新日本保険新聞社・シンニチ保険WEB

生保協会、会員各社の「顧客本位の業務運営」を推進

生保協会は、「わが国における生命保険業の健全な発達及び信頼性の維持を図り、もって国民生活の向上に寄与すること」を目的として活動をしており、会員各社の「顧客本位の業務運営」を推進している。
先般の通常国会では、保険会社や保険代理店における「顧客本位の業務運営」を徹底する等の趣旨で「保険業法の一部を改正する法律」が成立した。さらに、金融庁は、8月28日付で「保険会社向けの総合的な監督指針」を一部改正し、「保険代理店等に対する過度な便宜供与の防止」「保険代理店等に対する不適切な出向の防止」等に関する具体的な措置等が定められた。
同会としては、7月18日に公表した「生命保険協会長就任にあたって(所信)」にもあるように、代理店チャネルにおける乗合代理店の保険販売においては、お客さまの適切な商品選択の機会を確保することが何よりも重要と認識している。
同会は、昨今の生命保険業界に対するご指摘や課題を真摯に受け止め、保険業の公共性、保険募集の公正性といった保険会社としての責務を果たす上で、代理店との適切な関係性の構築を推進するとともに法令・監督指針の施行に向けた態勢整備の後押しとして、以下の取組みを推進していく。
1.「代理店業務品質評価運営」における評価基準・評価方法の見直し
○「代理店業務品質評価運営」について、運営の実効性をより高める観点から、評価基準や評価方法について見直し等を検討していく。
(1)評価基準・評価方法の見直し
・より実効的な運用を行うべく、代理店業務務品質評価運営における評価基準や評価方法について見直していく。
・2026年度調査においては、見直した評価基準や評価方法に基づき、全認定代理店について再評価を実施する。
2.監督指針改正等を踏まえた、協会ガイドラインの新設・改正
○監督指針改正等を踏まえ、協会ガイドラインの新設・改正等を行うとともに、会員各社の取組の高度化に向けた後押しを行っていく。
なお、会員各社においては、「お客さま本位の業務運営方針」等において、「顧客本位の業務運営の取組み」や「インセンティブ報酬等にかかる考え方」を公表しているところであるが、今般の体制整備の状況等についても、順次、反映・公表することが期待される。
(1)「保険代理店等に対する便宜供与及び出向に関するガイドライン」の新設
・8月28日付監督指針改正等を踏まえ、「保険代理店等に対する便宜供与及び出向に関するガイドライン」を新設、「保険募集人の体制整備に関するガイドライン」を改正している(9月19日公表【済】)。
(2)「代理店監査の高度化」に係るガイドライン改正
・今般の監督指針改正等の趣旨も踏まえ、保険会社における代理店監査の高度化を図る観点から、代理店監査の高度化に係るガイドライン改正を検討していく。
(3)「比較推奨販売」に係るガイドライン改正
・「損害保険業等に関する制度等ワーキング・グループ」報告書(2024年12月25日公表)では、乗合代理店が適切な比較推奨販売を確保するための見直しに向けた提言がなされている。
・今後、監督指針等の改正の状況を踏まえ、協会ガイドラインの改正を検討していく。
(4)会員各社の取組み状況のフォローアップ
・監督指針やガイドラインを踏まえた各社の態勢整備状況について、毎年実施しているValueUpアンケート等を通じてフォローアップしていく。
(5)「募集代理店共通自己点検表」の点検項目の見直し
・同会では、会員各社が委託先募集代理店に対して実施する募集代理店による自己点検を円滑・適切に実施する観点から、共通のモデルとして参考の用に供するために「募集代理店共通自己点検表」を整備しており、改正監督指針等を踏まえ、見直しを検討していく。
(6)保険代理店への周知・徹底
・ガイドラインの改正内容については、会員各社等を通じて保険代理店へも周知・徹底を図っていく。
・また、上記自己点検表の見直し等を通じて、代理店における業務品質向上に取り組んでいく。
3.代理店への過度な便宜供与に関する通報制度の新設
○「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」報告書(2024年6月25日公表)では、「各社の取組状況を定期的にフォローアップする仕組みの構築」を求めるとともに、「フォローアップの実効性を確保する観点から、保険会社の役職員からの通報窓口の設置が重要」であるとされている。
○同会においては、通報制度を整備し、同会内に通報窓口の新設を検討している。具体的な運営の開始時期は2026年4月頃を予定している。
なお、「顧客本位の業務運営」の推進に向け、今後、この他にも検討すべき事項や課題が出てきた場合には、機動的に取組みの追加や見直しを行い、業界全体としての取組みの実効性を高めていく。

関連記事(保険業界ニュース)

生保協会・団体

生保協会、生命保険募集人の呼称の公募

損保

東京海上ホールディングス、2024年度グループ「カーボン・ニュートラル」継続達成

損保協会・団体

損保協会、「損害保険会社からの出向者派遣に係るガイドライン」、「損害保険会社に係る個人情報保護指針」等を改定

生保

日本生命、「日本生命四条ビル」を竣工

損保

東京海上日動、業務改善計画の進捗および改善状況について

損保

三井住友海上、業務改善計画の進捗状況について

損保

あいおいニッセイ同和損保、業務改善計画の進捗状況について(2025年8月末時点)

損保

MS&ADホールディングス、ネイチャーポジティブに向けた金融アライアンスによるコンセプトペーパー、ソリューションカタログ2.0の公開およびローンチイベントの開催

生保

FWD生命、金郵貯に乗合代理店との適切な関係性の構築に向けた取り組みを報告

生保

アフラック生命、金融庁に報告徴求命令に基づく「乗合代理店との適切な関係性の構築に向けた取り組み」を報告

関連商品