前営業日(9月2日)の海外市場は、日銀氷見野副総裁のハト派的発言と日本の政局不安を起因とするJPY全面安が主導する展開となった。USD/JPYは147.30から148.94への+110pips上昇を記録し、約1か月ぶりの高値を更新。米株市場はテンイヤー・イールド上昇(4.3%台)を受けたテック株売りによりDJIA -249pt(-0.55%)で終了。商品市場では地政学リスクと安全資産需要によりGOLD 3600ドル台、WTI 66ドル台まで上昇した。
主要通貨ペア終値レンジ
- USD/JPY: 148.10-148.50
- EUR/USD: 1.0890-1.0920
- GBP/USD: 1.3050-1.3080
- AUD/USD: 0.6580-0.6620
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※投資は自己責任のもとで行うようにしましょう。
主要ニュース分析
【重要度:★★★】【影響期間:短期〜中期】日銀氷見野副総裁ハト派発言
ファンダメンタル分析: 氷見野副総裁の「米関税政策の影響がこれから及んでくる、大きくなる可能性により注意が必要」発言は、明確に12月利上げ観測を後退させた。OIS市場では12月0.25%利上げ確率が80%から60%へ低下。2022年12月以来の大幅なハト派シフトと評価できる。
テクニカル分析: USD/JPY日足チャートで147.20サポート離脱後、一気に148.90レジスタンス接近。RSI(14)は78.5と過熱状態だが、MACD Signal Crossは強い上昇モメンタムを示唆。149.20が次期ターゲット、149.80-150.00ゾーンが重要レジスタンス。
類似ケース比較: 2022年10月の黒田総裁「機動的対応」発言時(USD/JPY +180pips/日)と同等のインパクト。ただし当時と異なり、現在は米金利上昇局面であり、JPY売り圧力はより持続的と判断。
【重要度:★★☆】【影響期間:短期】US株式市場調整
ファンダメンタル分析: 10Y Treasury 4.28%への上昇がテック株のバリュエーション圧迫。NASDAQ100のPER倍率は28.5xと依然割高水準。ISM Manufacturing 48.7(vs 49.0 exp)は景気回復鈍化を示唆し、金利上昇と景気減速のスタグフレーション懸念が浮上。
セクター分析:
- Technology: -1.8%(NVDA -2.4%, MSFT -1.9%)
- Healthcare: +0.8%(JNJ +1.2%, MRK +0.9%)
- Energy: +1.1%(CVX +1.4%、原油高連動)
【重要度:★★☆】【影響期間:短期】豪州Q2 GDP上振れ
ファンダメンタル分析: Q2 GDP +1.8% YoY(vs +1.6% exp)は2023年9月以来の高成長。家計消費+0.8%、設備投資+1.2%が牽引。RBA利下げ期待は大幅後退し、政策金利据え置き確率が70%から85%へ上昇。
AUD/USD テクニカル: 0.6580突破で0.6620ターゲット到達。日足雲上限0.6650が次期レジスタンス。AUD/JPY 97.20突破は98.00-98.50ゾーンへの上昇を示唆。
市場インパクト評価
通貨ペア | 短期(1-3日) | 中期(1-2週間) | 主要ドライバー |
---|---|---|---|
USD/JPY | 8.5/10 | 7.0/10 | 日銀政策期待、政局不安 |
EUR/USD | 4.0/10 | 5.0/10 | USD strength |
GBP/USD | 6.0/10 | 6.5/10 | UK政治リスク |
AUD/USD | 7.5/10 | 6.0/10 | GDP好調、RBA政策 |
GOLD | 7.0/10 | 8.0/10 | 安全資産需要 |
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トレード戦略提案
PRIMARY SETUP: USD/JPY Long
エントリー条件:
- 148.20-148.40押し目での買い
- 147.80割れでストップロス
- リスクリワード 1:2.5
ターゲット:
- TP1: 149.20 (+80pips)
- TP2: 149.80 (+140pips)
- TP3: 150.50 (+210pips)
根拠: 日銀ハト派化+政局不安のダブルインパクトでJPY売り圧力継続。テクニカル的に149.80-150.00突破で151.00への上昇余地大。
SECONDARY SETUP: AUD/JPY Long
エントリー条件:
- 97.00-97.20での押し目買い
- 96.50割れストップ
- GDP好調による豪ドル買い継続期待
ターゲット:
- TP1: 98.00 (+80pips)
- TP2: 98.80 (+160pips)
HEDGE SETUP: GOLD Long
エントリー条件:
- 3580-3590押し目での買い
- 3550割れストップ
- 地政学リスクヘッジ
リスク管理の注意点
即座対応必要事項:
- USD/JPY急騰リスク: 150.00突破時は日本政府・日銀の口先介入警戒。過去データでは150.50が介入ライン。
- 政局急変対応: 自民党総裁選前倒し正式決定時はJPY追加売り、石破政権延命時は買い戻し想定。
- 雇用統計前ポジション調整: 本日JOLTS、木曜ADP、金曜NFPの3連続雇用指標でUSD方向感決定。738万件割れでUSD売り圧力。
ボラティリティ管理:
- USD/JPY ATR(14): 85pips → 今週予想120pips
- ポジションサイズ通常の70%に調整推奨
- 重要指標30分前全ポジション50%利確ルール適用
市場流動性注意:
米国Labor Day明けで流動性低下予想。スプレッド拡大とスリッページ増加に注意。特にNY午後3-4時のフィキシング前後は要警戒。
チーフアナリスト 山田
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