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「FXのレバレッジって何?」「どうやって計算するの?」などと疑問に思っていませんか。レバレッジがあれば、所持金以上の通貨を買えます。しかしかけ方次第でリスクもあるので、気をつけて使いましょう。
- FXのレバレッジ概要
- レバレッジのメリット
- レバレッジの計算方法
- 初心者におすすめのFX業者
これからFXを始める人のために、レバレッジの意味を解説します。

Contents
FXのレバレッジの意味
まずはレバレッジの意味を知りましょう。3つの要点に分けました。
- 所持金以上の取引ができるシステム
- FXはレバレッジがメイン
- 通貨を先に売れる
所持金以上の取引ができるシステム
レバレッジにより、元手を超えた取引が可能です。預けたお金は証拠金で、決まった倍数の額まで注文できます。
「必要なお金が多すぎる」「調達しきれない」と投資を諦めていた人も、FXならチャレンジできるかもしれません。投資に向けた一歩を踏み出せる人もいるでしょう。
FXはレバレッジがメイン
FXはレバレッジが中心です。もう1つには現物取引があり、違いは以下のとおりです。
取引形式 | 意味 |
現物 | 所持金の範囲だけで、商品の売買を行う |
レバレッジ | 所持金に応じて、取引所が認めた倍数までの額を取引できる |
現物の為替取引は外貨預金が役目を果たしています。これは日本円を外国のお金に替えて預け、金利や価値変動に応じた利益を狙えます。その関係から、FX会社は現物取引を扱いません。

持っていない通貨を売れる
FXに限らず、レバレッジ取引では2つの投資パターンを使えます。
ポジション | 意味 |
買い | 買った通貨を値上がり後に売る |
売り | 先に通貨を売り、値下がり後に買い戻す |
持っていない通貨を先に売れるのがポイントです。値下がり後の買い戻しで、売却時との差額が利益として成立します。

レバレッジのメリット
レバレッジのメリットは2つです。
- 少ない金額で参加できる
- 利益が大きくなる
少ない金額で参加できる
少ない元手でよいのは、レバレッジ取引の利点です。取引所が認めた最大倍数次第で、最低限の証拠金も少なくなります。
たとえば3万円だけを預けても、倍数の有無により取引可能額が異なるのです。
レバレッジ | 取引可能額 |
なし | 3万円 |
10倍 | 30万円 |
25倍 | 75万円 |
取引所が認めた倍数にしたがい、売買可能な規模だけが広がっていきます。
利益が大きくなる
レバレッジ倍数はかけるほど利益が大きくなります。たとえば証拠金の25倍をかければ、そのぶん利益も広がるのです。以下のシミュレーションを見ましょう。
- 通貨ペア:米ドル/円
- 購入時の相場と数量:108円×1,000通貨
- 取引額:10万8,000円
- 購入後の相場:110円
- 利益:+2,000円
このとき、倍数によって結果が以下のように変わります。
レバレッジ | 必要証拠金 | 利益率 |
なし | 10万8,000円 | 約1.9% |
10倍 | 1万0,800円 | 約18.5% |
25倍 | 4,320円 | 約46.3% |
倍数次第で利益率も高まり、儲かったと実感しやすいでしょう。
レバレッジのデメリット
レバレッジ取引には欠点もあります。以下の2つに用心してください。
- 損失が大きくなる
- 強制ロスカットの可能性
損失が大きくなる
レバレッジ次第で損失も高まります。少しの金額だけでまとまったマイナスを受けることもあるでしょう。以下のシミュレーションを見ましょう。
- 通貨ペア:米ドル/円
- 購入時の相場と数量:108円×1,000通貨
- 取引額:10万8,000円
- 購入後の相場:105円
- 利益:-3,000円
以下が結果です。
レバレッジ | 必要証拠金 | 損失率 |
なし | 10万8,000円 | 約2.8% |
10倍 | 1万0,800円 | 約27.8% |
25倍 | 4,320円 | 約69.4% |
上記では25倍だと証拠金の半分以上を失います。わずかな金額で損失が膨らむのです。
強制ロスカットの可能性
レバレッジ取引には強制ロスカットというルールがあります。これは取引所による通貨の強制決済で、保有通貨に対する証拠金の割合が一定を下回ったときに起きます。
ユーザーが損をしすぎて、生活が苦しくならないためです。取引ツールにアクセスしたとき、保有中の通貨がなくなっていたら、ロスカットの可能性が高いでしょう。

国内外のFX最大レバレッジ事情
日本と海外ではFXのレバレッジが違うようです。国内でも取引分野によって最大倍数が異なります。以下の要点を確かめましょう。
- 国内では最大25倍が多数
- 他の投資ジャンルと比較
- 海外では5,000倍も
国内では最大25倍が多数
国内では多数の取引所が最大レバレッジを25倍としています。金融庁の規制があるからです。
従来は日本でも最大倍数の制限はなく、100倍や200倍に定めるところがありました。しかし金融庁は投資家保護のため、以下の形で段階的な制限をかけます。
年 | レバレッジ規制 |
2010年 | 50倍 |
2011年 | 25倍 |
このように日本では、3ケタの倍数はできなくなりました。しかし倍数に合わせて損失リスクが高まるので、安全性が高まったとも考えられます。
他の投資ジャンルと比較
レバレッジがあるのはFXに限らず、株や暗号資産でも見られます。各分野を代表する取引所の最大倍数を見ましょう。
取引所 | 分野 | 最大レバレッジ |
DMM FX | FX | 25倍 |
外為どっとコム | FX | 25倍 |
SBI証券 | 株式 | 約3.3倍 |
楽天証券 | 株式 | 約3.3倍 |
bitFlyer | 暗号資産 | 4倍 |
DMM Bitcoin | 暗号資産 | 4倍 |
FXは規制が敷かれた今も、他の分野より多くのレバレッジをかけられます。
海外では5000倍も
海外では最大レバレッジが3,000倍というFX会社もあります。代表的な会社を見ましょう。
会社 | 金融ライセンス | 最大レバレッジ |
GEMFOREX | ニュージーランド証券投資委員会 | 5,000倍 |
FBS | オーストラリア証券投資委員会、南アフリカ金融サービス委員会 | 3,000倍 |
HotForex | イギリス金融行動監視機構、セント・ビンセントおよびグレナディーン諸島 | 1,000倍 |
XM | セーシェル諸島 | 888倍 |
国内では考えられない倍数をかけられますが、そのぶん損失リスクも大きく上がります。初心者にはおすすめできません。
レバレッジで必要な計算
レバレッジ取引を進めるには、さまざまな計算に慣れておきましょう。少なくとも以下の4つは要チェックです。
- 必要証拠金
- 収支
- 実効倍数
- 証拠金維持率
必要証拠金
必要証拠金は「取引(予定)額÷最大レバレッジ倍数」です。国内では軒並み25倍なので、予定の25分の1だけあれば参加できます。
たとえば100万円分の通貨を買いたければ、25分の1である4万円が必要です。
収支
収支は「取引時の残高±取引額に対する損益」です。以下の条件で見ましょう。
- 最大レバレッジ:25倍
- 購入額:10万円(必要証拠金:4,000円)
- 購入時残高:6,000円
- 取引額に対する損益:+2,000円
このとき残高は「6,000円+利益2,000円=8,000円」です。取引額に関係なく、収支がダイレクトに残高にかかります。
実効倍数
実効倍数の公式は「取引(予定)額÷残高」です。
たとえば残高1万5,000円のときに、14万8,000円分の通貨を買うと、約9.9倍の実効倍数です。
証拠金維持率
証拠金維持率は、「残高÷必要証拠金×100」が原則です。以下の条件で見ましょう。
- 最大レバレッジ:25倍
- 残高:2万円
- 取引額:18万円
- 必要証拠金:7,200円(18万円÷25)
この場合、「残高2万円÷7,200円×100」で、維持率は約278%です。この数字が取引所指定のラインを下回ると、ロスカットを受けます。
レバレッジ取引に役立つツール
レバレッジ取引では、以下の2点のツールが役に立ちます。
- デモトレード
- 証拠金シミュレーション
デモトレード
デモトレードは、仮想の取引ができるシステムです。代表的なのがDMM FX発行のもので、以下の特徴を備えています。
- 実際のFX通貨によるリアルタイム相場を使用
- お金は架空なので、実際の資産に影響はない
- ツールの画面構成も実際と一緒
- ニックネームとメールアドレスを申請するだけで使える
かんたんに仮想取引を体感できるのがポイントです。初心者はここからFXの雰囲気に慣れるとよいでしょう。
証拠金シミュレーション
証拠金シミュレーションは、取引に関係した計算ができるツールです。
DMM FXの場合は、以下の項目を入れましょう。
- 口座種別(多数は個人)
- 通貨ペア
- レート
- 数量(1Lot=1万通貨)
- ポジション(買いと売り)
- 純資産額(残高)
以上の項目を入れ終われば、以下の項目がわかります。
- 必要証拠金
- ロスカットライン50%時の証拠金
- 維持率100%時のレート
- 維持率50%時のレート
以上の結果を知れば、損失対策に役立ちます。とくに維持率に応じたレートから、カットを受ける可能性がわかるのが大きいでしょう。
FXではレバレッジなし(1倍)の取引も可能
FXではレバレッジ1倍でも取引できます。以下のポイントを踏まえながら実践すべきか考えてください。
- 証拠金以下の取引ができる
- 外貨預金との違い
- ロスカット対策にもなる
- 元手が大きくなる可能性
証拠金以下の取引ができる
FXでは、証拠金以上の取引を行うのは義務ではありません。証拠金以下の売買も認められているからです。
持っているお金の範囲だけで取引すれば、収支計算もわかりやすいでしょう。余分なリスクを背負わないぶん、気軽になれます。
外貨預金との違い
1倍の取引だと、「外貨預金に似ている」と感じるでしょう。しかしFXでは証拠金を下回る取引でも、外貨預金との違いが出ます。
FX | 外貨預金 | |
利益の出し方 |
・安く買って高く売る ・持っていないものを高く売り、安く買い戻す |
安く買って高く売る |
相場以外の利益 | 毎日のスワップポイント | 年率の預金金利 |
確定申告 | 雑所得で、一定額以上の利益で申告義務がある | 源泉分離課税で、申告義務はない |
諸経費 | スプレッドのみ | 為替手数料や外貨送金手数料、外貨取扱手数料など |
FXは外貨預金よりも柔軟に稼げて、諸経費もかかりにくいのが魅力です。
ロスカット対策にもなる
レバレッジ1倍での為替取引は、ロスカット対策にも有用です。FXでは実効倍数が小さいほど、損失リスクも低くなるからです。
たとえば15万円分の外国通貨を買い、損失額が3,000円だったとします。倍数の有無で以下のように変わります。
レバレッジ | 証拠金 | 損失率 |
1倍 | 15万円 | 4% |
25倍 | 6,000円 | 50% |
25倍の方が証拠金の50%の損失に対し、1倍は4%で済みます。1倍は証拠金を傷つけにくいので、ロスカットの可能性も低いでしょう。
元手が大きくなる可能性
1倍は、大きな元手になる可能性があります。通貨単位の制約があるからです。たとえばDMM FXやGMOの「FXネオ」は、1万通貨単位が原則です。
それ以下の数量による注文はできません。1米ドル108円なら、1万通貨で108万円が必要です。外為どっとコムのような1,000通貨単位でも、同じ条件では10万8,000円を要します。

FXのレバレッジで借金をする原因
インターネットでは「FXで借金をした」というエピソードが目立つようです。しかし実際は、よほど無茶なお金の使い方や不測の事態がなければ、借金のリスクは低いでしょう。
借金の原因には、主に3つが考えられます。
- 強制ロスカットが追いつかない
- 証拠金以上の損失
- 借金をFXにつぎこむ
強制ロスカットが追いつかない
為替相場の変動が大きすぎて損失額が高まれば、強制ロスカットを受けます。しかし急すぎてロスカットが追いつかず、多額の損失が残るのです。
損失分をカバーできれば大丈夫ですが、そうでないと取引所からの借金としてマイナス分が残ります。相場の暴落や暴騰の可能性もあるので、過剰投資は避けるべきです。
証拠金以上の損失
倍数次第で、証拠金を上回る損失を受けることがあります。このとき追加証拠金を求められるのがほとんどですが、用意できなければ借金生活も考えられるでしょう。
FXにはロスカットがあるので、損失額が証拠金の数字を上回るのは少ないといえますが、相場の急変では損失規模が広がります。

借金をFXにつぎこむ
借金をして、FXにつぎこむのは推奨できません。損失が決まると借金を返せなくなるからです。
FXの相場はいつ高くなり、いつ下がるかわからないので、自信があるからといって過剰な投資はやめましょう。借金をつぎこむと、余計に生活を苦しめる原因です。
レバレッジの損失対策3つ
FXで大損したり、借金を強いられたりしないためには、対策が重要です。少なくとも以下の3つは心得てください。
- 倍数は2~3倍に
- 「残高-必要証拠金=0」にしない
- 利益と損切りのルールを決める
倍数は2~3倍に
レバレッジは2~3倍がおすすめです。1倍だと元手が大きくなり、4倍以上だと損失リスクが気がかりです。2~3倍なら、取引額の半分~3分の1だけで証拠金が足ります。

「残高-必要証拠金=0」にしない
証拠金の残高をすべて使うのは推奨できません。残高と必要証拠金が一緒だと、維持率が100%になり、ロスカットのリスクが高まります。
損失を抑えるには、残高に余裕を作りましょう。たとえば以下の状況だとします。
- 最大レバレッジ:25倍
- 残高:5万円
- 取引額:40万円
- 必要証拠金:1万6,000円(40万円÷25)
維持率は「5万円÷1万6,000円×100=312.5%」と余裕ができます。
利益と損切りのルールを決める
利益目標と損切りの目安を決めましょう。しかし目標が高すぎると、いつまでも利益確定はできません。次のやり方で、健全なマイルールを作れます。
- 損切り目安を「取引額の1%」というようにで決める
- 利益目標は損切り目安の最大2倍にする
以上でマイナスを抑えつつ、堅実なプラスを重ねられるでしょう。
初心者におすすめFX業者3選
DMM FX
- 最短1時間で取引が始められる
- 各種手数料が無料で初心者でも始めやすい
- 24時間サポート窓口に相談できる
DMM FXは、最短1時間で口座開設から取引まで行うことができるので、すぐにFXを始めたい!という方にもおすすめです。
無料で利用できる取引ツールはスマホ版、パソコン版が用意されており、いずれも初心者から上級者まで使いやすい仕様となっています。
最低取引単位 | 10,000通貨 |
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スプレッド |
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通貨ペア | 10,000通貨 |
出典:DMM FX
SBI FXトレード
- 2022年度オリコン顧客満足度第1位※1
- 業界最良水準の高いスワップポイント
- 業界最狭水準のスプレッド
SBI FXトレードは、1通貨単位から取引が可能なFX業者です。
スプレッドが狭く取引コストを抑えることができるほか、コールセンターやAIのチャットボットで相談ができるので初心者の方にもおすすめです。
最低取引単位 | 1通貨 |
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スプレッド |
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通貨ペア | 34通貨ペア |
出典:SBI FXトレード
GMOクリック証券
- 取引コストが業界最安値水準
- 取引ツールが充実
- 24時間サポートで安心
GMOクリック証券は、取引コストが業界最安値水準のFX業者です。
また、24時間電話またはメールで問合せることが可能なので、不明な点や不安が多い初心者の方にもおすすめです。
最低取引単位 | 10,000通貨 |
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スプレッド |
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通貨ペア | 20通貨ペア |
出典:GMOクリック証券
まとめ
レバレッジは、大きな利益のチャンスですが、損失リスクも高まります。相場の急変で、証拠金を上回る損失が出ることもあるでしょう。
しかし対策が万全なら、無駄なお金を失うリスクは抑えられます。レバレッジを2~3倍にとどめたり、残高に余裕をもたせたりすることで、資産をコントロールできるからです。

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