記者のつぶやき「金融庁長官に井藤氏、日銀出身の屋敷氏が局長昇格」
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7月5日、金融庁の井藤英樹新長官(前企画市場局長)が就任し、2024事務年度の新体制が発足しました。総合政策局長には屋敷利紀氏(前総合政策局審議官)が、企画市場局長には油布志行氏(前総合政策局長)が就任。伊藤豊監督局長は留任。金融事業者に対し、自主的な規律付けを促す役割を担う部署の発言力が高まるとの見方があります。
金融業界で注目を集めているのは、日銀出身である屋敷氏の新総政局長就任です。屋敷氏は審議官時代、保険分野を含む幅広い金融事業者が採択している行動規範「顧客本位の業務運営に関する原則」(FD原則)の実効性確保に向けた取り組みに注力してきた経緯があります。ときに業界側に厳しい意見をすることでも知られています。局長昇格によって屋敷氏の求心力がいっそう高まれば、各業界の不適切営業などをめぐる課題について当局全体として攻勢を強める可能性が高まっています。
今回の金融庁人事、けっこう影響が広範囲に及ぶことが予測されます。一部の業界人にとっては死活問題になるかもしれませんね。(T)