ネオファースト生命、給付金不正請求検知の高度化をAIが支援
ネオファースト生命は、AI(人工知能)を活用して保険制度の不正利用(以下「モラルリスク」)が疑われる給付金請求を早期に検知する新たな仕組みを、6月から10月にかけて段階的に導入する。
モラルリスクが疑われる給付金請求がより複雑かつ巧妙化する中、契約者に健全かつ公平に保険制度を利用するにあたり、モラルリスクへの対応は生命保険業界において重要な課題の1つである。
また、第一生命グループでは、2030年をめどに「グローバルトップティアの保険グループに伍する存在」を目指し、新中期経営計画のIT・デジタル戦略において、デジタル組織能力の内製化やデータドリブンな営業活動への変革を掲げている。
同社ではこれまで、専門スタッフの経験等に基づき不正の兆候を検知してきたが、2024年度からはデータドリブンな組織に向けた取組みの一環として、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールを活用したモラルリスク検知の仕組みづくりに取り組んできた。内製で構築したBIツールの仕組みをAIが支援することで、今後はより迅速かつ高精度な検知が可能となる。
【取組概要】
今回の導入では、過去の支払い等データを基に類似した請求をグループ化し、グループごとの特徴を分析することで、疑わしい請求等につながる可能性があるリスク要素をAIが自動的に抽出できるようになる。さらに、10月に導入する仕組みにおいては、複数の視点で総合的に疑わしい請求を検知し、今までよりスピーディーかつ高精度な判断を実現する。
従来の業務では、疑わしい請求の検知までに時間やマンパワーを要するほか、その精度や優先度の評価が不明瞭という課題を抱えていたが、専門スタッフの知見と過去の査定データをAIが学習することで、専門スタッフが培った経験やノウハウを体系的に集約し、より高度で効率的な検知が可能となる。
また、今回、モラルリスク検知の仕組みをすべて内製化することで、実装後も支払部門の専門スタッフの意見を反映し、機動的に性能改善や向上が可能となるほか、モラルリスクに関する情報を組織横断で共有することで、商品開発、申込み時・支払時などのあらゆる局面において、モラルリスクへの的確な対応が可能となる。
【第一生命ホールディングスCDAOによるコメント】
第一生命ホールディングス株式会社執行役員Group Chief Dataand AI Officer(CDAO)フィゲン・ウルゲン氏
「グループ会社のネオファースト生命は、AIを活用し膨大なデータパターンを分析することで、同社グループの技術力のみならず、お客さまに最善のサービスを提供するための姿勢を示している。AIは、大量のデータを分析して疑わしい請求を迅速に検知し、不正請求に該当するかどうかを高精度に判断することが可能である。本取組みを通じて得られるインサイトを活用することで、ネオファースト生命は、将来の保険金請求におけるモラルリスクへの抑止力を高めることができる」
【今後について】
同社は、第一生命グループにおけるデジタルに強みを発揮する事業会社として、AI技術をさらに活用しながら、より多角的かつ高度な不正検知体制を構築することで、公正・公平で安心できる保険サービスの提供を目指していく。
今後も、同社は、お客さまの小さな不安に気づき、向き合い、お客さまの長く健やかな人生の実現をお手伝いできるパートナーとして、同社ビジョンである「“生命保険から人生保険へ”小さな人生不安にも、向き合う保険サービスを。」の実現に向けて取り組んでいく。