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T&Dホールディングス、株主提案に関する書面の受領及び当該株主提案に対する同社取締役会意見を公表

T&Dホールディングスは、同社の株主であるTaransay Funding Ltd.(以下「提案株主」)より、2025年6月に開催予定の第21回定時株主総会(以下「本総会」)における議題について株主提案(以下「本株主提案」)を行う旨の書面(以下「本株主提案書面」)を2025年4月22日に受領していたが、5月15日の同社取締役会において、本株主提案について反対することを決議した。
【本株主提案に対する同社取締役会の意見(要旨)】
取締役全員一致の決議により、本株主提案に「反対」する。
■現体制による企業価値向上に向けた着実な成果と株主からの評価
同社は、これまでもグループ・ガバナンス体制強化への継続的な取組み等を通じて、グループ資本マネジメントの進化をはじめとする中長期的な企業価値向上策を策定・実行し、2024年度には主要な財務KPIであるグループ修正利益(注1)は1,415億円(2020年度779億円)、修正ROE(注2)は10.4%(同5.9%)となった。この結果、直近5事業年度のTSR(株主総利回り)はTOPIX及びTOPIX保険業を上回る水準で推移するとともに、PBR(株価純資産倍率)は2024年度末には1.25倍(2020年度末0.54倍)まで上昇している。
また、2021年度以降毎期10%を超える増配を行うとともに、2024年度に係る自己株式取得は過去最大の1,000億円(2021年度からの4年間の累計2,500億円)の実施を決定している。
さらに、2025年3月31日に発表した株主還元方針は、配当性向をグループ修正利益(5年平均)の60%程度の水準へと変更することで、利益成長がより直接的に現金配当の増額につながる方針へとシフトさせ、2025年度の1株当たり配当は124円とすることを予定している(2024年度から44円増配予定)。
これらの企業価値向上に向けた着実な成果や取組み等により、株主からも一定の評価を得ているものと考えている。
■会社提案の取締役候補者が最適と判断した理由
2025年度は、現行グループ長期ビジョンの最終年度として、引き続き、資本効率性の向上、既存事業の収益力強化や事業ポートフォリオの多様化等の経営課題へのシームレスな対応を行っていくとともに、2026年4月を始期とする次期グループ長期ビジョンの策定・実行に向け、グループ一体経営を着実に進捗させ、中長期的な視点で企業価値向上を推し進めていく必要があると考えている。
そうした中で、同社取締役会における取締役候補者の決定に際しては、委員長及び過半数の委員を独立社外取締役とする指名・報酬委員会による年間を通じた審議・答申を踏まえ、取締役会の主な機能(全体戦略策定機能・監督機能・経営管理機能)の観点から、期待する専門性・経験のバランス及び多様性を備えた人材で構成され、また、上記のとおり中長期的な企業価値向上に向け着実な成果を実現してきた、「現任取締役の再任を基本とする会社提案の取締役候補者こそが最適な取締役会の構成である」と判断した。
■本株主提案の取締役候補者に対する評価
提案株主からは、2025年3月24日付で本株主提案の取締役候補者2名を会社提案として含めるよう要請を受け、その後、指名・報酬委員5名全員による各候補者との面談等を実施のうえ、短期間においてもできる限りの検討を進めてきた。しかしながら、両名について、同社が社外取締役に期待する監督機能を果たすためのスキル・実績等は確認できず、中長期的な企業価値向上に資するとの確証が得られなかったため、取締役会における取締役全員一致の決議により、本株主提案に「反対」する。
(注1)親会社株主に帰属する当期純損益に対し、市場変動等により会計上生じる経済実態を伴わない損益や負債内部留保の超過繰入(戻入)額を調整したグループの経営実態を表す同社独自の指標。
(注2)グループ修正利益を期首・期末の純資産残高の平均で除して算出。

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