日本生命、特定保健指導の効果検証に関する論文を発表
日本生命は、同社が保有するヘルスケアデータを活用して特定保健指導の効果検証に関する論文を執筆し、「Journal of Medical Economics」※1にて発表した。糖尿病等の生活習慣病予防を目的とした重要な健康増進施策である特定保健指導を受けることにより、生活習慣の改善が促されるだけでなく、有意に医療費抑制効果があることが示唆された。
同社は、サスティナビリティ経営の高度化を通じて、人・地域社会・地球環境の3つの領域で社会課題の解決に取り組んでおり、生命保険を中心にアセットマネジメント・ヘルスケア・介護・保育等の様々な安心を提供する“安心の多面体”としての企業グループを長期的に目指す企業像として掲げている。
ヘルスケアに関しては、2017年度のヘルスケア事業への本格参入以降、企業・保険者・自治体向けに「ニッセイ健康増進コンサルティングサービス(Wellness-Star☆)」を提供し、健康診断結果・レセプトデータを活用した健康課題の可視化から施策の立案・実行までをトータルで支援している。また、データ利活用による保険事業・付加価値サービスの高度化に向け、保険者向けデータ分析サービスの無償提供と企業ネットワークを生かし、これまでに330万件超の健康診断結果やレセプトなどのヘルスケアデータを取得している。
こうした中、予防医療・健康支援サービスなどの新たな顧客提供価値の創出に向けたヘルスケアデータ分析の一環として、研究・論文の執筆などにも取り組んでいる。
今後も同社は、保有するヘルスケアデータやアクチュアリーの知見を最大限に生かして科学的根拠を創出し、生命保険のサービス開発やお客様の健康支援、自治体の健康政策立案支援などの社会貢献につなげ、『誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会』の実現に貢献していく。
※1 主に医療経済学に関する研究を発表する国際雑誌。発表に際し、学術的な信頼性と品質を担保する観点から、専門家による査読を受け承諾されている。
【論文概要】
■論文名:Return on Investment of National Specific Health Guidance in Japan
– an Observational Study Using “Wellness-Star☆” Health Insurance Claims Database
(日本における特定保健指導の効果検証-健康保険組合データベース「Wellness-Star☆」を用いた観察研究)
■論文内容:同研究では、健康施策の1つである特定保健指導について、独自のモデルを開発し、医療費抑制効果を検証した。
同社が保有する「Wellness-Star☆」データベースを活用して、特定保健指導の対象者について、実際に保健指導を受けた方と受けなかった方の4年間の医療費を比較したところ、「積極的支援」※2で▲14,052円/人・年(▲1,171円/人・月)、「動機付け支援」※3で▲13,284円/人・年(▲1,107円/人・月)の抑制効果が、統計的に有意と確認され、保健指導費用以上の効果があることも確認した。
■期待される効果:特定保健指導を受けることにより、生活習慣の改善が促されるだけでなく、長期的には医療費の自己負担軽減や健康寿命の延伸にもつながる可能性がある。
また、特定保健指導が医療費抑制に寄与する科学的根拠として、自治体における健康施策の優先順位付けや限られた予算の効率的な配分に役立つことも考えられ、地域ごとの施策効果を踏まえた効果的な健康増進施策の設計・推進につながる可能性がある。
■論文掲載先:Jounal of Medical Economics
■著者:上田 琢磨、柿沼 彰寛、衣川 潤、矢嶋 秀伍、宮森 由布里、栫 拓巳、山元 さゆり、武島 智美(日本生命)
Tianyi Zhang、地田 彩乃、岩崎 宏介(ミリマン・インク)
五十嵐 中(国立大学法人東京大学)
※2 医師、保健師、管理栄養士が面接を行い、目標と計画を立て、生活習慣の改善を3カ月以上、継続的にサポートすること。
※3 医師、保健師、管理栄養士が面接を行い、目標と計画を立て、生活習慣の改善に向けた動機付けをサポートすること。
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