「一条工務店の高性能な家に憧れるけど、価格が高くて手が出ない…」
そう思っている人もいるのではないでしょうか?
あるいは、
「最近よく聞く『ハグミー(HUGme)』って、本当に安いの?」
「規格住宅って聞くけど、間取りは自由に選べないの?安かろう悪かろうで、結局後悔するんじゃないか…」
そんな疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
一条工務店が45周年を記念して発表したハグミーは、本体価格1,490万円(税抜)からという衝撃的な価格で、業界トップクラスの住宅性能を手に入れられる商品です。
しかし、その圧倒的なコストパフォーマンスの裏には、「規格住宅」ならではのルールや制約が存在するのも事実。
そこでこの記事では、そんなハグミーのプランや、間取り変更の限界と可能性、リアルな口コミから見えてくる満足点と後悔ポイントなどを掘り下げていきますよ。
ぜひ最後まで参考にしてみてくださいね!
一条工務店「ハグミー」とは
一条工務店の「ハグミー(HUGme)」は、同社が創業45周年を記念し、2023年1月に販売を開始したモデルです。
ウッドショックや物価高騰により住宅価格が上昇し続ける現代において、「性能は欲しい、でも価格は抑えたい」という多くの人々の切実な願いに応えるべく誕生しました。
その最大の魅力は、本体価格1,490万円(税抜)からという衝撃的な価格で提供している点にあります。
税込価格でも1,639万円からと、高性能な戸建て住宅を圧倒的なコストパフォーマンスで手に入れることが可能となり、家づくりを諦めかけていた層にも新たな希望を与えています。
ハグミーはなぜ安い
「一条工務店の高性能住宅が、なぜこれほど安いのか?」その答えは、ハグミーが採用している「規格住宅」という建築スタイルに隠されています。
- 設計コストの徹底的な削減: 注文住宅では、一棟ごとに顧客の要望を聞きながらゼロから設計図を作成するため、多大な時間と人件費(設計料)がかかります。一方、規格住宅であるハグミーは、すでに完成された102プラン(2025年現在、寒冷地モデルは103プラン)から選ぶため、この個別設計のプロセスが不要となり、コストを大幅に削減できます。
- 建材・設備の大量一括購入: 間取りや仕様を規格化することで、使用する断熱材、窓、キッチン、バス、トイレといった建材や設備を予測しやすくなります。これにより、自社グループ工場での計画的な生産や、メーカーからの一括大量発注が可能となり、スケールメリットを活かして仕入れコストを大幅に抑えることができるのです。
- 工期の短縮による人件費削減: 仕様や手順が標準化されているため、現場での作業が効率化され、職人の手間や迷いが少なくなります。結果として工期が短縮され、現場管理費や人件費といった建築コストの削減に直結します。
このように、ハグミーは設計から部材調達、建築工程に至るまで、家づくりのプロセス全体を合理化・効率化することで、「高性能」と「低価格」という、本来であれば両立が難しいテーマを見事に実現しているのです。
注文住宅・建売住宅との違いとは
マイホームを検討する際、多くの人は「注文住宅」と「建売住宅」を比較しますが、ハグミー(規格住宅)は、まさにその両者の”いいとこ取り”をした第三の選択肢と言えます。
注文住宅 | 規格住宅(ハグミー) | 建売住宅 | |
自由度 | ◎(間取り・デザイン全て自由) | ○(プランと仕様を選択) | ×(完成品を購入) |
価格 | △(高価格帯) | ◎(低価格帯) | ○(中~低価格帯) |
性能・品質 | △(会社・仕様による) | ◎(高性能で均一) | △(物件による差が大きい) |
手間・時間 | △(打ち合わせが多く長期化) | ○(打ち合わせが少なく短期間) | ◎(すぐに住める) |
ハグミーが最適なライフスタイルとは
ハグミーは、特に以下のような考え方やライフスタイルを持つ方に最適な住宅です。
- コストは最優先だけど住宅性能に妥協はしたくない人: ローコスト住宅の断熱性や耐震性に不安を感じるけれど、大手ハウスメーカーの注文住宅は予算的に厳しい、という方にまさにジャストフィットします。
- 家づくりに多くの時間をかけられない多忙な人: 共働きの子育て世代や、仕事で忙しい方にとって、打ち合わせが原則2回で完結するハグミーの効率的な進め方は大きなメリットです。
- デザインや間取りに強いこだわりがなく、プロの提案から選びたい人: 「ゼロから考えるのは大変」「優柔不断で決められない」という方でも、暮らしやすさが計算され尽くしたプランの中から選ぶだけなので、安心して家づくりを進められます。
- 初めて家を建てる若年層・エントリー層: 複雑で分かりにくい家づくりのプロセスを、シンプルかつ明瞭な価格で進めたいと考えている若い世代にとって、ハグミーは理想的な入門モデルとなるでしょう。
ハグミーの間取りプラン
一条工務店ハグミーの家づくりは、公式サイトで公開されている「デジタルプラン集」で確認できます。
手書き風の温かみのあるイラストで描かれた外観や内観は、見ているだけでも夢が膨らみ、家づくりの第一歩を楽しく彩ってくれます。
道路向きで分類されたプラン構成
全102プランは、土地の条件に最も大きく影響する「道路の向き」によって3つのカテゴリに分類され、それぞれに平屋と2階建てが用意されています。
これは、採光やプライバシーを最大限に確保し、その土地のポテンシャルを最大限に引き出すための工夫です。
- 南道路向け(計36プラン): 最もプラン数が多く、人気のカテゴリです。道路側に遮るものがないため、家の南側からたっぷりと自然光を取り込むことができ、明るく開放的なリビングを実現しやすいのが特徴です。
- 北道路向け(計34プラン): 道路が北側にあるため、建物の南側に庭や駐車場などのプライベートな空間を確保しやすいメリットがあります。リビングなど主要な居室を南側に配置し、北側に玄関や水回りを集約することで、プライバシーを守りながら快適な居住空間を創り出します。
- 東西道路向け(計32プラン): 朝日や西日を効果的に室内に取り込む設計がされています。隣家との距離が近くなりがちな都市部でも、光の入り方や窓の位置を工夫することで、快適な住環境を実現します。
部屋数は2LDKから4LDK、施工面積は20坪台後半から30坪台が中心となっており、単身世帯から子育てファミリーまで、幅広い家族構成に対応できるラインナップが揃っています。
間取りプランを選ぶための8つの重要チェックポイント
100以上ある選択肢の中から「我が家のちょうどいい」を見つけ出すために、以下の8つのポイントを家族で話し合いながらチェックしていきましょう。
- リビングの日当たりと広さ:家族が最も長く過ごすLDKは、明るく開放的であることが理想です。できる限り南側にリビングが配置されているプランを選びましょう。ハグミーのリビングは約16~18帖で設計されているものが多く、これは3~4人家族がソファとダイニングテーブルを置いてもゆったりと過ごせる、現実的で十分な広さです。
- 吹き抜けのメリット・デメリット:吹き抜けは、縦への広がりが生まれ、実際の床面積以上の開放感と明るさをもたらします。一条工務店の超気密・超断熱性能があれば、一般的に懸念される「吹き抜けは寒い・暑い」という問題はほぼありません。ただし、高窓やシーリングファンの掃除に手間がかかるという点は理解しておきましょう。
- 水回りの家事動線と収納:ハグミーの多くは、洗面脱衣室に室内干しスペースやタオル・肌着をしまえる収納が確保されており、「洗う→干す→しまう」が最短距離で完結します。キッチンと洗面室が隣接し、回遊できる動線になっているプランは、料理と洗濯を同時進行しやすく、共働き世帯に特におすすめです。
- バルコニーの有無と使用頻度:ドラム式洗濯乾燥機の普及や、花粉・黄砂対策の観点から、近年は「バルコニーなし派」が増加傾向にあります。布団は布団乾燥機で、マットレスはウレタン製にするなど代替案も豊富です。バルコニーの掃除の手間や将来的なメンテナンスコストも考慮し、本当に必要かを見極めましょう。
- 和室の活用イメージ:客間、子どものお昼寝やおむつ替えスペース、アイロンがけなどの家事室、将来的な親の寝室など、和室は多目的に活用できます。しかし、明確な目的がないと物置になりがちです。家族のライフステージの変化を見据え、具体的な活用イメージを持ってから有無を判断しましょう。
- 災害に備える収納スペース:地震や台風などの自然災害に備え、食料や防災グッズを備蓄できるスペースは非常に重要です。多くのプランで採用されているパントリーやシューズクロークは、日常使いだけでなく、防災ストックの保管場所としても大いに役立ちます。
- 子育て世帯に安全な階段の形状:小さな子どもがいる家庭では、階段からの転落リスクを考慮すべきです。万が一足を滑らせても、途中の踊り場で止まる可能性が高い「回り階段」が推奨されます。スタイリッシュな「直線階段」は、落下した場合に下まで一気に落ちてしまうリスクがあります。
- リビング階段の有無:リビング内に階段があると、家族が自然と顔を合わせる機会が増え、コミュニケーションを促進します。一方で、子どもの友人が遊びに来た際にリビングを通る必要がある、音が2階に響きやすいといった側面も。家族の価値観に合わせて慎重に検討しましょう。
寒冷地・北海道専用モデル「ハグミー・ファム」
冬の寒さが厳しく、積雪も多い寒冷地や北海道向けには、性能をさらに強化した専用モデル「ハグミー・ファム」が用意されています。
- 強化された断熱性能: 壁の工法に、より厚い断熱材を充填できる「2×6(ツーバイシックス)工法」を採用。窓も、標準のペアガラスから「高性能樹脂サッシ(トリプルガラス)」にアップグレードされており、外の冷気を強力にシャットアウトします。
- 雪国仕様の設計: 玄関ポーチは宅配ボックスも置けるよう広く設計され、屋根からの落雪が玄関やカーポートを直撃しないよう屋根の向きが計算されています。エコキュートなどの屋外設備も雪の影響が少ない場所に配置され、北海道専用モデルでは凍結防止のため設備を室内に置く専用スペースが確保されています。
- 5LDKプランの用意: 家族構成に合わせて5LDKまで対応するプランがあり、二世帯同居なども視野に入れた家づくりが可能です。
ハグミーの間取り変更・カスタマイズの限界
ハグミーは、厳選されたプランから選ぶ「規格住宅」であるため、コストパフォーマンスに優れる一方で、間取りの変更には一定の制約があります。
この「できること」と「できないこと」の境界線を正しく理解することが、後悔のない家づくりへの第一歩となります。
結論から言うと、建物の構造や性能に関わる根本的な変更はできませんが、日々の暮らしの快適性や使い勝手を向上させるための細かなカスタマイズは豊富に用意されています。
【原則変更不可】ハグミーの「変えられない」部分
ハグミーの最大の魅力である「低価格」と「高性能」は、設計や仕様を徹底的に規格化することで実現されています。
そのため、建物の根幹をなす以下の項目については、どのプランを選んでも原則として変更することはできません。
- 部屋の広さや配置、壁の増減: これらはすべて、国の定める基準をクリアするために厳密に行われた構造計算に基づいて設計されています。壁を1枚動かすだけでも、家全体の耐震バランスが崩れてしまう可能性があります。ハグミーは、完成された設計パッケージとして提供されることで、耐震等級3相当という高い安全性を全棟で保証しているのです。
- 窓の位置・大きさ・数: 窓は、採光や通風だけでなく、建物の強度(耐力壁)や、一条工務店の生命線である断熱・気密性能に大きく関わる最重要パーツです。計算され尽くした位置に高性能な窓を配置することで、業界トップクラスのUA値(断熱性)やC値(気密性)を実現しています。この規格を変更することは、家の性能そのものを変えてしまうことになるため、認められていません。
- バルコニーの有無や勾配天井など: バルコニーの追加や削除、屋根の形を変える勾配天井などは、構造体そのものに大きく影響します。これらを許容すると、規格化によるコストダウンのメリットが失われてしまうため、対応していません。
- 他社製品の住宅設備の採用: キッチンやシステムバス、洗面台などを一条工務店のオリジナル設備に統一し、自社グループ工場から大量に供給することで、高品質な製品を低価格で提供しています。他社製品の導入は、このサプライチェーンの根幹を揺るがすため不可能です。
- 「さらぽか空調」「オープンステア階段」など一部オプションの不採用: 夏場の除湿と床冷房を組み合わせた快適空調「さらぽか空調」や、デザイン性の高い「オープンステア階段」は、一条工務店の人気オプションですが、ハグミーでは採用できません。これらはハグミーの規格とは異なる特別な仕様や施工が必要となるため、コストを抑えたパッケージの中には含まれていないのです。
【カスタマイズ可能】「変えられる」部分
構造の変更はできませんが、暮らしの質を左右する内装や設備に関するカスタマイズの選択肢は数多く残されており、ここに施主の個性を反映させることができます。
- 間取りの左右反転(東西反転): 土地の形状や周辺環境に合わせて、間取り全体を鏡のように反転させることが可能です。例えば、「お隣の家のリビングと窓が向かい合わせになってしまう」「玄関アプローチを道路のこちら側から作りたい」といった場合に非常に有効なカスタマイズです。ただし、太陽の動きに関わるため、南北の反転はできません。
- コンセント・スイッチの位置や高さ: これは注文住宅同様、かなり自由に変更できます。後悔しないためには、家具の配置を具体的にイメージすることが重要です。「ベッドヘッドでスマホを充電したい」「ダイニングテーブルの下でホットプレートを使いたい」「掃除機がけに便利なように廊下の低い位置に」「ルンバの基地をここに作りたい」など、具体的な生活シーンをリストアップして、打ち合わせに臨みましょう。
- ホスクリーン(室内物干し)の位置: 洗濯動線の要となるホスクリーンは、6本まで標準で設置場所を自由に指定できます。洗面脱衣室はもちろん、日当たりの良い2階ホールや、エアコンの風が直接当たる場所など、乾きやすさを考慮して決めると良いでしょう。
- 壁の下地追加: 壁掛けテレビや、DIYで壁に棚を取り付けたい場合、その場所の壁の内側(石膏ボードの裏)に補強用の合板を追加できます(有料オプション)。将来的な手すりの設置や、姿見の取り付けなど、重量物を壁にかける可能性がある場所には、あらかじめ入れておくと安心です。
- 内装カラーの選択: 床材、建具(ドア)、キッチンやカップボードの扉、お風呂のアクセントパネルなど、標準仕様として用意されている複数のカラーバリエーションの中から、好みの色を自由に組み合わせることができます。床の色を明るくすれば開放的に、暗くすれば重厚感が出るなど、色の組み合わせ次第でインテリアの印象は大きく変わります。
間取りに影響するハグミーの標準仕様
ハグミーの魅力は、単に本体価格が安いというだけではなく、坪単価約50万円からという価格帯では通常考えられないほどの高性能な仕様が「標準」で搭載されている点にあります。
これらの仕様は、どの間取りプランを選んだとしても、住まいの快適性、安全性、そして経済性を根底から支える重要な基盤となります。
ここでは、間取り選びにも大きく影響するハグミーの標準仕様を解説します。
熱交換換気システム「ロスガード90」
一条工務店の家を象徴する設備の一つが、この「ロスガード90」です。
これは単なる換気扇ではなく、室内の快適な温度と湿度を保ちながら、24時間365日、家中の空気を自動で入れ替えてくれるシステムです。
- 熱交換の仕組み: 冬は、排気する暖かい室内空気の熱を利用して、取り込む冷たい外気を温めてから室内に供給します。夏はその逆で、冷房で涼しくなった室内の空気を利用し、蒸し暑い外気を冷やしてから取り込みます。この熱交換機能により、換気による熱損失を約90%も防ぐことができ、冷暖房の効率を劇的に向上させます。ある試算では、年間暖房費を約6万円から約1万9,000円まで削減できるというデータもあります。
- 高性能フィルター: 標準搭載のフィルターは、花粉やPM2.5といったアレルギー物質を大幅にカットします(花粉除去率99%)。これにより、窓を閉め切ったままでも常にクリーンな空気を維持できるため、花粉症の方や小さなお子様がいる家庭でも安心して暮らせます。
- 間取りへの好影響: 窓開け換気が不要になるため、防犯性が高まるだけでなく、道路沿いの土地で騒音が気になる場合や、プライバシーを確保したい場合でも、快適な室内環境を維持できます。また、料理やペットの気になる臭いも2時間程度で家全体が換気されるため、臭いがこもりにくいというメリットもあります。
超気密・超断熱
ハグミーは、国の定める省エネ基準であるZEH(ゼッチ)基準を標準でクリアし、長期優良住宅にも対応可能な「断熱等級5」相当の性能を誇ります。
- 業界トップクラスの数値: 住宅の性能を示す指標として、UA値(熱の逃げやすさ)は0.6以下、C値(家の隙間の量)は0.7以下という、住宅業界でもトップクラスの数値を保証しています。これは、一般的なローコスト住宅とは一線を画す性能です。壁には厚さ89mmの断熱材(EPS1号相当)が充填され、窓にはアルミサッシの約3倍の断熱性能を持つ「高性能樹脂サッシ(ペアガラス)」が採用されています。
- 間取りへの好影響: この魔法瓶のような高い断熱・気密性能があるからこそ、ハグミーでは「吹き抜け」や「リビング階段」といった、一般的には冷暖房効率が悪くなりがちな開放的な間取りを、快適性を損なうことなく採用できます。家全体の温度差が少なくなるため、冬場の脱衣所やトイレで起こりやすいヒートショックのリスクを大幅に軽減できるのも大きなメリットです。
外壁全面タイル
多くの住宅でオプション扱いとなる高級感のある「外壁全面タイル(石面調タイル)」が、ハグミーでは標準仕様です。
- 圧倒的なメンテナンス性: 一般的なサイディング外壁は、10年~15年ごとに再塗装やコーキングの打ち替えが必要となり、その都度100万円以上の足場を組んだ大規模なメンテナンス費用が発生します。一方、タイルの耐久性は40年~60年と言われており、紫外線による色褪せや劣化がほとんどありません。ある試算では、サイディング貼りの住宅と比較して、60年間で約740万円ものメンテナンスコストを節約できるとされています。
- 選べるデザイン: 標準でホワイト、グレー、ピンク、ブラックの4色から選択可能。重厚感と高級感のあるデザインは、家の外観を美しく彩ります。
耐震等級3相当「2倍耐震」
ハグミーは、全プランで建築基準法で定められた壁量(地震力に抵抗する耐力壁)の2倍を確保した「2倍耐震」仕様です。
これは、消防署や警察署など、防災の拠点となる建物と同等レベルの耐震等級3に相当する強度を誇ります。
- 繰り返す地震への強さ: 一度の大きな揺れだけでなく、その後に続く余震にも耐えられるよう設計されています。「これまでに日本で起きた最大震度・マグニチュードを超えるような地震が起きない限り問題のないレベル」とされており、万が一の災害時にも家族の命と暮らしを守るシェルターとしての役割を果たします。この構造的な安心感があるからこそ、プランによっては広々としたLDK空間を実現できるのです。
充実した設備と収納
ハグミーは、日々の暮らしを豊かにする高品質な設備や、考え抜かれた収納が標準で充実しています。
- キッズカウンターキッチン: 料理をしながらリビングで過ごす子どもの様子を見守れる対面式キッチン。収納力も高く、引き出しには衝撃を和らげるソフトクロージング機能や、地震の際に扉が開くのを防ぐ耐震ロックが標準で付いています。
- 真空断熱保温浴槽: 追い焚きなしで6時間経っても約1度しか湯温が下がらない高断熱浴槽。家族の入浴時間がバラバラでも、追い焚きの回数を減らすことができ、光熱費の節約に繋がります。
- 考え抜かれた収納計画: 多くのプランで、洋服や季節家電をまとめてしまえるウォークインクローゼット(WIC)や、ベビーカー、アウトドア用品、防災グッズなども置ける土間収納として活躍するシューズクロークが標準で設けられています。
間取りを豊かにするオプションと費用
一条工務店ハグミーの本体価格1,490万円(税抜)からという数字は、家づくりを検討する多くの人にとって非常に魅力的です。
しかし、この価格はあくまで建物の「器」の価格であり、実際に快適な生活を送るためには、様々なオプションの追加や付帯工事が必要不可欠です。
最終的な建築総額は、土地の条件や選択するオプションによって大きく変動しますが、一般的には2,500万円から3,000万円程度に落ち着くことが多いとされています。
おすすめのオプション4選
ハグミーを建てるほとんどの施主が採用すると言われる、満足度に直結する「必須級」のオプションがあります。
これらは初期投資が必要ですが、長期的な快適性や経済性を考えると、費用対効果が非常に高いものばかりです。
- 全館床暖房(1坪あたり約2.2万円・税抜):一条工務店の代名詞ともいえる全館床暖房は、ハグミーでも満足度が最も高いオプションの一つです。30坪の家であれば約66万円の追加費用が発生しますが、その価値は絶大です。冬場、玄関を一歩入った瞬間から家全体が春のような陽だまりの暖かさに包まれ、リビングはもちろん、暖房が行き届きにくい廊下やトイレ、脱衣所に至るまで温度差がありません。これにより、冬場の家庭内事故で多いヒートショックのリスクを大幅に軽減できます。エアコンのように風が出ないため、空気が乾燥しにくく、ホコリが舞い上がらないのも大きなメリット。暖房器具を置くスペースが不要になるため、どの間取りでも空間をすっきりと広く使えるようになります。
- 太陽光パネル・蓄電池(セットで約200万円以上):高騰し続ける電気代への対策や、地震・台風などの災害時の備えとして、太陽光パネルと蓄電池の重要性は年々高まっています。初期費用は約200万円以上(約250万円~)と高額ですが、日中の電気を自家発電でまかない、余った電力を蓄電池に貯めることで、電気をほとんど買わない生活も夢ではありません。停電が発生しても、蓄電池に貯めた電気で照明やスマートフォンの充電、冷蔵庫などを稼働させることができ、災害時でも最低限の生活を維持できる安心感は計り知れません。一般的に10年~15年で初期費用を回収できるとされており、長期的に見れば経済的なメリットは非常に大きいです。また、初期費用0円で始められる「カナエルソーラーPlan」も用意されています。
- 基礎・地盤改良工事(ベタ基礎変更:約30~40万円):ハグミーの標準基礎は「布基礎」ですが、日本の多くの地域や地盤の状態を考慮すると、地面全体を鉄筋コンクリートで覆う「ベタ基礎」へのグレードアップが推奨されます。オプション価格は約30~40万円で、地震の揺れを面で受け止めて分散させるため耐震性が向上し、地面からの湿気やシロアリの侵入を防ぐ効果も高まります。また、土地の地盤調査の結果、地盤が弱いと判断された場合は、別途地盤改良工事(約70~80万円)が必要になるケースもあります。これらは家の安全性を担保する上で最も重要な部分であり、オプションというよりは「土地に合わせた必須工事」と捉えるべき費用です。
- オリジナルLED照明パッケージ(1坪あたり3,000円):意外に思われるかもしれませんが、ハグミーの標準仕様には居室の照明が含まれていません。そのため、ほとんどの施主がこのLED照明パッケージを採用します。30坪の家であれば約9万円で、ダウンライトやシーリングライトなど、生活に必要な照明が一通り設置されます。自分で一つずつ照明を選んで施主支給する手間が省け、プロが選んだ照明計画によって、どの間取りでも統一感のあるすっきりとした空間に仕上がるため、非常にコストパフォーマンスの高いオプションと言えるでしょう。
人気の便利オプション一覧
必須級オプションに加えて、ライフスタイルに合わせて採用を検討したい人気のオプションも多数あります。
- ハイドロテクトタイル(1坪あたり約1.8万円・税抜): 太陽の光で汚れを分解し、雨水で洗い流すセルフクリーニング機能を持つ外壁タイルです。35坪の家で約60万円の追加費用がかかりますが、将来的な外壁の塗り替えなどのメンテナンスコストを60年間で約740万円も節約できるという試算もあり、長期的な視点で見れば非常にお得です。
- 高性能樹脂サッシ(トリプルガラス仕様)(1坪あたり約2.2万円・税抜): 標準のペアガラスからトリプルガラスに変更することで、断熱性・遮音性が格段に向上します。30坪の家で約66万円の追加費用となりますが、冷暖房効率がさらに高まり、結露の発生を強力に抑制します。特に寒冷地や大通りに面した土地では大きな効果を発揮します。(ハグミー・ファムでは標準仕様)
- ロスガード90うるケア(約10万円): 標準の熱交換換気システムに加湿機能をプラスするオプションです。全館床暖房と組み合わせることで、乾燥しがちな冬でも室内を快適な湿度(50%前後)に保ち、喉や肌の乾燥、ウイルス対策にも有効です。
- 食器洗い乾燥機(深型タイプ)(約6万円): 標準の浅型から、より多くの食器を一度に洗える深型に変更するオプションです。約6万円の差額で、日々の家事の負担が大幅に軽減されるため、「採用してよかった」という声が非常に多い人気のアップグレードです。
- 玄関ドア電子キー(e-エントリー)(約7万円): リモコンキーをカバンやポケットに入れておけば、ドアハンドルのボタンを押すだけで施錠・解錠ができます。荷物で両手がふさがっている時や、子育て世代に絶大な支持を得ている便利なオプションです。
- カップボード(17万円~58万円): キッチンと同じデザインで統一感のあるカップボードを設置できます。収納力が大幅にアップし、キッチン周りがすっきりと片付きます。一条工務店の紹介制度を利用すると、30万円相当のカップボードが特典として付いてくる場合があるため、契約前に確認することをおすすめします。
オプションを含めた総額の目安
ハグミーの坪単価は約50万円~とされていますが、これはあくまで本体価格を基準にしたものです。
上記のようなオプションを追加し、屋外給排水工事や地盤改良などの付帯工事費、登記費用やローン手数料といった諸費用を含めると、最終的な坪単価は60万円程度に落ち着くのが一般的です。
家づくりを計画する際は、魅力的な本体価格だけでなく、これらの追加費用を必ず考慮に入れた上で、余裕を持った資金計画を立てることが、後悔しないための最も重要なポイントと言えるでしょう。
後悔しないための間取り選びのポイントと注意点
一条工務店ハグミーは、圧倒的なコストパフォーマンスで高性能な住宅を手に入れられる素晴らしい商品ですが、そのメリットを最大限に享受し、後悔のない家づくりを実現するためには、いくつかの重要なポイントと注意点を事前に理解しておく必要があります。
規格住宅と割り切る
まず最も大切な心構えは、ハグミーが「規格住宅」であるという制約を正しく理解し、ある程度割り切る姿勢を持つことです。
注文住宅のように「完璧な100点満点の間取り」をゼロから創り上げるのではなく、プロが用意した100以上の優れたプランの中から、「自分たちの家族にとって最もフィットする80点以上の間取り」を見つけ出すというマインドセットが成功のカギとなります。
原則2回の打ち合わせを成功させるための徹底準備術
ハグミーの打ち合わせは、原則として平日のみ、計2回と非常にタイトです。
この短期間で後悔のない決定を下すためには、打ち合わせに臨む前の「家族会議」と「事前準備」がすべてと言っても過言ではありません。
SNS・実例の活用
- SNSやブログでリアルな情報を収集: Instagramで「#一条工務店ハグミー」「#ハグミーの間取り」などのハッシュタグを検索すると、実際に建てた人の内装の工夫や、採用して良かったオプション、そして「後悔ポイント」といった貴重な情報が溢れています。特にコンセントの位置や収納の内部構造、照明の明るさなど、図面だけでは分かりにくい部分のリアルな感想は、自分の家づくりに直接活かすことができます。
- 住宅展示場・宿泊体験の活用: ハグミー専用のモデルハウスは少ないですが、一条工務店の他の商品(アイスマートなど)の展示場でも、キッチンやバス、洗面台といった標準設備のサイズ感や質感、そして何より「家は、性能。」を支える高い断熱性や気密性は十分に体感できます。機会があれば、実際に一泊して住み心地を体験できる「宿泊体験」に参加することを強くお勧めします。
見落としがちな重要注意点
- 「総額」で考え、予備費を確保する: ハグミーの本体価格はあくまで一部です。最終的に支払うのは、オプション費用、付帯工事費(屋外給排水工事など)、諸費用(登記費用、ローン手数料など)、そして外構費を含めた「総額」です。特に外構(駐車場、庭、フェンスなど)は100万円~200万円以上かかることも珍しくありません。間取り選びの段階から、駐車場や庭の配置を考慮しないと、「リビングの窓の前にカーポートの柱が来てしまった」といった失敗につながります。
- サイン後の変更は一切不可: 「着手承諾」とは、すべての仕様を最終決定し、工事の着手を承諾する契約です。このサインをすると、部材の発注が始まるため、その後はコンセント1つの位置変更すら原則としてできません。打ち合わせの回数が少ないからといって焦らず、少しでも疑問や不安があれば、必ず着手承諾前にすべて解消しておく必要があります。
- 期間・棟数限定商品であるという事実: ハグミーは45周年記念の「期間&棟数限定商品」として販売されており、いつ販売終了になるか分かりません。また、一条工務店の商品は坪単価が年々上昇傾向にあるため、迷っている間に価格が改定されたり、商品自体がなくなったりする可能性も考慮し、早めの検討が有利に働く場合があります。
まとめ
今回は、一条工務店の「ハグミー(HUGme)」について、間取りプランからカスタマイズの限界、リアルな総額までを解説しました。
ハグミーは、間取りの自由度に制約はありますが、その分、設計コストが削減され、品質の担保された高性能住宅を短期間で、かつ手の届く価格で建てられるという大きなメリットがあります。
ぜひこの記事も参考に、ハグミーや他の選択肢もみながら、理想の家づくりを進めてみてくださいね!
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