:(1階)丸の内お客さまご相談センター、(2階)会議室、資料・展示室等
〇問合せ:明治安田ビルマネジメント丸の内センター03(3283)9252
<明治生命館の概要>
1934年(昭和9年)に竣工した明治生命館は、日本の近代洋風建築の代表作の一つに数えられ、1997年には、昭和の建築物では初めて国の重要文化財に指定された。
設計は、東京美術学校(現東京芸術大学)教授の岡田信一郎氏、構造設計は後に東京タワーなどの設計を手がけた内藤多仲氏が担当した。古典主義様式に基づくその威風は、明治以来の日本人建築家による西洋建築技法習熟の到達点に位置し、建造物全体の構想や設備の充実度から、昭和初期におけるオフィスビルの最高峰を示すものといわれている。
また、1946年には、最高司令官の諮問機関として米・英・中・ソの4ヵ国代表による対日理事会の第1回会議室の会場としても使用されるなど、まさに昭和の激動を乗り越えた明治生命館には、その隅々まで時代の記憶が刻印されている。
2005年にはリニューアル工事が行なわれ、新装となった明治生命館は、2004年に完成した30階建ての明治安田生命ビルと融合して、歴史の香りと現代の息吹きが調和した街区、丸の内MY PLAZAを形成している。