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日本生命、NDBを活用した「ニッセイ医療費白書」の提供および健康リテラシー向上取り組みを開始

日本生命および同社グループは、『誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会』を目指して、あらゆる事業活動においてサステナビリティ経営を推進しており、人・地域社会・地球環境の3つの領域に重点を置き、地域の皆様とともにサステナブルに成長していくことを目指している。
そのために、生命保険事業を中心に、アセットマネジメント・ヘルスケア・介護・保育などの様々な安心を提供する“安心の多面体”としての企業グループを、長期的に目指す企業像として掲げている。
この度、ヘルスケア事業の一環として、匿名医療保険等関連情報データベース(National Data Base以下「NDB」)※1のデータを活用した「ニッセイ医療費白書」の作成と、健康リテラシーの向上にむけた啓発活動(以下「同取り組み」)を2025年秋ごろから開始する。NDBデータの利用承認を得ることは、金融機関初である。
(※1)2008年4月から施行されている「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、医療費適正化計画の作成実施および評価のための調査や分析などに用いるデータベースとして、レセプト情報や特定健診・特定保健指導情報などを格納・構築しているデータベース。
■同取り組みの背景
高齢化社会の進展とともに、がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病など、生活習慣病をはじめとした「慢性疾患」が大きく増加している。
慢性疾患は、感染症などの「急性疾患」と比較すると、適切な服薬や生活習慣の見直しといった「患者ご自身の主体的な行動」が重要であり、そうした機運をより一層高めていくためにも、個人の健康リテラシー向上や、医療者と患者をつなぐ環境整備が不可欠である。
また、医療技術の進歩に伴い、疾患に罹患したとしても、社会に復帰しやすい時代が到来している。生命保険会社にも、「経済的な保障」に加えて、ヘルスケア事業を通じて患者に寄り添い「健康管理をサポートする役割」が、今後ますます求められている。
なお、厚生労働省の健康日本21(第三次)計画(R6-R17)においても、少子高齢化、生産年齢人口減少、高齢者の就労拡大など、社会の多様化が進むといった社会変化が予測されており、「健康寿命の延伸」および「都道府県間の格差の縮小」などが目標として明記されている。
こうした背景の中で、同社は、医療データを活用した情報提供や啓発活動を通じて、より多くの方が健康を守れる社会づくりに貢献する。
■具体取組について
①NDBデータを活用した「ニッセイ医療費白書」の作成・公表
ニッセイ医療費白書は、NDBデータを活用し、五十嵐中(いがらしあたる)特任准教授(東京大学大学院薬学系研究科・横浜市立大学データサイエンス研究科)監修のもと、作成した医療費分析レポートである。疾病毎の有病率、患者1人当たり医療費、住民1人当たり医療費を集計、性・年齢調整することで、高齢化率等の要素を排除した医療費課題を可視化し、約1,300自治体(各都道府県・人口1万名以上の市町村、東京都特別区毎)の医療費の傾向を分析可能である。
「ニッセイ医療費白書」の提供を通じて、自治体の政策立案や地域住民の健康増進への貢献を目指す。今後、全国の支社や公務各部などと連携し、各自治体を中心に、広く無償提供を開始する予定である。
②健康リテラシー向上にむけた啓発取り組み
医療機関の適切な受診方法や患者の心構え、医療の知識などを啓発していくために、「賢い患者になろう※2」をコンセプトとした「新・医者にかかる10箇条」啓蒙冊子の配布、地域特性を踏まえた健康セミナーを開催する。
(※2)「認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(理事長:山口育子)」が提唱するコンセプト。同社は団体賛助会員としてこの団体を支援。
また、血圧や血糖値などの日々の健康状態や服薬状況などを、医療者へ正確に伝達する健康管理(PHR※3)アプリの普及活動にも取り組む予定である。これにより、医療者との円滑なコミュニケーションと、生活習慣の改善が可能となる。
(※3)Personal Health Recordの略。個人の健康診断結果や服薬歴等の健康等情報を電子記録として本人や家族が正確に把握するための仕組み。
同社は、これまでも「ニッセイ健康増進コンサルティングサービス(Wellness-Star☆)」を通じ、企業、自治体における健康増進取組を支援してきた。同取り組みを通じて、分析から予防策の提供までトータルで支援することで、より一層地域の健康長寿社会づくりに寄与し、一人ひとりが、いきいきと自分らしく暮らせる環境づくりに貢献していく。

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