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生保協会、「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見」受け協会長がステートメント

生保協会(清水博会長)は、3月7日に郵政民営化委員会より「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見」が公表されたことを受け、3月12日に協会長ステートメントを公表した。
同会は、本検証に際して、株式会社かんぽ生命保険(以下、かんぽ生命)を公正かつ自由な民間の生命保険市場に迎え入れ、活力ある経済社会の実現に繋げていく観点から、概要以下のとおり、2023年8月24日に意見を提出し、10月11日の郵政民営化委員会によるヒアリングにおいて意見表明を行っている。
<同会意見概要>
・日本郵政株式会社(以下、日本郵政)によるかんぽ生命株式の完全売却を適切なスピード感をもって着実に進めてもらいたい。
・株式完全売却の具体的な道筋すら見えていない段階における業務範囲拡大については、同会としては許容できるものではなく、郵政民営化委員会においても慎重に調査審議し、「調査審議」等の実施要否の判断にあたっては、個々の案件ごとに判断根拠等を公表してもらいたい。
・新規業務に係る配慮義務の遵守にあたっては、業務開始時・開始後において適切な確認・検証等を実施してもらいたい。
しかしながら、「委員会意見」において、郵政民営化の基本方針である日本郵政が保有するかんぽ生命の株式の全部をできる限り早期に処分する点について、「ここまでの金融二社の株式処分については、一定の進展をしているものと評価」しているが、日本郵政によるかんぽ生命株式の保有比率は未だにおよそ半分の割合を占めており、前回(2021年4月22日公表)の「委員会意見」において、「日本郵政には次期中計の期間において金融二社株式を50%処分した段階で、全株式処分に向けた方針やロードマップを明らかにする取組が求められる。」と株式完全売却に向けた進捗を促す記載がされていたにもかかわらず、今後の株式完全売却に向けた道筋も示されていない。同会として、かんぽ生命株式の完全売却という視点から、郵政民営化の進捗状況について懸念している。
また、かんぽ生命に対する今後の課題と期待として、「貯蓄性保険へのニーズ低下や第三分野等の保障性保険へのニーズ拡大を踏まえた商品開発等、生命保険業界の動向や顧客ニーズの変化に対応した第三分野等の商品やサービスを充実する(中略)取組を期待する。」と業務範囲拡大に関して言及がなされているが、株式完全売却を通じた「公正な競争条件の確保」が実現しない中での業務範囲拡大については、到底認められるべきものではない。
加えて、同会から郵政民営化委員会に対しては、これまで慎重な調査審議の実施や判断根拠等の公表についても要望してきたが、本年1月におけるかんぽ生命の一時払終身保険発売に際して調査審議は実施されず、「委員会意見」においても特段の言及がなされていない。
同会としては引き続き、かんぽ生命以外の民間生命保険会社との「公正な競争条件の確保」の実現に向けて、同会意見にある通り、公正・中立かつ慎重な対応を強く要望する、としている。

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