【新刊案内】DVDシリーズNo.100、101「相続アプローチのすべて~人の数だけ相続提案がある」「贈与アプローチのすべて~人の数だけ贈与提案がある」(講師:株式会社fpking 代表取締役 井上健哉 氏)を発売しました!

DVDシリーズNo.100、101「相続アプローチのすべて~人の数だけ相続提案がある」「贈与アプローチのすべて~人の数だけ贈与提案がある」(株式会社fpking 代表取締役 井上健哉 氏)を発売しました!


「お客様の数だけ相続があり、お客様の数だけ贈与がある」
~DVD「相続アプローチのすべて」「贈与アプローチのすべて」に込めた思い~

㈱fpking 代表取締役 井上健哉氏

一般に、『相続・贈与マーケット』というと、資産家・富裕層を対象にした、少し特殊なマーケットという捉え方をしてしまいます。しかし実際は、お客様の数だけ相続があるし、お客様の数だけ贈与がある。資産家でないごく一般的なご家庭であっても、相続人が二人以上となれば揉める可能性が出てくるわけです。今回DVDをリリースさせていただいた目的は、何億、何十億という資産家・富裕層を顧客に持っているベテランの保険営業パーソンだけでなく、一般的なサラリーマン夫婦を顧客に持つ保険営業パーソンの方にも、『相続・贈与マーケット』は、特殊なマーケットではないということに気づいていただき、一人でも多くのお客様を救う一助になればという思いで、リリースさせていただくことになりました。

今回の内容は、相続の『ソ』、贈与の『ゾ』という基礎のキソから、40年ぶりの改正となった『相続法』のポイント、さらに法人の『事業承継税制』といった専門性の高い分野まで盛り込んだ、初心者からベテランまで多くの方に楽しみながら学んでいただけるDVDになったと感じています。

相続アプローチ編

具体的にどのようなことをお伝えしたかですが、まず、「あなたにはおじ、おばはいますか」、あるいは、「あなたには甥っ子、姪っ子はいますか」という、お客様へのシンプルなアプローチトークです。普段なかなか相続人にならない甥っ子、姪っ子ですが、特定の条件が重なると相続人になります。例えば、死亡した被相続人から引き継ぐのが誰も欲しくないもの、つまり負債であるときです。プラスの財産なら甥や姪に順番は回ってこないけれど、負債だとみんなが相続放棄をした結果、甥・姪が相続人になる可能性がある。

相続対策というと資産家・富裕層に必要なものと思いがちですが、資産家・富裕層とは対極の負債がある場合にも相続対策は必要になってきます。そして、このケースにも生命保険が有効に働きますから、生命保険の提案ができ、さらには、ご紹介にもつながっていきます。

また、死亡保険金は『受取人の固有の財産』として、相続放棄しても受け取ることができますが、例えば、死亡保険金500万円と、それ以外に入院給付金の未精算分10万円があったとします。死亡保険金500万円は『みなし相続財産』、一方、入院給付金10万円は、本人が受け取るものだったので『本来の相続財産』です。もしこれ(入院給付金の未精算分10万円)を受け取ってしまうと、単純承認をしたとみなされることがあります。たとえ1億円の負債があり、相続放棄したいと思っても、単純承認が成立(法定単純承認)すると相続放棄はできません。こうした恐ろしい事態も起こり得ます。

人気があり加入者が多い三大疾病(特定疾病)保険。例えばがんになって3000万円支払われました。これは本人が受け取ったので非課税です。そしてそのうち200万円を使い、残り2800万円は使わず亡くなってしまった。するとこれは『本来の相続財産』になる。死亡保険金で受け取っていたら、生命保険金等の非課税枠(500万円×法定相続人数)が適用できたはずです。しかし、これが使えず。さらには、妻と子供が不仲であれば、妻に残したいという思いで加入した3000万円の生命保険を自分で受け取ったため、『本来の相続財産』となり、妻が独占できなくなってしまうこともあるでしょう。

私たちはプロとして、保険事故が起きれば、一日でも早く保険金をお支払いしたいと思って活動していますが、保険には法律が深く絡みますので、多角的視点で検証し、アドバイスする必要があることもお話ししました。

それから土地の評価額が330㎡までは8割減となる『小規模宅地等の特例』について、相続税関係の代表的な優遇措置ではありますが、一言でいうと昭和時代の制度であり、現代のライフスタイルに合いにくいものとなっています。なぜなら、この特例は原則、被相続人と同居していた土地が対象だからです。昔は長男が代々家を継ぎ、親と同居することも多かったですが、今のように子供たちは独立別居して新しい世帯をつくるという生活様式においては、特例の対象にならないことも多いです。確かに、非同居の親族を対象にしたいわゆる、『家なき子特例』など対応策があるものの、今どきは、『小規模宅地等の特例』は使える人が少ないと思った方がいい。

そうすると、生命保険で納税資金を準備しておかなければ実家を手放さないといけないようになるかもしれない。つまり、相続対策は、何億円もの現預金を持っている人たちにだけに必要で、数千万円の現預金なら必要ないということではなくて、地価が高いところに住んでいる人たちは、それなりの相続税の納税準備が必要になってくるのです。私は相続対策は『量より質』だと考えます。つまり、いくら持っているかという『量』ではなく、何を持っているかという『質』なんですとお客様にお伝えしています。こうしたことも本編で共有しています。

贈与アプローチ編

贈与アプローチ編では、平成30年度税制改正で時限措置(特例)として新たに設けられた『事業承継税制(特例)』について、まず制度自体が簡単ではないので、じっくり説明しました。その上で、長男等後継者にとっては条件をクリアすれば何億円という自社株をタダでもらっても贈与税がかからないという、非常に魅力的な制度ですが、一方、非後継者にはまったくおもしろくない面があることを指摘しました。

例えば兄は自社株を譲り受けて会社のすべての支配権を得たのに、妹は何ももらえない。『事業承継税制』については、テキストもたくさん出ていて、スキームは詳しく書かれていますが、これらは主に後継者に焦点が当たっていて、光の当たらない非後継者へのフォロー、対策の必要性について触れているテキストがほとんど見られない。一番大事なのは、同じ子供である、非後継者の妹に納得してもらうことです。妹側から『事業承継税制』を見たときに、父が自分を直接、保険金受取人にしている生命保険契約が1千万円でも500万円でもあれば、『お父さんは私を愛してくれていた』を感じることができます。これがあってはじめて人は納得できます。兄からもらう代償分割だけでは、なかなか納得できないものです。現場で一番大事なのは制度、法律じゃない、『愛情の存在』なんです。こうしたことをお話ししました。

それと、保険の特徴として、『名義変更』をしただけでは課税関係が生じないものとされています。あくまで、保険金や解約返戻金が実際に支払われたときに課税され、それまでは課税が留保されている。この保険と現預金との違いを使って、認知症や介護に対する対策を保険で行うという、おもしろいスキームも紹介しました。

また、孫への贈与は『3年以内贈与持ち戻し』の対象外となることで、孫に贈与をしている富裕層がたくさんいらっしゃる。ただ、勘違いされている方が多く、孫への贈与は常に、『3年以内贈与持ち戻し』の対象外というわけではない。相続で財産を取得する孫は、『3年以内贈与持ち戻し』の対象者になってしまいます。例えばおじいちゃんが孫を受取人として一時払ドル終身に加入し、孫に死亡保険金が支払われた。そうなると相続に参加した孫になり、それまでに、数百万円を贈与でもらっていたならば『3年以内贈与持ち戻し』の対象者になってしまうということです。こうした一般に、多くの方が勘違いされていることにも触れています。

また、よくお客様から「贈与契約書は要りますか? 要らないですよね」と言われることがあります。契約書はなくて困ることがあっても、あって困ることはない。これを徹底して伝えていただきたいと思います。振り込みで記録を残せばいいでしょうという考えの方が多いですが、振り込まれたお金はあげたのか、返したのか、貸したのかがわからない。贈与契約書は必要不可欠、マストです。また保険と贈与は親和性が高いと言われますが、昭和58年9月「国税庁から各国税局宛に発信された事務連絡」を踏まえた『保険料贈与』について、さらに令和元年7月1日から適用されている『遺留分の金銭債権化』についても解説しています。

ということで、相続編も贈与編もホントに基礎的な話から、専門性の高いディープなところに至るまで、生保プロの皆さんが見ていただいたときに、そのままマネて使っていただけるDVDになったと自負しています。10年以上構想していたものの集大成になりますので、ぜひ相続編・贈与編ともご覧いただきたいと思います。

【DVD】相続アプローチのすべて~人の数だけ相続提案がある

【DVD】贈与アプローチのすべて~人の数だけ贈与提案がある