損保協会、保険金不正請求の早期検知システムを構築
損保協会は、複数の保険会社および共済組合から収集した保険金請求等に関する情報をAIが分析し、不正請求を早期に検知するシステムを構築し、2020年4月から運用を開始した。複数の保険会社・共済組合を横断するビックデータを活用したシステムの構築は、日本の金融業界初の取り組みである。
同協会では従来から不正請求防止を目的として、保険金請求歴や不正請求防止に関する情報について各社間で情報交換を行っている。2018年10月には、保険金請求歴の情報交換の対象種目を全保険種目に拡大したほか、情報交換を行うデータ項目を拡充した「保険金請求歴および不正請求防止に関する情報交換制度」のシステムを構築した。
今般、日本テラデータ株式会社の協力のもと、これまでの保険金請求に関する情報交換の機能に加え、不正請求疑義の自動検知機能と保険金詐欺グループの相関図作成機能をシステムに搭載し、AIを用いたビックデータの活用と、保険会社によって培われた不正請求検知ノウハウの組み合わせにより、不正請求防止態勢を強化した。
同協会では今後も引き続き、公平・公正な損害額算定および適正な保険金支払いの実現に向けて取り組んでいく。