明治安田生命、2020-2021年度経済見通しを作成
明治安田生命は、2019年10-12月期のGDP速報値の発表を踏まえ、2020-2021年度の経済見通しを作成した。
主要なポイントは以下のとおりである。
1.日本のGDP成長率予測
実質GDP成長率: 2020年度 0.2% 2021年度 1.1%
名目GDP成長率: 2020年度 0.7% 2021年度 1.2%
2.要点
①日本の景気は、新型肺炎による影響の広がりが、訪日外国人数の減少につながっているほか、家計や企業マインドを下押しすることから、短期的には低迷が避けられない情勢。2021年度は、政府による経済対策などを背景に、緩やかな回復基調をたどると予想する。
②個人消費は、雇用・所得環境の改善が下支えとなる一方、消費増税の負の所得効果が残ることや、新型肺炎による外出の減少などがマイナスに作用し、低迷を予想。住宅投資は、アパートローンへの慎重な貸出スタンスや、マンション価格の高止まりなどが重しとなり、減速傾向が続く。公共投資は、政府の経済対策を背景に、引き続き景気の下支え役を担う。設備投資は、海外景気の先行き不透明感が残ることで企業も見極めにくい状況が続こう。輸出は、新型肺炎の影響に伴う中国景気の停滞を受けて伸び悩むと予想する。
③米国景気は、米中摩擦や新型肺炎、大統領選などの各種不確実性が家計や企業マインドの重しとなるものの、雇用環境の改善や企業業績の増益基調が続くとみられるほか、昨年FRBが実施した利下げ効果もあり、内需がけん引する形で景気拡大が持続しよう。欧州景気は、新型肺炎の影響を受けてアジア向けを中心に輸出の停滞が続くほか、内需は政策効果を除けば好材料に欠ける状況が続くため、低成長を予想。中国景気は、新型肺炎の影響による落ち込みを余儀なくされるなか、財政・金融政策の巧拙が問われることになろう。