第一生命、東北電力株式会社向けトランジション・ローン契約を締結
第一生命は、東北電力株式会社を借入人とするトランジション・ローン契約を締結し、50億円の融資を行った。
トランジション・ローンを含む「トランジション・ファイナンス」は、気候変動リスクへの対策を検討している企業が、脱炭素社会の実現に向けて、長期的な戦略に則った温室効果ガス(GHG)排出量削減の取組みを行っている場合に、その取組みを支援することを目的とした金融手法である。
東北電力は、「東北電力グループサステナビリティ方針」の下、サステナビリティを経営の中核に据え、2021年3月には、カーボンニュートラル実現に向け長期的な方向性を示した「東北電力グループカーボンニュートラルチャレンジ2050」を公表した。本方針では、2050年カーボンニュートラルおよび2030年にCO2排出量半減(2013年度対比)等の目標を掲げ、「再生可能エネルギーと原子力発電の最大限活用」「火力電源の脱炭素化」「電化とスマート社会実現」の3本の柱を中心に、GHG排出量削減に向けた取組みを推進している。
本融資によって調達された資金は、これらの目標達成に向けた東北電力の取組みの内、上越火力発電所の整備費用および、東北東京関連系線や東北北部エリアにおけるインフラ整備費用に使途を限定している。
上越火力発電所は、環境負荷が少ない液化天然ガス(LNG)を燃料とし、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクル発電方式を採用することで高い発電効率を実現している。これらの高効率電源の活用により、従来の石炭・石油火力発電所等の休廃止を進め、GHG排出量削減による環境負荷低減が期待される。
また、東北地方における系統整備を通じて、再生可能エネルギーの導入拡大等に向けた電力ネットワークの高度化も期待される。
同社は、本融資を通じてGHG排出量削減に向けた東北電力の取組みを資金面からサポートすると共に、その進捗状況を継続的にモニタリングしていく。今後も引き続き、運用手法の高度化・多様化によって資産運用収益の向上を図ると共に、責任ある機関投資家として持続可能な社会の実現に寄与すべく、ESG投融資に積極的に取り組んでいく。
【案件概要】
借入人 東北電力株式会社
融資額 50億円
期間 7年
資金使途
・上越火力発電所の整備資金
・東北東京間連系線の整備費用
・東北北部エリアにおける電源募集プロセスの系統整備費用