大和証券グループ、かんぽ生命および三井物産のオルタナティブ資産運用分野における資本業務提携
かんぽ生命、株式会社大和証券グループ本社(以下、「大和証券グループ本社」)、及びその連結子会社である大和アセットマネジメント株式会社(以下、「大和アセットマネジメント」)、三井物産株式会社(以下、「三井物産」)、三井物産とかんぽ生命の中間持株会社である三井物産かんぽアセットマネジメント株式会社(以下、「MKAM」)及び三井物産の完全子会社である三井物産オルタナティブインベストメンツ株式会社(以下、「MAI」)は、2025年3月31日付でオルタナティブ資産運用分野における資本業務提携(以下、「本提携」)に係る契約を締結した。大和アセットマネジメント及びMKAMは、MAIの既存株主である三井物産との株式譲渡取引(以下、「本取引」)を実行し、大和アセットマネジメントはMAIを子会社化する。なお、本取引に伴いMAIの商号について「大和かんぽオルタナティブインベストメンツ株式会社(略称:DKAI)」に変更することを予定している。
■本提携の背景と目的
近年、上場株式や債券といった伝統的資産の代替として、オルタナティブ資産が注目を集めている。これらの資産は伝統的資産とは異なるリスク・リターン特性を持ち、ポートフォリオの一部に組み入れることで運用効率の向上が期待される。機関投資家や個人投資家の別を問わず、オルタナティブ資産運用への関心は年々高まっており、多様化するお客様の課題やニーズに応えることがより一層求められるようになっている。
今回、大和証券グループ、かんぽ生命及び三井物産はアセットマネージャー、アセットオーナー、総合商社という異なる立場から、オルタナティブ資産運用のフロントランナーであるMAIを通じ、オルタナティブ資産運用分野において協業することで合意した。
それぞれのグループがこれまで磨き上げてきた資産運用やリアルアセットに関する知見・ネットワークを結集し、オンリーワンのサービス提供を実現する。
なお、本提携は2024年5月15日に公表した「かんぽ生命と大和証券グループの資産運用分野における資本業務提携」における大和アセットマネジメントの運用力や商品・サービス提供力の向上、かんぽ生命の収益源の多様化及び資産運用力の強化、及び2022年6月10日に公表した「不動産等のアセットマネジメント事業における三井物産とかんぽ生命の資本業務提携」に基づき設立されたMKAMにおける三井物産とかんぽ生命の協業戦略に係る取組みを発展させるものとなる。
投資家の皆様に多様な投資商品を提供することを通じ、オルタナティブ資産運用分野を黎明期からけん引してきたMAIのより一層の企業価値向上を実現し、資産運用立国の実現に貢献していく。
■本提携の内容
・資産運用
かんぽ生命は、オルタナティブ投資に関わる資産運用の一部をMAIに委託、下記人材交流を含むMAIとのシナジーを通じて運用力の高度化を図るとともに、出資先である大和アセットマネジメント及びMKAMの成長に貢献する。
大和アセットマネジメントは、ミドル・バック機能を含む運用基盤をMAIに提供することで、MAIの運用力向上に貢献する。
・人材交流
大和アセットマネジメント、かんぽ生命及び三井物産は、MAIの運用高度化を通じた各社の収益基盤の拡充、体制強化を目的とし、MAIとの人材交流を行う。
・私募、公募商品の開発
大和アセットマネジメント及び大和証券グループ本社は、MAIと協働して私募・公募商品の開発に取り組み、投資家の皆様に優れたオルタナティブ商品を提供することを目指す。
・ソリューション提供力の向上
三井物産は、三井物産グループがもつ国内外ネットワーク及びオルタナティブアセットのソーシング力を活用し、MAIのソリューション提供力の向上をサポートする。
■大和証券グループ本社のコメント:
「大和証券グループでは、グループ経営基本方針として「お客様の資産価値最大化」を掲げ、オルタナティブ資産等の新たな投資機会の提供や多様なニーズに応える金融商品の開発を通じて、社会に対して新たな価値の提供を目指している。
本提携は、日本有数のアセットオーナーであるかんぽ生命との資産運用分野の提携において掲げていた、大和アセットマネジメントのオルタナティブ分野を含む投資顧問ビジネス強化の一環として取り組むものである。日本を代表する大手総合商社として多様なアセットのソーシングに強みを持ち、長年に亘りオルタナティブ資産運用サービスを提供してきた三井物産と連携し、同社の中核子会社としてオルタナティブ金融商品を提供してきたMAIを迎え入れることについて、大きな期待を膨らませている。
3グループが有機的に連携し、幅広いお客様へ魅力的なオルタナティブ金融商品を提供することで、資産運用立国実現に貢献していく所存である。」
■かんぽ生命のコメント:
「かんぽ生命は、日本郵政グループの一員として郵便局ネットワークを通じて全国のお客さまから保険料を預かり、中長期的に安定した運用収益の獲得を目的として資産運用に取り組んでいる。その中で同社は国内有数のアセットオーナーとして国内外のプライベート・エクイティやインフラを含むオルタナティブ資産に分散投資してきたが、足元オルタナティブ投資の重要性はますます高まっており、さらなる深化が重要となっている。
当社はこれまで三井物産とはMKAM、大和証券グループとは大和アセットマネジメントを通じて資産運用分野での協業を進めてきた。このたびMKAMと大和アセットマネジメントを通じてMAIに出資し、MAIを核として各社と協働することは、当社のオルタナティブ投資運用の高度化・人材の強化に加えてMKAMと大和アセットマネジメントのさらなる成長や発展に資するものと大いに期待している。
本提携を通じて当社と日本郵政グループのすべてのステークホルダーの皆様の期待にお応えするとともに、資産運用立国の実現にも貢献していく。」
■三井物産のコメント:
「三井物産はこれまでオルタナティブ投資の国内黎明期から20年以上に亘り、当社100%子会社であるMAIを通じて当社グループが開発し運用する多様なリアルアセットへの投資機会を機関投資家の皆様に提供してきた。
本提携は、かんぽ生命とのアセットマネジメント事業における協業を目的として設立したMKAMを通じて行う、運用会社への共同出資の具体的取組みであるとともに、かんぽ生命と大和アセットマネジメントのオルタナティブ分野のビジネスの中核事業としてMAIを位置づけることで、異なる業界を代表する3社の協働による相乗効果を狙ったものである。
三井物産は、引き続き三井物産グループのリアルアセットにおける優れたソーシング力を発揮するとともに、日本を代表する金融グループとして幅広い商品組成力と投資家ネットワークを有する大和証券グループの子会社となるMAIを通じて、より多くの投資家に魅力的な運用商品を提供していく。」