記者のつぶやき「待たれる! 法人契約の通達改正案の詳細」

4月1日に新元号「令和(れいわ)」が発表され、5月の改元に向けて準備が進んでいる。
しかし、法人契約の税務取扱いの見直しについては、詳細はまだ見えていない。2月13日に国税庁から法人契約の税務見直し方針が伝えられた後、全社が売り止めとした状況から、3月中にも改正案が示されるのではという見通しは空振りに終わった。そして、4月に入ったが、今のところ何も伝えられていない。
今回の改正は、定期保険および第三分野商品について出された過去の個別通達や文書回答を廃止するとしているので、支払保険料の経理処理(損金算入割合)、資産計上期間、ピーク時の解約返戻金の定義などのほか、過去の通達等で規定されているものについても触れる必要があるだろう。
例えば、保険期間が終身の場合は計算上の満期到達時年齢を105歳とすることや、平成24年のがん保険(終身タイプ)通達に規定されている「保険契約の解約等において払戻金のないものである場合には、短期払であっても保険料の払込みのつど支払保険料を損金の額に算入する」ことを認めた例外的取扱い、あるいは、受取人が個人である場合(みなし給与)の取扱いなどはどうなるのだろうか。
いろんな疑問が次々に湧いてくる。しかし、それらは次の段階に検討される問題であり、適用も含め改正通達の詳細がわからなければ、そのステップには進めない。
通達が発遣されれば、できるだけ早い時期に各商品の販売を再開したいとしても、その契約の保険料の税務処理はどのように契約者に伝えるのか、証券上で明記すべきなのか、証券を発行しない会社はどうするのか、契約内容の変更があった場合はどうするのかなどの実務上の問題、システム対応も必要だ。
法人マーケットを主要顧客とする会社は早期決着を求めているが、近年の業績をけん引していた法人契約だけに、それ以外の会社も販売指標の臨時的な見直しを行ったと聞く。改正内容の詳細の提示が待たれる。(S)

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