こくみん共済 coop〈全労済〉、2018年度事業および決算報告

こくみん共済 coop〈全労済〉は、2019年8月27日(火)、こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ(東京都渋谷区)において、「第130回通常総会」を開催し、2018年度計画経過報告、および2019年度計画設定などの諸議案を採択し決定した。
■2018年度の取り組みの概要
2018年度は「New-Zetwork」(2018年度～2021年度中期経営政策)の初年度として、次のとおり取り組みをすすめた。
1.大規模災害への対応
2018年度は多くの大規模災害が発生し、被災した組合員・契約者への対応を最優先課題として取り組んだ。
2.新ブランド「こくみん共済coop」の設定
同会の活動や本質を、わかりやすく、広く社会へ発信し、組合員や社会から親しみをもってもらうための新ブランドとして「こくみん共済coop」を設定した。正式名称「全国労働者共済生活協同組合連合会」、略称「全労済」は変えず、新しい姿を表す愛称として2019年6月から使用を開始している。
3.Zetworkスタイル(「お役立ち」発想と「共創」活動による新しい事業と運動)に向けた主な取り組み
(1)マイカー共済の改定を2019年1月に実施し、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)割引の新設、「6等級・前契約なし」の新車割引の割引率の拡大、マイカー共済ロードサービスの拡充等を行った。
(2)マイカー共済改定と合わせて「7才の交通安全プロジェクト」を展開し、掛金見積もり数に応じた横断旗の寄贈、子どもと親の安全意識を高めるデジタル絵本のホームページでの公開を行った。
(3)ペーパーレスによる加入・変更手続きの拡充や、タブレット端末による訪問先での契約照会を可能とするシステム機能追加などを2019年5月に行った。
(4)お役立ちと共創を実践し、事業と運動の担い手となる「人財」を育成・開発する機関として、2019年4月に『人財アカデミー』を発足させた。
■事業および決算の概況
1.事業の概況
契約高は759兆円、受入共済掛金は5,723億円、契約件数は3,120万件となった。
なお、契約件数については、自然災害共済が2.3万件増加したほか、2019年1月に商品改定したマイカー共済が2.1万件増加した。
一方、生命系共済、火災共済、交通災害共済が前期比で減少した。
2.損益の概況
・経常収益
経常収益は、6,748億円(前期比69億円減)となった。このうち共済掛金等収入は5,856億円(同25億円減)、資産運用収益は519億円(同7億円減)となった。
・経常費用
経常費用は、6,124億円(前期比221億円増)となった。このうち支払共済金は3,594億円(同483億円増)となった。
・資産運用
資産運用純益は500億円(前期比8億円減)で、運用利回りは1.46%(同0.05ポイント低下)となった。
・経常剰余金
経常剰余金は624億円(前期比290億円減)となった。
特別損失の一部として、保有資産の価格変動リスクに備えるため、価格変動準備金を85億円計上し、税引前当期剰余金は535億円(同291億円減)となった。
・割戻金
組合員(契約者)への割戻金の総額は362億円(前期比2.6億円増)となった。
3.財務の概況
・総資産
総資産は、3兆8,566億円(前期比434億円増)となった。このうち運用資産は、3兆4,959億円(同350億円増)となった。
・負債
負債は、3兆3,972億円(前期比227億円増)となった。このうち、共済契約準備金は、追加責任準備金の積み増しを行ったことなどにより3兆2,240億円(同224億円増)、価格変動準備金は755億円(同85億円増)となった。
・純資産
純資産は、4,593億円(前期比207億円増)となった。このうち会員資本は、4,367億円(同133億円増)となった。
4.主な経営指標について
・修正自己資本
自己資本が218億円増加したことに加え、価格変動準備金の増加により、修正自己資本は9,452億円(前期比301億円増)、修正自己資本比率は24.5%となった。
・基礎利益
費差益は5億円、利差損は17億円、危険差益は1,142億円となり、基礎利益は1,130億円(前期比513億円減)となった。
・支払余力比率
リスクの合計額は、資産運用リスク相当額の増加などにより23億円増加したが、諸準備金の積立などにより支払余力総額が493億円増加したため、支払余力比率は1,810.1%(前期比42.1ポイント増)となった。
・実質純資産額
実質純資産額は、有価証券の含み益が増加したほか、自己資本や資本性を有する諸準備金の積み増しを行ったことなどから、1兆7,666億円(前期比936億円増)となった。