住友生命、カラダノートと資本業務提携を締結
住友生命と、株式会社カラダノート(以下「カラダノート」)は、社会全体のウェルビーイング向上のため、2025年5月29日に資本業務提携契約(以下、「本提携」)を締結した。
今後、住友生命では、カラダノートのアプリを通じてウェルビーイングサービスを提供するなど、両社のサービス連携による相互送客や、商品サービスの共同開発等を進めていく。
1.社会的背景
日本では、急速な少子化と人口減少により、2030年代には若年人口が倍速で急減するという危機的状況が予測されている。政府は「2030年までの残り5年」を“少子化反転のラストチャンス”と捉え、令和5年に閣議決定された「こども未来戦略」に基づき、「気運醸成実行計画」の策定を進めている。この実行計画では、共働き・共育てを前提とした社会へと転換するため、企業・地域・個人が一体となって育児を支える文化と仕組みづくりが求められている。
特に企業には、育児支援を“コスト”ではなく“未来への投資”と捉え、男性も女性も等しく育児に関われる柔軟な働き方の整備が強く期待されている。社会構造や職場慣行、意識を変革していくこの挑戦には、企業による実効性あるアクションと、生活者とのリアルな接点を持つプレイヤーの共創が不可欠である。
こうした社会的背景のもと、住友生命とカラダノートは、次世代の子育てを支え、社会全体のウェルビーイングを高めていく取り組みを推進していく。
2.本提携について
a.両社の経営方針
住友生命は、住友生命グループVision2030を定め、2030年に見据える姿として「ウェルビーイングに貢献する『なくてはならない保険会社グループ』」を掲げ、健康増進型保険“住友生命Vitality”や、WaaS(Well-being as a Service)※1を通じて、保険の枠を超えた価値提供に取り組んでいる。
2025年度からは、より一層ウェルビーイング実感が高まる顧客体験価値をお客さまに提供すべく、ウェルビーイング・トランスフォーメーション(WX)に取り組んでいる。
WXでは、健康増進、重症化予防、資産形成、プレコンセプションケア※2など幅広いサービスを開発し、提供するお客さまを拡げる「量」と、顧客体験価値を高める「質」の双方に取り組んでいく。
※1 Vitality健康プログラムを中心とするウェルビーイングに資するサービスエコシステムのことである。
※2 プレコンセプションケアとは、若い男女が将来のライフプランを考えて日々の生活や健康と向き合うこと。次世代を担う子どもの健康にもつながるとして近年注目されているヘルスケアである。
カラダノートは、妊娠・出産・育児期の家族に寄り添うスマートフォンアプリを複数展開し、出生数の約9割※3に利用されるとともに、約290万世帯※4と日々接点を持つ、グロース上場のベンチャー企業である。
カラダノートのアプリは、夫婦が協力して子育てに関われる環境づくり=「共育て」を支援する設計思想を持っており、家庭の中だけでなく、社会全体で子育てを支える基盤となることを目指している。また、少子高齢化や社会保障制度の限界に対応するため、自治体・企業との連携によって、金融・住宅・保険など生活インフラ領域へと支援を拡張し、民間主導による新しい共助の仕組みづくりを推進している。
※3 2024年に妊娠期から1歳未満の子育て世帯を対象にダウンロードされた妊娠・育児支援アプリのダウンロード件数を、同年の出生数(74.9万人)と比較したものである。アプリ間の重複ダウンロードは考慮していない。
※4 2025年3月時点。
b.資本提携の内容
カラダノートは、第三者割当の方法により、住友生命に対してカラダノートの普通株式400,000株を割り当てる。合わせて、カラダノート佐藤竜也代表取締役から250,000株の譲渡も行う。これにより、住友生命のカラダノートに対する出資比率は9.72%になる。
c.業務提携の内容
住友生命とカラダノートは、両社の持つ経営資源・サービスを活用し、顧客体験の革新につながる商品・サービスの開発等を検討していくが、2025年度については具体的に、主に子育て世代等のお客さま層拡大に向けて以下の連携施策を実施する予定である。
(1)カラダノートが展開する子育て支援アプリのユーザーに対し、住友生命グループのサービスに係る情報提供を実施し、ウェルビーイング価値提供の裾野拡大を図る。
(2)また、ユーザーのニーズに応じて、Vitality健康プログラムや資産形成商品といった住友生命のサービスを提供する。
(3)住友生命のお客さまニーズに応じて、カラダノートのアプリ等のサービスを提供する。