記者のつぶやき「どうなる? 自社株評価の抜本的見直し」
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令和6年11月の会計検査院の指摘を受け、純資産価額方式と類似業種比準方式との間の評価額のかい離に着目した恣意的な評価額圧縮スキーム等への対応もあり、国税庁は4月から「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」を毎月開催し、検討を行っている。
その検討結果等を年末の令和9年度税制改正大綱に盛り込み、財産評価基本通達改正案のパブリックコメントを経て、早ければ令和10年から適用と考えられている。
これまでの議論では、類似業種比準方式を廃止し、企業の保有資産や収益力を重視した評価方法とされる「残余利益方式」の採用で決着かと思われていたが、ここに来て先行きが不透明になってきた。
9月16日に開催された第6回会議では、日本商工会議所と中小企業庁の意見が提出された。
日本商工会議所の意見では、冒頭で「国税庁が考える残余利益方式の採用を是認する趣旨のものでは一切なく、評価体系の抜本的な変更そのものに反対する立場を堅持している」と述べている。
そして、「一部の課税逃れ対策のために、多くの中小企業の事業承継が崩壊するのではないかと強く懸念する」「残余利益方式は、中小企業の成長投資を歪ませ、政府が目指す『強い経済の実現』『成長投資の拡大』に大いに逆行する。中小企業の実態に見合った評価や税負担に関する議論がないまま、評価体系全体の見直しには強く反対する」と厳しい。
さらに、政治的な動きも。片山財務大臣は10月6日の閣議後の記者会見で、「中小企業の円滑な事業承継に資するよう、事業承継税制についても検討しようと思っている」とし、「頑張る中小企業者が事業承継しやすくなるようにやるのは当然だ」と強調した。
また、翌7日の衆院本会議では、高市首相は非上場株の相続評価の方法の見直しについて「ゼロベースで検討を進める」と語り、「現時点で何らかの結論や見直しの方向性が決まっていることはまったくない」と述べた。
年末に向けて、目が離せない状況となっている。(S)