かんぽ生命と第一生命、資産運用分野における共同取り組み実施状況を公表

 かんぽ生命と第一生命は、昨年3月29日に合意した「業務提携に関する基本合意書」に基づき、資産運用事業における共同取り組みを実施した。
▽プロジェクトファイナンス分野における共同投資の実施について
 かんぽ生命と第一生命は、業務提携の発表以降、継続的にインフラ事業等の成長分野への共同投資を検討してきたが、今回、日本国内の太陽光発電事業(メガソーラー事業)に対するデットファイナンスを共同で実行した。
 これまでの実績としては、2案件に対し、両社合計で約100億円の共同投資を実行。両案件ともに、かんぽ生命・第一生命の投資額合計がプロジェクト全体の資金調達の過半を占め、主要投資家として参画している。投資を実施した2案件は、東北地方、関東地方にそれぞれ建設された太陽光発電所で発電された電力の販売によって得られるキャッシュフローを返済原資としたプロジェクトファイナンス案件である。
 投資期間は20年弱と長期間にわたるものだが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づき安定したキャッシュフローが見込まれている。優良案件を選別して取り組むことにより、長期投資という生命保険会社の投資ニーズを満たすとともに、国内電力安定供給への貢献も果たしている。
 なお、今回の共同投資案件の検討にあたっては、両社の資産運用部門が緊密に連携し、両社の厳格な投資基準を満たしつつ、魅力あるプロジェクトの発掘・選定を実施した。また、このようなインフラ事業への投資にあたっては、プロジェクトに関連する様々なリスクを適切に評価する必要があるが、第一生命がこれまでの投資で培った案件選定プロセス、豊富な評価・審査ノウハウ等を、かんぽ生命と共有することで、共同投資を実現した。
 今後も、インフラ分野にとどまらず投資対象分野の拡大を図るとともに、両社における運用審査態勢の一層の高度化に取り組みつつ、さらなる投資拡大を図っていく。
▽資産運用会社の共同活用の実施について
 かんぽ生命は、第一生命の関連会社であるアセットマネジメントOneと共同で生命保険会社の資産運用に資する商品として、中長期的に安定的な収益の獲得を目指す絶対リターン型のマルチアセット戦略ファンドを開発し、投資を実行した。
 同ファンドは、かんぽ生命およびアセットマネジメントOneの両社が、生命保険会社の財務上の特性等を踏まえ、低金利環境下における安定的なインカム収益の獲得に向けた様々な戦略について、数か月間にわたり金融工学等を駆使し多面的な検討・研究を進めた結果、開発が実現したもの。
 かんぽ生命は、同ファンドへの投資やアセットマネジメントOneとの共同開発・人的交流等を通じ、適切なリスク管理のもとで、資産運用の高度化・収益性の向上を目指していく。今後も、両社の資産運用分野の協力関係を強固にし、成長分野等における共同投資や、資産運用会社の共同活用等について、引き続き検討・実施していく考え。

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