メットライフ生命、代理店出向者による不適切な情報取得について
メットライフ生命は、同社から委託先代理店(以下「出向先代理店」という)への出向者による、不適切な手段による情報取得の有無を確認するため調査を実施した。
調査の結果、一部の出向先代理店において、出向者が出向先代理店の許可を得ずに内部情報を取得していた事実を確認した。なお、当該調査の過程において、当該取得情報の中に個人情報が含まれていたことが判明したことなどを踏まえ、同社は2025年12月26日に金融庁より報告徴求命令を受け、事案の全容解明に向けた調査を進めてきた。
今般、本件調査を完了し、その結果および発生原因、再発防止策につき、以下のとおり公表した。
同社は本事案を重く受け止め、再発防止に全力で取り組んでいく。
1.調査の概要
他社における出向者による不適切な手段での出向先情報取得に関する報道を受け、同社は同種事案の有無を確認するために全社的な調査を実施した。調査にあたっては、調査手法およびその適切性について外部弁護士事務所による事前レビューを受けたうえで実施した。
■対象期間 2021年4月~2025年10月
■対象者 出向者および上席者等の関係者
■方法・対象者へのアンケートおよびヒアリング
・メールおよび共有フォルダのデジタル・フォレンジック調査
・共有フォルダへのアップロード履歴の確認
・キャビネット等の現物調査
2.調査結果
本調査により、出向先の同意なく不適切な手段により出向先の情報が取得された事実を確認した。確認された内容は以下のとおりである。
■出向先代理店数・件数:36社、2,476件
■情報の内容・代理店の保険販売に係る業績や推進方針:
・代理店内の研修資料やマニュアル
・他の生命保険会社の商品情報等
■取得の手段:
・資料の紙媒体による取得、紙資料のデータ化(スキャン等)および電子データの送付
・私用スマートフォンによる資料撮影
■取得の主な目的:出向先代理店の保険販売状況や各種施策などの理解を深め、円滑な支援を行うため
取得情報のうち、個人情報を含む情報に関する確認状況について
本調査においては、取得された資料等の一部に、個人情報が含まれていたことが確認されている。これらの個人情報については、出向者が業務資料の一部として接する過程で取得され、社内で共有されていたものである。同社では、2024年にも出向者に関する情報取り扱いについて調査を行っていたが、その時点では、今回確認された事象の一部を把握できていなかった。今回の調査では、調査手法の改善の一環として、デジタル・フォレンジック調査を含めた調査を実施し、事実関係の正確な把握に努めた。
本調査の結果、出向先社内情報および個人情報を含め、以下の点については確認されていない。
・出向先の同意なく情報を取得するよう、同社関係者が明示的に指示した事実
・当該情報を利用した保険募集または商品開発など
・当該情報を同社外の第三者へ共有・提供した事実
なお、調査の範囲および結果については、関係する出向先代理店に説明を行ったた。調査内容および結果について各代理店に確認いしたところ、現時点において不正競争防止法上抵触するとの指摘は受けていない。一方で、出向先代理店の許可を得ずに内部情報を取得し社内で共有したことは、同法における営業秘密保護の趣旨に照らして適切ではなかったと認識している。個人情報に関しては、法令等に則り、関係する出向先代理店および関係する他の保険会社とも連携し、必要な確認および対応を進めている。
3.発生原因
調査の結果を踏まえ、以下のとおり発生原因を分析した。
(1)顧客ニーズおよび代理店を取り巻く事業環境の変化
(2)出向者管理態勢の不備
(3)出向者・情報受領者に対する教育・指導の不足
(4)出向モデルのリスクの予見不足
4.再発防止策
上記発生原因を踏まえ、以下の再発防止策を実施する。
(1)出向制度の見直し
出向者は2026年3月末をもってすべて帰任しており、新規の出向は原則行わないこととした。
(2)情報取扱ルールの整備・徹底とコンプライアンス意識の醸成
第三者情報の適切な取り扱いに関するルールを明確化し、不正競争防止法等の関連法令の知識を含む研修を、管理職を含む全役職員に対して実施・強化する。また、情報取り扱いに関するルールの遵守状況を定期的に確認する。
(3)第2線・第3線による態勢強化
コンプライアンス部門(第2線)・内部監査部門(第3線)において、変化する事業環境や販売チャネルの特性を踏まえたリスクの洗い出しと検知能力の向上を図る。第2線によるコンプライアンス・モニタリングを強化するとともに、第3線においてはリスク・アセスメントの実効性を高め、再発防止策の定着状況を継続的に検証する。
5.役員報酬の一部自主返納
同社は本件を厳粛に受け止め、対応の一環として、役員報酬の一部を自主返納する措置を講じた。
・ディルク・オステイン代表執行役 会長 社長 最高経営責任者:報酬月額の30%×1カ月分
・篠田宗士執行役専務 :報酬月額の30%×1カ月分
・入部衡執行役員常務 :報酬月額の15%×1カ月分
・鈴木浩太郎執行役員常務:報酬月額の15%×1カ月分
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