新日本保険新聞社・シンニチ保険WEB

JA共済連、キャットボンド「Nakama2023-1」を発行~地震リスクを証券化ESGを重視した発行としては日本国内初~

JA共済連は、建物・家財の長期保障を行う建物更生共済の自然災害リスクに関し、大規模自然災害が発生した場合においても健全な経営を維持できるよう、リスク分散の一環として継続的にキャットボンド(日本国内の地震リスクを対象とする大災害債)の発行を行ってきた。このほど、キャットボンド市場の動向に鑑み、日本国内初となる発行体(JA共済連)のSDGsおよびESG投資への取り組みにかかる情報開示等を織り込んだキャットボンドを発行した。
JA共済連は、特別目的再保険会社であるNakama Re Ltd.と再保険契約を締結し、建物更生共済の地震リスクを同社に移転する。また、Nakama Re Ltd.より本会の地震リスクを対象としたキャットボンド(5年満期、額面2.25億米ドル)を機関投資家に発行することで、将来の巨大地震発生に備えた資金を調達する。
機関投資家は、利回りを受け取ることができる一方で、あらかじめ定めた支払共済金を超える地震が発生した場合には、償還予定元本の一部または全部を減額されるという発行条件が設定されている。
これにより、JA共済連は、所定の地震が発生した場合には、機関投資家より調達した投資元本を再保険金として回収し、契約者に対する支払共済金に充当することとなる。
■今回発行するキャットボンドの特徴(ESGを重視した発行としては日本国内初)
JA共済連では、豊かで安心して暮らすことのできる地域社会づくりに貢献するというJA共済事業の使命や、地球的共通課題(環境問題等)への対応を掲げる「JAグループSDGs取組方針」に基づき、環境課題の解決やその他SDGsの達成に貢献するため、資金運用におけるESG投資を進めている。また、近年、キャットボンドへの投資を行う機関投資家の多くは、発行体のSDGsおよびESG投資への取り組みについても関心を高めている。
こうした背景を踏まえ、今回の発行に際しては、日本国内初となる以下の取り組みを加えている。
【取り組み内容】
1.JA共済連が実施しているSDGsおよびESG投資への取り組みに関して、機関投資家に向けた情報開示を行った。
2.機関投資家より調達した投資元本は、世界各地のグリーンプロジェクトの支援を行っている欧州復興開発銀行(EBRD)が発行する債券にて運用する。
3.キャットボンド有効期間中に、JA共済連が実施したESGテーマ型投資の内容について機関投資家に対し適宜情報開示を行う予定である。
JA共済連では、今後も健全な経営の維持に取り組むことで、組合員・利用者の信頼と期待に応え、「安心」と「満足」を提供していく。
<Nakama2023-1の概要>
発行体:JA共済連(Nakama Re Ltd.)
発行金額:額面2.25億米ドル(約304億円、1米ドル=135円にて換算)
期間:2023年4月~2028年4月(5年満期)
対象:日本国内の地震
利回り:クラス1:2.5%、クラス2:4.0%(※)
(※)リスクの大きさが異なる2つのクラスを発行した。

関連記事(保険業界ニュース)

生保

朝日生命、KXリニューアブルエナジー1号に投資

生保

日本生命、緑豊かなオープンスペースやグリーン電力の導入など環境にも貢献するZEB高層オフィスビル「赤坂グリーンクロス」を竣工

生保

アクサ生命、「お客さま本位の業務運営を実現するための基本方針」にかかる2023年の評価指標の結果および取組みを公表

生保

第一生命、TUSグローバルレジデンス竣工、先端理系人財の育成に資する学生用マンションの運営開始

生保

明治安田生命、新興運用会社が運用するエンゲージメントファンドに投資

生保

住友生命、ニュートン・インベストメント・パートナーズが管理・運用する日本株ファンドに投資

損保

SOMPOホールディングス、SOMPOケア、「介護現場におけるテクノロジーの効果的活用のための評価手法検討委員会」最終報告書を公表

生保

明治安田生命、女性活躍推進法に基づく行動計画を策定

生保

第一生命、営業員チャネルのコンプライアンス・リスク管理態勢の更なる高度化に向けた取組み状況を公表

損保

セゾン自動車火災、商号を「SOMPOダイレクト損保」に変更へ