「50代にふさわしいカードを持ちたい」「今の生活に最適なカードはどれか?」と考えている人も多いのではないでしょうか。
50代は収入やクレヒス(クレジットヒストリー)の面から審査で有利になりやすく、カードの選択肢が増えます。
どのカードを選ぶべきか悩むのは、当然のことだといえるでしょう。
この記事では、元銀行員としてクレカ選びや家計相談を受けてきた筆者が体験談を交えながら、次の内容を解説します。
クレジットカード選びに悩んでいる50代の人は、ぜひ参考にしてください。
50代向けクレジットカード究極の1枚
50代は収入が増えるだけでなく「仕事に余裕が出る」「子育てが一段落する」「趣味に費やす時間が増える」など、ライフスタイルに変化が現れやすい年代です。
仕事やプライベートでクレジットカードを利用する機会が多い50代だからこそ、カード選びにこだわりたい人も多いのではないでしょうか。
ここでは、目的別選んだ「50代向けクレジットカード究極の1枚」について解説します。
総合力で選ぶ究極の1枚なら三井住友カード ゴールド(NL)

三井住友カード ゴールド(NL)の概要 | |
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年会費(税込) | 5,500円 (年間100万円利用で翌年以降永年無料) |
ポイント還元率 | 0.5〜7% |
国際ブランド | VISA Mastercard |
付帯保険 | 海外旅行傷害保険:最高2,000万円(利用付帯) 国内旅行傷害保険:最高2,000万円(利用付帯) ショッピング保険ありなど |
追加カード | 家族カード:年会費・発行手数料無料 ETCカード:年会費550円(税込) ※初年度無料 ※前年度に一度でもETCの利用があった場合は年会費無料 |
主な申し込み条件 | 年齢:18歳以上(高校生を除く) 収入:記載なし |
発行スピード | 最短10秒 即時カード番号発行(オンライン手続き、一部条件あり) |
特徴 | ・対象のコンビニや飲食店でのスマホタッチ決済で最大7%還元 ・年100万円利用で年会費無料+毎年1万ポイント ・海外旅行保険を「選べる無料保険」で変更可能 |
詳細 | 公式サイト |
- 条件付きで年会費が永年無料
- 対象コンビニ・飲食店で最大7%還元
- 「選べる無料保険」が付帯
- 付帯サービスが少ない
- ステータス性はいまひとつ
- 国際ブランドがVISA/Mastercardのみ
三井住友カード ゴールド(NL)は、ゴールドカードながら年100万円以上の利用で翌年以降の年会費が無料になる総合力の高いクレジットカードです。
対象コンビニや飲食店のタッチ決済で7〜10%還元が受けられるため、日常の支払いに便利なカードといえるでしょう。
- セブン-イレブン(スマホのVisa・Mastercardタッチ決済で最大10%還元)
- ローソン
- マクドナルド
- すき家
- サイゼリヤ
- ガスト
- ドトール
また、付帯する無料の旅行保険を「スマホ安心プラン」「ゴルフ安心プラン」「ケガ安心プラン」など7つの保険へ変更できる点も特徴です。
ただし、三井住友カード ゴールド(NL)は旅行保険や選べる無料保険以外のサービスが付帯しません。
ゴールドカードということで一定のステータス性はあるものの、実用性や総合力を重視したい人におすすめのカードといえるでしょう。
▼元銀行員目線のコメント
三井住友カード ゴールド(NL)は、メガバンク系のクレジットカードとして信頼性が高く、ビジネス・プライベート問わず人前で利用するのに最適なカードです。
派手さや必要以上のステータス性はないですが、コスパやポイント還元を重視する人に「究極の1枚」といえるでしょう。
ポイント高還元で選ぶなら「リクルートカード」

リクルートカードの概要 | |
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年会費(税込) | 永年無料 |
ポイント還元率 | 基本1.2% リクルート関連サービスで最高3.2% |
国際ブランド | VISA Mastercard JCB |
付帯保険 | 海外旅行保険:最大2,000万円(利用付帯) 国内旅行保険:最大1,000万円(利用付帯) ショッピング保険 : 年間最大200万円 |
追加カード | 家族カード:年会費・発行手数料無料 ETCカード:年会費無料(※Mastercard/Visaは新規発行手数料1,000円) |
主な申し込み条件 | 年齢:18歳以上(高校生除く) 収入:本人または配偶者に安定収入 |
発行スピード | VISA・Mastercard:最短翌営業日 JCB:最短5分で番号発行 |
特徴 | ・公共料金支払いでも1.2%の還元 ・リクルート関連サービスで高いポイント還元率 ・付帯保険が充実 |
詳細 | 公式サイト |
- 基本ポイント還元率が高い
- 公共料金の支払いでもポイント還元率が高い
- 年会費無料ながら旅行傷害保険が付帯
- コンビニ・飲食店などのポイントアップなし
- リクルートポイントの利用先は少なめ
リクルートカードは、公共料金や携帯料金などの固定費支払いでも1.2%の還元が受けられるポイント還元率の高さが特徴です。
毎月の固定費が高額になりがちな人は、リクルートカード払いにすれば効率よくポイントを貯められます。
また、年会費無料ながら最大2,000万円の海外旅行傷害保険、最大1,000万円の国内旅行傷害保険、年間最大200万円のショッピング保険が付帯しており、コスパのよいカードといえるでしょう。
ただし、コンビニや飲食店でのポイントアップはなく、還元率が1.2%のままなのは、地味に痛いポイントです。
リクルートカードは、ポイントの有効期限が「最後にポイントを付与された月の12か月後の月の月末まで」のため、定期的にポイントを獲得すれば、実質的に無期限でポイントを貯められます。
基本還元率が高いため、公共料金や携帯料金などの固定費支払いで、長期間にわたりポイントを貯めたい人に向いたカードといえるでしょう。
▼元銀行員目線のコメント
公共料金や携帯料金、家賃などの固定費を銀行口座引き落としにしている人も多いと思います。これら固定費を、家族分まとめてカード払いにすれば効率的にポイントを貯められます。
リクルートカードのポイントは「じゃらん」で利用できるため、貯まったポイントを家族旅行に充てるのもよいのではないでしょうか。
ステータス性で選ぶなら「JCBプラチナ」

JCBプラチナの概要 | |
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年会費(税込) | 27,500円 |
ポイント還元率 | 0.5〜10% |
国際ブランド | JCB |
付帯保険 | ・国海外旅行保険:最大1億万円(利用付帯) ・海外旅行保険:最大1億万円(利用付帯) ・国内・海外航空機遅延保険(利用付帯) ・ショッピングガード保険 : 最大500万円 ・JCBスマートフォン保険 : 年間最高50,000円(自己負担額あり) |
追加カード | 家族カード:年会費1枚無料。2枚目から3,300円 ETCカード:無料 QUICPay : 無料 |
主な申し込み条件 | 年齢:20歳以上 収入:本人に安定継続収入のある人 |
発行スピード | 最短5分 ※即時発行ができない場合があります。 |
特徴 | ・プロパーカードなのでステータス性が高い ・プラチナカードならではの付帯特典多数 ・最上位カード「JCBザ・クラス」への招待の可能性あり |
詳細 | 公式サイト |
- コスパの高いプラチナカード
- 豊富な付帯保険
- 24時間365日「プラチナ・コンシェルジュデスク」を利用可能
- 基本還元率が低い
- 海外の一部で使いにくい
- 使い方によっては年会費がムダになる
JCBプラチナは、付帯サービスやステータス性から考えると、コスパが高いプラチナカードです。
24時間いつでも「プラチナ・コンシェルジュデスク」を利用できるほか、ビジネス・プライベートともに役立つJCBならではの豊富な特典が付帯しています。
- プラチナ・コンシェルジュデスク : ホテルやレストラン、ゴルフ場などの手配・相談が可能
- グルメ・ベネフィット : レストランのコースメニューが1名分無料
- JCBプレミアムステイプラン : 会員から評価の高いホテル・旅館を特典付きで利用可能
- プライオリティ・パス : 世界1,700ヶ所以上の空港ラウンジ等を無料で利用可能
特にプライオリティ・パスは、ラウンジ利用回数無制限の「プレステージ会員」であるため、頻繁に空港を利用する人には、JCBプラチナを持つ大きなメリットとなるでしょう。
また、利用の仕方によってはJCBの最高ランクカード「JCBザ・クラス」への招待が受けられる可能性もあるため、ステータス性を追求したい人におすすめのカードです。
ただし、JCBプラチナは基本還元率が0.5%と低く、あまり付帯特典を利用しない人にとっては、年会費がムダになる可能性があります。
▼元銀行員目線のコメント
銀行員時代の経験からすると、会社経営者や企業の役員など、年収や社会的な地位が高い人ほど、ステータス性の高いプロパーカード(国際ブランドが直接発行するカード)を好む傾向があります。
人前でカードを利用する機会が増える50代の人は、ぜひプロパーカードの利用を検討してはいかがでしょうか。
普段使い用で選ぶなら「楽天カード」

楽天カードの概要 | |
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年会費(税込) | 永年無料 |
ポイント還元率 | 基本1.0% 楽天市場3.0% |
国際ブランド | VISA Mastercard JCB AMEX |
付帯保険 | 海外旅行保険:最大2,000万円(利用付帯) その他セキュリティ・保険特典もあり |
追加カード | 家族カード:年会費・発行手数料無料 ETCカード:年会費550円(税込) ※楽天の会員ランクがダイヤモンド・プラチナであれば無料 |
主な申し込み条件 | 年齢:18歳以上(高校生除く) 収入:記載なし |
発行スピード | 1週間〜10日程度 |
特徴 | ・通常のポイント還元率が1.0%と高い ・全国500万店舗以上の提携加盟店でポイントが貯まり利用できる ・国際ブランドが豊富 |
詳細 | 公式サイト |
- 年会費無料ながら海外旅行保険が付帯
- 貯まったポイントを使いやすい
- 楽天ユーザーは圧倒的に有利
- ステータス性は低い
- 物理カード必須で発行に時間がかかる
- 付帯特典なし
楽天カードは基本還元率1.0%と高く、楽天関連のサービスを利用するほどポイント還元率が高くなるお得なカードです。
提携加盟店も多いため、普段使いに最適なカードといえるでしょう。
楽天カードの提携加盟店は飲食店やコンビニ、ガソリンスタンドなど全国に500万店舗以上あり、ポイントを貯められるだけでなく、貯まったポイントを支払いに利用できます。
このため、楽天のヘビーユーザーだけでなく「貯まったポイントを日常の支払いや買い物で利用たい人」すべてにおすすめです。
また、楽天カードは年会費無料ながら最大2,000万円の海外旅行保険が付帯しており、国際ブランドが豊富なため、多くの人が使いやすいカードといえます。
ただし、一般カードのためステータス性は低く、特典やサービスが付帯しないため、必要に応じて楽天プレミアムカード以上のカードを選ぶとよいでしょう。
▼元銀行員目線のコメント
銀行員時代、クレジットカードをすすめると「楽天カードを持ってるから」と断られるケースが非常に多かったです。それだけ多くの人が利用しており、利便性やポイントの活用のしやすさが評価されているということでしょう。
筆者も楽天カードを愛用しているのですが、ポイントカード(楽天ペイアプリに登録)を利用してポイントの貯まりやすさと使いやすさを実感しています。
旅行やゴルフなどの趣味で選ぶなら「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード」

アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードの概要 | |
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年会費(税込) | 39,600円 |
ポイント還元率 | 基本1.0% 対象加盟店3.0% |
国際ブランド | AMEX |
付帯保険 | ・海外旅行保険:最大1億円(利用付帯) ・国内旅行保険:最大5,000万円(利用付帯) ・疾病治療費用保険金 ・賠償責任保険 ・携行品損害保険金 |
追加カード | 家族カード:2枚まで年会費・発行手数料無料 ※3枚目以降19,800円 ETCカード:年会費無料・発行手数料935円 |
主な申し込み条件 | 年齢:20歳以上 収入:安定した継続収入がある人 |
発行スピード | 約1週間 |
特徴 | ・ゴルフや旅行、食事など付帯特典多数 ・メタルカードで高いラグジュアリー感 ・入会特典で10万ポイント以上もらることも |
詳細 | 公式サイト |
- プラチナカード並みの付帯特典
- ステータス性が高い
- ビジネス・プライベート共に高い利便性
- 年会費が高い
- 国際ブランドがAMEXのみ
アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードは、旧アメックス・ゴールドカードの後継カードとして、プラチナカード並みの付帯サービスが付帯するカードです。
旅行やゴルフなど趣味に関する付帯特典が多いため、ビジネス・プライベート共に利便性が高く、メタルカードなので、さりげなくステータス性をアピールできます。
旅行関連の特典だけでなく、ゴルフ場予約やメルセデスベンツのレンタカーサービス、カード会員限定イベントなど、他のカードにはない特典が特徴です。
また、海外・国内旅行傷害保険をはじめ、疾病治療保険、個人賠償責任保険(事故による損害賠償に対応)、ショッピングプロテクションなど付帯保険が充実しており、カード1枚で日常生活のさまざまなリスクに対応できます。
▼元銀行員目線のコメント
銀行員時代、海外旅行へ行く人には、損保会社の旅行保険をすすめてきました。クレカ付帯の保険だけでは補償が不足するためです。
その点、アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードの付帯保険は、旅行先でのあらゆるトラブルやリスクを想定しています。海外旅行好きな人には、付帯保険だけでも年会費を超える価値があるのではないでしょうか。
50代向けクレジットカード究極の1枚の選び方
50代になると収入が増えるだけでなく、子育てが一段落して自由な時間が増えるなど、ライフスタイルとお金の使い方が変わってきます。
クレジットカードを利用する機会が増え、お金の使い方が変わってくるからこそ、カード選びにはこだわりたいものです。
ここでは、50代向けにクレジットカード究極の1枚を選ぶときにチェックすべきポイントを6つ紹介します。
ステータス性で選ぶ
50代のカード選びでは、ステータス性が大きなポイントの1つです。
カードのステータス性は、一般カード < ゴールドカード < プラチナカード < ブラックカードの順で高くなります。
- 一般カード
- ゴールドカード
- プラチナカード
- ブラックカード
「職場の同僚を飲食に誘う」「取引先との飲食で支払いする」など、人前でカードを利用する機会が多い50代の人は、ゴールド以上のカードを選ぶのがおすすめです。
また、ステータス性を重視するのであれば、国際ブランドが直接発行するプロパーカードや、航空会社系カード、高級ホテル系カード、百貨店系カードを選ぶのもよいでしょう。
特典や付帯保険で選ぶ
クレジットカードは、同じランクでも特典や付帯保険はカード会社によって異なります。
いくつか候補となるカードを決めたら、特典や付帯保険を比較するのがおすすめです。
たとえば、仕事やプライベートでよく飛行機を利用する人は、空港ラウンジサービスだけでなく、手荷物無料宅配サービス、航空便遅延費用補償など、航空関連の付帯特典が充実したカードを選ぶとよいでしょう。
▼元銀行員目線のコメント
海外へよく行く人は、渡航先での病気やトラブル、航空機の遅延、欠航に対応できるカードがおすすめです。
銀行員時代にお客様から聞いた話からすると、多くの人が渡航先で何らかのトラブルや病気を経験しています。特にトラベルデスクの有無は、ぜひチェックしておきたいポイントです。
趣味やライフスタイルに合わせて選ぶ
仕事に余裕ができ、趣味やプライベートを充実させたい50代の人は、ライフスタイルに合わせてカードを選ぶのもおすすめです。
たとえば、よく高級ホテルへ宿泊する人であれば、ホテル発行のカードを持つことで、割引や部屋のグレードアップ、無料宿泊サービスなど、さまざまな特典が受けられます。
- 150万円以上のカード利用と継続で週末の無料宿泊を1泊プレゼント
- 朝食無料、部屋のグレードアップ(ヒルトン・オナーズ・ゴールドステータス特典)
- カード利用100円につき最大3ポイント貯まる
参照 : ヒルトン・オナーズ アメリカン・ エキスプレス・カード
また、ゴルフが趣味の人は、ゴルフデスクやゴルフ関連の保険が付帯したカードを選ぶといった具合に、「ライフスタイルや趣味のどこに重点を置くか」を考えて、カードを選ぶのがおすすめです。
▼元銀行員目線のコメント
ホテル系・航空会社系のカードは、顧客囲い込みのために、年会費以上のサービスを提供しているケースも多くあります。特典重視の人は、ホテル系・航空会社系のカードを狙うのもおすすめです。
ポイントの貯まりやすさや使いやすさで選ぶ
JCBの調査によると、50代のカード決済額は男性の平均で毎月約9万7千円、女性は約9.3万円とかなりの高額です(1枚目・2枚目に多く使うカードの合計)。
毎月の決済額が多い50代の人は、ポイントの貯まりやすさや使いやすさもカード選びで重要です。
たとえば、毎月カードを10万円利用する人の場合、ポイント還元率によって1年間で貯まるポイントは次のように異なります。
- 還元率0.5%のカード : 6,000円
- 還元率1%のカード : 12,000円
- 還元率1.5%のカード : 18,000円
また、コンビニやファミレス、チェーンの飲食店をよく利用する人は、対象店舗でポイントが貯まりやすいカードを選ぶのがおすすめです。
- 三井住友カード(NL) : 対象のコンビニ・飲食店の利用で7〜10%還元
- Amazon Mastercard : 対象のコンビニの利用で最大7%還元(タッチ決済の場合)
- JCBゴールド : スターバックスの利用で最大10%還元
加えてカード選びでは、ポイントの使いやすさも重視すべきでしょう。
たとえば、三井住友カードの利用で貯まるVポイントは、三井住友銀行で現金と同様に利用できるほか、nanacoポイントやヨドバシゴールドポイント、スターバックスカードへ交換・チャージして利用できます。
家族カードの利便性で選ぶ
50代になると、配偶者だけでなく子供がクレジットカードを持てる年齢になる人も多いはずです。
家族カードには次のとおりメリットが多いため、家族カードの利便性はカード選びのポイントになります。
- 家族分の支出をまとめて管理できる
- 家族も付帯サービスを利用できる
- 家族カード分のポイントが貯まる
家族カードの利便性をみるには、次の点をチェックすべきでしょう。
- 発行できる枚数は?制限はないか?
- 年会費はかかるか?
- 家族が発行対象になるか?(※)
※「本会員と生計をともにしている」など発行に条件が付くカードもあります
特に年会費がかかる場合は、発行枚数分の年会費が必要となるため、本人カードを申し込む時点で確認しておくことが大切です。
▼元銀行員目線のコメント
家族カードは、家族の支出を把握しやすいため、家計管理に役立ちます。
実際に筆者も家計相談を受けた際に家族カードの利用を勧めていました。また、進学などで離れて暮らすお子さんに持たせるのもおすすめです。
退職後も見据えて選ぶ
50代の人は、退職後を見据えてカードを選ぶことも大切です。
退職後は収入減少などが原因でカードの入会審査が厳しくなる傾向にあり、希望通りのカードを持てない可能性があるためです。
収入の高い50代のうちに、次の点を考慮してカードを選ぶとよいでしょう。
- ステータス性の高いカードを選ぶ
- 利用限度額の大きいカードを選ぶ
- 収入源に備え年会費の安いカードを選ぶ
- プロパーカードを選ぶ(可能であれば)
注意したいのは、プロパーカード(国際ブランドが直接発行するカード)を選ぶという点です。
これは、流通系や信販系など、いわゆる提携カードの場合、提携先の都合でカードの提供が終了するケースがあるからです。
実際に筆者も、流通系の提携カードを利用していたのですが、提携先の都合でカードの提供が終了したため、特典の付かない一般カードへ切り替えられた経験があります。
プロパーカードを選ばない場合でも「発行枚数が多いカード」(たとえば楽天カードなど)または「大手サービスの提携カード」(たとえばエポスカードなど)を選ぶのがおすすめです。
50代向けクレジットカード究極の1枚を持つ・発行するメリット
50代は「年収が高い」「カードを利用する機会が多い」「ライフスタイルが変化する」など、クレジットカードを見直し、究極の1枚を持つのに最適な年代です。
ここでは、次のとおり50代向けクレジットカード究極の1枚を持つ・発行するメリットについて解説します。
定年退職後は審査に通りづらくなる可能性がある
50代がクレジットカード究極の1枚を持つ大きなメリットとして、定年退職後は審査に通りづらくなる点が挙げられます。
クレジットカードの審査では「安定した収入と返済能力」が重視されるため、定年退職後は審査で不利になるためです。
筆者は銀行員時代、多くの定年退職者の人にカードを申し込んでもらいましたが「(ステータス性の高いカードで)審査落ちした」「審査に通ったが利用限度額は少なかった」という声を多く聞いています。
このため、定年退職前で収入の高い50代はステータス性が高い究極の1枚を作る最後のチャンスといえるかもしれません。
▼元銀行員目線のコメント
クレジットカードは、申込基準として年齢条件のみ設定しているケースも多いですが、実情として退職後は比較的審査面で厳しい傾向があります。
50代のうちに希望のカードを作ることはもちろん、現在あるカードを整理する場合でも「本当に解約してよいか」を慎重に判断する必要があります。
ポイントを貯めやすい
複数のクレジットカードを利用していると、どんなに還元率が高くてもポイントが分散し、効率的に貯めることができません。
また、知らないうちにポイントの有効期限が過ぎてしまうこともあるでしょう。
しかし、クレジットカードを1枚に絞ることで獲得ポイントが集中するため、効率よくポイントを貯めることができます。
ポイントの貯めやすさを重視して究極の1枚を探す際は次の点を考慮するとよいでしょう。
- よく利用する店舗やサービスで還元率の高いカードを選ぶ
- ポイントの利用先が多いカードを選ぶ
- ポイントの有効期限が長いカードを選ぶ
家計を管理しやすい
クレジットカードを1枚に絞り、さまざまな支払いをまとめることで、家計を管理しやすくなります。
クレジットカードは会社ごとに締日や引き落とし日が異なるため、複数のカードを利用していると、管理が煩雑になるためです。
1枚のカードに公共料金や日常の買い物、ネット通販の代金など、すべての支払いをまとめれば毎月の支出や支払日を一括で管理できます。
またクレジットカードは、支払いをまとめて決済金額が大きくなるほど、上位カードへのインビテーション(招待)を受けやすくなります。
プラチナカードやブラックカードを持ちたい人は、インビテーションを狙うためにクレジットカードを1枚に絞るのもよいでしょう。
年会費を節約できる
仕事の付き合いや、特典目的で複数のカードを持っている人も多いのではないでしょうか。
年会費のかかるクレジットカードを複数枚持っている人は、特典や機能の充実した究極の1枚にまとめることで、年会費を節約できます。
特に退職が近く、収入が減る可能性のある50代にとって、クレジットカードの年会費は決して小さな出費とはいえません。
定年退職後の生活やライフスタイルを踏まえて、機能や特典が充実しつつもコスパのよいカードを選ぶのがおすすめです。
▼元銀行員目線のコメント
これまで沢山のクレジットカードを取り扱って来ましたが、一般的にもっとも機能・特典とコスパのバランスが取れているのはゴールドカードだと考えています。
ゴールドカードであれば一定のステータス性もあり、人前で利用する機会が多い50代の人には特におすすめです。
50代向けクレジットカード究極の1枚しか持たないデメリット
50代の人がクレジットカードを1枚持ちすることにはメリットが多い一方で、注意すべきデメリットもあります。
定年退職後はクレジットカードの審査が厳しくなるため、1枚持ちする場合はメリットだけでなく、デメリットも考える必要があるでしょう。
ここでは、50代の人が究極のクレジットカードを1枚持ちするデメリットと対応策について解説します。
利用限度枠が限られる
クレジットカードは、複数枚持つとそれぞれの利用限度枠が合算されるため、高額な支払いに対応できます。
一方、クレジットを1枚に絞ると、そのカードの利用限度枠しか利用できないため、高額な支払いに対応できない可能性もあります。
特に退職によって年収が下がった後は、利用しているクレジットカードの利用限度枠を引き下げられる可能性もあるため、限度枠の大きさには注意が必要です。
- 1枚持ちする場合は利用限度枠の大きいカードを選ぶ
- 50代のうち(退職前)に利用限度枠の増額を行う
- 海外旅行へ行く場合は、カード会社へ一時的な増枠を依頼する(多くのカード会社が依頼を受け付けている)
カードを失う可能性がある
クレジットカード会社は、カード発行後も定期的に利用者の信用状態をチェックしています(途上与信)。
このためクレジットカードだけでなく、他のローンの支払いが遅延したり、何らかの規約違反があった場合は強制解約となりカードを失う可能性もあります。
また、強制解約となった場合は信用情報に履歴が残り、他のカードへ申込んでも審査落ちする可能性が高くなります。
カードを1枚持ちする場合は、信用状態を良好に保つため、返済遅延や規約違反に特に注意すべきでしょう。
- 延滞しないよう引き落とし口座の残高管理を徹底する
- 住宅ローンや他のローンの支払い管理も徹底する
- 利用限度枠に余裕を持たせておく
- (万が一カードを失った場合は)デビッドカードやプリペイド式カードの利用を検討する
国際ブランドが1つに限られる
クレジットカードの国際ブランドは、おもにJCBやVISA、Mastercard、American Expressに分けられます。
カードの1枚持ちでは、選んだカードによって「国内で利用できる店舗が限られる」「海外の一部地域で利用できない」などの問題が生じかねません。
- JCB : 日本国内やアメリカ本土、ハワイ、アジア諸国で加盟店が多いが、ヨーロッパでは加盟店が少ない
- VISA、Mastercard : 世界中で加盟店が多く、どの国や地域でも利用しやすい
- American Express : 国内ではJCBとの提携により加盟店が多い。新興国では利用できない場合も多い
このため、カードを1枚持ちする場合は、ライフスタイルに合わせて、国際ブランドを慎重に選ぶ必要があります。
- 国内利用に限るならJCBを選ぶ
- 海外旅行へよく行く人はVISA、Mastercardを選ぶ
- サブカードとしてデビッドカードやプリペイド式カードを持つ
特典や付帯保険が限定される
クレジットカードには、それぞれ特典や旅行保険が付帯しています。
複数のカードを持っていると、それぞれの特典や付帯保険を利用できますが、カードを1枚に絞ると、そのカードの特典や付帯保険しか利用できません。
たとえば、旅行傷害保険1つをとっても、国内旅行・海外旅行が対象のカードがある一方で、国内旅行にしか対応していないカードもあります。
カードを1枚持ちする場合は、特典や付帯保険を他のカードと比較し、十分に検討する必要があるでしょう。
- 可能な限り特典や付帯保険が充実したカードを選ぶ
- 自分に必要な特典や付帯保険を把握したうえでカードを選ぶ
- 付帯保険やサービスが不足する場合は、別途契約も検討する
50代向けクレジットカード究極の1枚でよくある質問
50代はクレジットカード究極の1枚を持つのに適した年代ですが、近い将来定年を迎えるなど、何かと疑問や不安を抱える人も多いのではないでしょうか。
ここでは、50代向けクレジットカード究極の1枚でよくある質問についてまとめました。
- 50代で初めてクレジットカードを持つことはできますか?
-
持つことができます。
ただし、クレジットカード以外にもローンの利用実績がない人は、信用情報が存在しない「スーパーホワイト」とみなされるため、審査で不利になる場合もあります。まずは審査に通りやすい一般カードを作り、利用実績を作るのがおすすめです。
- 50代で初めてゴールドカードを持つことはできますか?
-
持つことができます。
まず、すでに一般カードを利用しており、利用実績が良好であれば審査に通る可能性が高いと考えられます。
一方、はじめてクレジットカードを申し込む場合でも、継続安定した収入があれば審査に通りやすいと考えてよいでしょう。不安であれば、一般カードからゴールドカードへアップグレードできる三井住友カード(NL)やエポスカードの作成を検討するのもおすすめです。
- 今持っているクレジットカードは定年退職後も使い続けられますか?
-
定年退職後も使い続けられます。
ただし退職に限らず転職した場合や、住所、電話番号に変更があった場合は、速やかにカード会社へ届け出る必要があります。
届け出ずに長期間そのままになると、カードの利用停止につながるケースもあるので注意が必要です。
まとめ:50代はクレジットカード究極の1枚を手にいれるチャンス
50代は収入が増え、生活に余裕ができるため、ステータス性が高いクレジットカード究極の1枚を手にいれるチャンスです。
一度作成したカードは、基本的に退職後も使えるため、50代は究極の1枚を手にいれる最後のチャンスといえるかもしれません。
最後にもう一度要点をまとめます。
- 年収が増える50代は、ステータス性が高いクレジットカードを持つのに最適な年代
- 定年退職後は審査が厳しくなるため、50代のうちに究極の1枚を探すのがベスト
- 50代のカード選びは退職後の生活やライフスタイルを見据えることが大切
- 50代のカード1枚持ちにはメリット・デメリットがある
ぜひ、この記事を参考にして50代の人に向いた最強のクレジットカードをみつけてください。