記者のつぶやき「法人向け定期保険に金融庁が是正指導」

今年6月、金融庁は生命保険会社に対し「事業費モニタリングにおけるアンケート依頼について(法人向け定期保険の付加保険料実態調査)」を実施した。
調査対象は『発売中、または、認可取得済で販売準備中(料率改定を含む)の定期保険のうち「保険年度によって営業保険料に占める費消付加保険料の割合が変動」する保険商品』とされ、対象となる商品は、法人契約が可能な定期保険全般(特約も含む)とし、逓増定期保険、介護定期保険、災害保障重視型定期保険、生活障害定期保険等を含むとされた。
これをきっかけにダイヤモンド、朝日新聞を中心に「節税保険」記事が相次ぎ、大きな話題となっていた。
生命保険商品の認可申請にあたっては、平成18年4月から付加保険料部分については、算出方法書に具体的・詳細な記述は求めず、事業費モニタリングを行うとされた。
監督指針では、「社内規定等に定める付加保険料の算出方法が合理的かつ妥当なものであり、かつ、その算出された付加保険料が不当に差別的なものとなっていないことが確保されているか。
特に、付加保険料の割増引きを設定する場合には、契約方法、保険料の払込方法等に基づいたものとなっており、事実上の特別利益の提供になっていないことに留意する」としている。
金融庁は、法人向け定期保険の競争激化のなかで、返戻率を高めるためにこの付加保険料を利用している商品が多くなっていた点を問題視。
提出されたアンケート結果を精査し、必要に応じて個別ヒアリングを実施、付加保険料の設定が適正かを検証する作業を行った。
その後、10月初めまでに追加質問も実施。その結果を踏まえ、11月後半から、該当する生保各社に対して問題点を指摘し、適正化・是正を求めた。
各社は付加保険料の変更スケジュールを提出し、保険料改定を実施する流れとなるが、気になるのはその改定まで既存商品の販売は継続できるのか、売り止めとしなければならないのかだ。(S)