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三井住友海上あいおい生命、NRIのAIソリューション「TRAINA/トレイナ」シリーズが、コンタクトセンターに導入開始

三井住友海上あいおい生命に、株式会社野村総合研究所(以下「NRI」)のAI(人工知能)ソリューション「TRAINA/トレイナ※1」シリーズの3製品が、このほど、導入開始された。2019年中に導入が完了する予定である。
導入の検討にあたり、2017年12月から2018年5月まで、両社による実証実験として、三井住友海上あいおい生命のコンタクトセンターに実験環境を構築し、「TRAINA/トレイナ」シリーズ3製品の利用によって、どの程度、業務の効率化や高度化が図れるかを測定・分析してきた。3製品の概要と、実証実験で得られた主な導入効果は、以下のとおりである。
①VOICEダイジェスト
<製品概要>
コンタクトセンターと問い合わせ者との間で行われる音声通話のテキスト化と、対話要約の作成機能を提供するソリューションである。問い合わせ対応後にオペレーターが行う入力業務を大幅に削減するだけでなく、コンタクトセンターで対応した案件の記録や履歴を、対応者によらず均質なものにしていくことが可能である。
<実証実験での導入効果>
問い合わせや苦情対応にあたり、過去の通話履歴を確認する際に、録音データを一から聞いて確認することなく、文字データから迅速に該当部分のみを抽出して聞くことが可能となった。このため、お客さまへの回答や苦情の再発防止策の立案の迅速化が図れるなど、対応品質の向上に効果があることが確認できた。
②FAQナレッジ
<製品概要>
オペレーター向けに、社内ナレッジ、FAQ(よくある質問と回答)や関連する書類の検索効率を大幅にアップする検索機能を提供するソリューションである。FAQをウェブサイト上に公開することで、コンタクトセンターへの問い合わせを削減することも可能である。
<実証実験での導入効果>
通話中に、相手が求めている回答の候補がオペレーターのPC画面上にFAQとして表示されるため、経験の少ないオペレーターが感じる不安感の軽減や通話時間の短縮に有効であることが確認された。具体的には、平均通話時間を8.9%削減できた。
導入により、オペレーターが、監督者であるスーパーバイザーに相談や質問をする件数の減少による両者の業務負荷軽減、オペレーターの定着率向上、および新人オペレーター研修におけるOJT期間の短縮による早期戦力化、などが期待できる。
③テキストマイニング
<製品概要>
対話要約の結果や対応履歴の分析を行う機能を提供するソリューションである。使いやすいユーザーインターフェースにより、膨大なVOC(Voiceof Customer:顧客の声)データを集計・分析し、目的に合わせたデータの分類・可視化を行うことができる。さらに、AIによる自動分類(機械学習のアルゴリズムを利用してデータを分類)や新たな気付きを得られることができる豊富な分類・分析が可能である。
<実証実験での導入効果>
音声認識した通話データを分析することで、苦情分析やお客さまの声を生かした業務改善、商品開発に活用できることが確認された。
ここ数年、コンタクトセンター業界における人員の採用難が続いており、AIを活用して、オペレーター業務の効率化と対応品質の向上を両立させる、抜本的な変革が求められている。NRIは、今後も音声認識技術、自然言語処理技術にとどまらず、AIなど先端技術を活用した取組みを通じて、さらなる業務の効率化と高度化を実現し、幅広い業界でコンタクトセンターの発展に貢献していく。
また、三井住友海上あいおい生命は、「TRAINA/トレイナ」シリーズ3製品の導入により、接続品質(繋がりやすさ)の向上と、お客さま一人ひとりに寄り添ったサービスの提供によるお客さま満足度の向上を目指していく。
※1TRAINA/トレイナ:
NRIが提供する、コンタクトセンターや社内ヘルプデスクなどを対象としたAIソリューションである。ユーザーのニーズに合った回答を行うために、過去の対応履歴などの膨大な知識データベースを参照し、チャットボットを通じた自動回答や、電話オペレーターによる回答支援を行う。また、ユーザーとオペレーターの発言を音声認識・対話要約することで、対応履歴を自動作成する。さらに、対応履歴を機械学習し、FAQ候補の自動抽出や、VOCの可視化を行う。
詳細は、https://www.traina.aiを参照。

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