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第一生命、AIがお客さまの意向に基づき保障プランを提示するシステムを開発

第一生命と富士通株式会社(以下「富士通」)は、保障設計予測モデルを構築し、AIがお客さまの意向に基づいて保障プランを提示する『AI保障設計レコメンドシステム(以下、「本システム」)』を開発した。第一生命において2020年4月に本システムの全国展開を開始し、生命保険業界初の取組みとして7月3日に第一生命から単独特許を出願した。
本システムは、第一生命の生涯設計デザイナーが過去作成した約1,700万件の保障設計データをAIが機械学習し、加入中の契約情報に加え、お客さまの重視したい保障内容や、保険料の予算等の意向に基づき、「3大疾病等重視プラン」「死亡重視プラン」「病気・ケガ重視プラン」等の保障プランを自動作成する。本システムでは、生涯設計デザイナーが行っている保険提案のプロセス(①お客さまニーズ確認ステップと②具体的提案ステップで構成)をAIがアシストすることで、入社が間もない生涯設計デザイナーを中心に、コンサルティング力の高度化・品質の均質化を可能とする。また、本システムでは複数のプランを比較表示できるため、より意向に沿ったプランを選択しやすく、お客さま満足度の向上を実現する。
富士通は、本システムにおいてAI学習モデルの構築およびアプリケーション、クラウド基盤の開発支援と運用を担当している。
また、本システムでは、第一生命の生涯設計デザイナー1人あたり年間約120時間を効率化し、ワーク・スマートを後押しするとともに、今後はオンラインでのコンサルティングも可能とするなど、お客さまの意向に応じた案内が可能となるようデジタル技術の活用を促進していく。
第一生命は協業企業の先端テクノロジーを幅広く取り入れながら、引き続き、最適な保障の提供を通じて、お客さまの安心で豊かな生活を支え、お客さま一人ひとりの「QOL(QualityofLife)向上への貢献※1」を目指す。
富士通は、今後もAIなどの先端テクノロジーと業種業務ノウハウを活用し、金融業界をはじめとする企業や社会のさらなるデジタルトランスフォーメーション(DX)を牽引していく。
※1お客さま一人ひとりが望むしあわせな人生や生き方を実現すること
1.概要
本システムは、第一生命の生涯設計デザイナーが過去に作成した約1,700万件もの保障設計データを機械学習することで保障設計予測モデルを構築し、お客さまの家族情報や現在加入中の契約情報、重視したい保障内容などの意向をインプットすることで、保障プランを自動作成し、営業員用端末DLPadⅡの画面上にレコメンド表示する機能である。3つのプランを比較表示しながら、各保障の種類や特徴を案内することで、お客さまが自身のニーズを従来以上に認識しやすいため、レコメンドされた3つのプランを基に、生涯設計デザイナーがよりお客さま一人ひとりの意向に沿った保障プランの提案が可能となる。
2.保険提案プロセスにおけるAI活用
生涯設計デザイナーが行っている保険提案のプロセス(①お客さまニーズ確認ステップと②具体的提案ステップで構成)をAIがアシストすることで、入社の浅い生涯設計デザイナーを中心にコンサルティング力の高度化・品質の均質化を可能とする。
また、本システムは今後も作成された保障設計データを、定期的・継続的に機械学習していくため、時代のニーズに沿った意向をタイムリーに反映した保障プランをレコメンドすることが可能となる。
3.ワーク・スマートの実現
生涯設計デザイナーは1日の業務時間において保障プランの作成に約1~2時間の時間を要しているが、本システムの導入で1日あたり約30分・年間約120時間の短縮を見込んでいる。生涯設計デザイナーが保険設計に要する時間を効率化し、削減時間をより付加価値の高いコンサルティング業務へ充てることで、ワーク・スマートの同時実現も目指す。
さらに、本システムは、生涯設計デザイナーにとって商品の組合せなど、設計における新たな気づきを得る一助になると見込んでおり、生涯設計デザイナーのスキル向上にも寄与する。
4.生涯設計デザイナーのノウハウと機械学習のAIモデルの両立を実現
本システムでは、年間約1,700万件の保障設計データを活用し、第一生命と富士通のデータサイエンティストが、独自のAI学習モデルを開発した。本AI学習モデルは、生涯設計デザイナーのノウハウを定量的に評価し、ひな型となるモデルを定義、過去の成約状況から妥当性や有効性を検証するサイクルを繰り返す手法で構築した。
また、本システムで開発したAIモデルは、一般的なインプットからアウトプットまでがブラックボックス化するAIモデルとは異なり、モデル化した生涯設計デザイナーのノウハウと、保障プランの生成および評価を実施する、複数のAIモデルとの組み合わせとなっている。これにより、作成された保障プランにおける説明性や、商品改定に伴うAIモデルのメンテナンス性において優位な特性を持ち、実用性の高いAIモデルを実現している。

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